みんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴルガチギアトラック」は、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太の二人による“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画。今回はタイトリスト『GT3』ドライバーのオフセンターヒット時の寛容性などの検証をおこなった。
 
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タイトリスト『GT3』はツアープレーヤーが認めた美しいフォルムと手応えのある打感・打音はそのままに、進化したシュアフィットCGトラックによって弾道の一貫性と操作性が向上。打点の集中するエリアにヘッド重心を近づけることで、最大飛距離を一貫して発揮させると謳っている。

試打クラブのスペックは、タイトリスト『GT3(10.0度)』1、シャフトはメーカー純正の『TENSEI 1K BLUE 55(Flex S)』。ヘッド体積は460cc、シャフト長さは45.5インチ。いつもどおり試打で使うボールはタイトリスト『プロV1』。

画像: 試打したタイトリスト『GT3(10.0度)』 × 純正『TENSEI 1K BLUE 55(Flex S)』

試打したタイトリスト『GT3(10.0度)』 × 純正『TENSEI 1K BLUE 55(Flex S)』

試打の前に癸生川、小島の両プロが、今回の『GT3』は、これまでの『3』を冠した“逃げ顔”の操作性重視のヘッドとはちょっと違うということで意見が一致。その“違い”を追求する。

小島: この『GT3』のロフトは8度、9度、10度、11度のラインアップ。僕は『3』を冠するモデルに11度があることに違和感があって、そこに何かタイトリストのメッセージがあるんじゃないかと。

癸生川: それを試打で探りますか。

小島: 見た目はどうですか。

癸生川: 歴代の『3』ヘッドは操作性に優れたモデルというイメージを持っていたけれど、『GT3』は、つかまりやすそうなヘッド形状に見えるんだよね。

小島: いやぁ、『3』は逃げているイメージしかないですよね。(と言って構えて見ると)。ホンマや! 確かに、フェースのバルジ(膨らみ)が抑えられているのか、ちょっとつかまえようとしている感じのヘッドに見えますね。ちなみに今回『GT3』を選択している契約プロのトム・キムはフェードヒッターですから、打ち出しは左に来るので、構えた時に安心感が選手によって変わってくるのかなと思います。

癸生川: 打ちやすく見えるのかな。

小島: 据わりはどうですか。

癸生川: いいですよ。

小島: タイトリストのヘッドは前から、ヘッドの重心で各々構えてねというメッセージ性もあったので、あまり据わりって重要視していなかったように思うんですけど。今回、据わりが良くなったというのはプレーヤー側からの意見も入っているのかなと思います。つまり、みんなが使える『3』になっているなという印象はありますね。

果たして「みんなが使えるGT3」になっているのか。

では試打開始!

HS42m/s前後でセンターヒット

0.4度右に打ち出してから、弾道は3.6度左に傾いて、2.7ヤード左に着弾した、中弾道のドローボール。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.6m/s
ボール初速●61.2m/s
打ち出し角●12.3度
スピン量●2164rpm
降下角●33.1度
キャリー●209.5Y
飛距離●237.7Y
打ち出し方向●0.4度右
スピンアクシス●3.6度左
SIDE●2.7Y左

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●3ミリトウ
Vインパクト●7ミリ高

画像: HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「42m/s前後で打っても球はつかまるし、上がるし、右に逃げる要素は全然ない」というもの。

小島プロのデータと弾道を見ての感想は、「僕もつかまるなという印象はありますよね。つかまるのに操作性が良いみたいなイメージです」。

試打前に感じた、これは『つかまるヘッド』だという印象は、実証された形だ。

ではトウで打った時はどうだろう。

HS42m/s前後でトウヒット

5.2度右に打ち出してから、弾道は11.9度左に傾いて、5.5ヤード右に着弾した、中低弾道のドローボール。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.2m/s
ボール初速●61.8m/s
打ち出し角●10.2度
スピン量●1884rpm
降下角●23.5度
キャリー●189.4Y
飛距離●229.6Y
打ち出し方向●5.2度右
スピンアクシス●11.9度左
SIDE●5.5Y右

