
今週開幕する米下部ツアー「エプソンツアー」に挑む原英莉花
今年エプソンツアーに日本から挑むのが、原英莉花選手です。言わずと知れた国内ツアー5勝、うち3勝がメジャーというトッププロ。華々しい実績を持ちながら下部ツアーに挑戦するとあって、大きな話題となりました。
そんな原選手と親交のあるプロゴルファー・中村修プロにエプソンツアーでの展望を聞くと、こんな答えが返ってきました。
「今月初旬にインタビューさせてもらいましたが、スウィングやシャフト選びに悩んでいるとのことでした。フェードを打ちたいが、上手くコントロールできなくてドローになると。その後、2月中旬に渡米して練習しているそうですが、現状はどこまで調子を上げてきたかといったところでしょうか」
ドローボールはアマチュアの憧れですが、ひとつ間違えると引っかけ(チーピン)のミスが出て、コントロールが難しい。そこでフェードを、となったようですが、原選手としては左を向いて構えるのがどうにも気持ち悪いよう。
その違和感を克服して左を向いてフェードを打つのか、慣れたドローで攻めていくのか……まずはそのあたりの仕上がり具合が初戦に関しては問われることになりそうです。
「昨年何試合かエプソンツアーでキャディをした奥嶋誠昭コーチに話を聞くと、移動が大変なうえに芝質も毎試合変わり、そもそもコースが難しく、アプローチのバリエーションなど慣れる必要のある要素が多いとのことでした。原選手は、キャディを帯同するものの、クラブ選びもコースマネジメントも自分たちでイチからやる必要があります。原選手の実力をもってしても、すぐに結果を出すのは簡単ではないと思います」(中村プロ)
国内ツアーであれば、慣れた環境、慣れた移動でプレーに集中できますが、まずは移動、食事、ツアー関係者や選手とのコミュニケーション……とプレー以外の部分に慣れることが先決。そのうえで難コースと向き合い、日本のコースと異なる芝にアジャストしなければなりません。クラブも調整の必要があるはずです。簡単でないのは想像に難くありません。
「ただ、エプソンツアーの環境に行かなければ経験できないこともありますし、その経験から学んで進歩しようとするマインドを彼女は持っています。優勝