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●21ミリトウ
Vインパクト●1ミリ低

画像: HS42m/s前後でトウヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

HS42m/s前後でトウヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「う~ん、ここまでトウだと球は上がらない。曲がったな~という感じはないんだけど、ちょっとキャリーが足りない感じ。結果的には、真ん中(ターゲットから5.5ヤード右に着弾)に行ってくれて『ホッ』としたっていう感じ」

では、ヒールヒットはどうだろう。

HS42m/s前後でヒールヒット

5.0度左に打ち出されてから、弾道は11.6度右に傾いて、3.9ヤード右に着弾した、中弾道のフェードボール。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.3m/s
ボール初速●61.6m/s
打ち出し角●10.0度
スピン量●3390rpm
降下角●38.9度
キャリー●209.5Y
飛距離●228.0Y
打ち出し方向●5.0度左
スピンアクシス●11.6度右
SIDE●3.9Y右

【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●21ミリヒール
Vインパクト●0ミリ

画像: HS42m/s前後でヒールヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

HS42m/s前後でヒールヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ

癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「ヒールに当たるとちゃんと右に曲がる気がする」というもの。

センター、トウ、ヒールで当たったときのデータを小島プロが比較・分析

『ボールスピード』はトウに当たった時もヒールに当たった時も、芯で当たった時と比べてほぼ落ちていないです。

『打ち出しの高さ』はトウに当たった時も、ヒールに当たった時も、ちょっと落ちます。

『スピン量』は、トウヒットの時はセンターヒットの時より280rpm減り。ヒールに当たった時は1226rpm増えます。

『落下の角度』はトウに当たった時は23.5度ですから、癸生川プロが感じた通り弾道は低いです。一方のヒールに当たった時は38.9度ですが、芯で当たった時も33.1度と高めですから許容範囲だと思います。

『キャリー』は芯で打った時とヒールで打った時がまったく同じで209.5ヤード。トウで当たった時は189.4ヤードですから20ヤード落ちます。『トータルの飛距離』は、トウヒットした時はランが出るので229.6ヤードで、ヒールヒットは228.0ヤードなので、芯で打った時からは8〜9ヤード落ちるにとどまっています。

試打前に、今回の『GT3』は、つかまるヘッドで皆が使えるクラブになっているのでは、という印象を持ったプロたちだったが、試打後の感想は。

小島: データから言えることは、『GT3』は、思っているよりも許容性があるということですよ。

癸生川: ということは、トウで打って右から左とか、ヒールで打って左から右というふうに打ちたい時に適したクラブということ?

小島: そうですよね。これって『打点も加味した操作性』なんですよ。フェードヒッターのビクトール・ホブランに「どうやってドローを打つの」って聞いたら、「あまりパスを右にしたりせず、打点だけちょっと右にしているんだよ」って言ってました。実際にデータ取らせてもらったけど、その通りの結果が出ていましたから。打点のズレで球筋を変えていくということで、この『GT3』も、ちょっと先で打つ人にしてみたらドローが強くなるし、ヒールで打つ人はフェードが強くなる、そういうヘッドですよね。基本的にはつかまりの良いヘッドなんだけど、そういう操作性の良さみたいなものがあるのかなと思います。

結論

画像: 試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)

今回の試打では、タイトリスト『GT3』ドライバーのオフセンターヒット時の寛容性を中心に検証したが、二人のプロはどういう印象をもったのか、聞いてみよう。

癸生川: タイトリストの『3』シリーズは操作性のあるクラブということは分かっていたんだけれど、この『GT3』は許容性も兼ね備えていると感じました。

小島: まず、この『GT3』のヘッドはつかまるなって思いました。そして癸生川プロが言われたように、操作性に優れていて、なおかつミスヒットしてもある程度の結果が出る。オールマイティなクラブの中でも、操作性に優れたクラブと感じました。

タイトリストの『3』を冠するドライバー、球を曲げて使う操作性に優れた上級者向けのモデルという印象があったが、今回の『GT3』に関しては、ガチギアの試打によって操作性と許容性を兼ね備えたモデルであることが分かった。

みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、タイトリスト『GT3ドライバー』のオフセンターヒット検証以外に、最適クラブスピードの割り出しなども行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。

▶『GT3 ドライバー』の純正シャフトの最適HS検証は動画でチェック!

THANKS/アコーディア・ゴルフ技術研究所

※2025年2月27日22時30分、一部加筆修正しました。

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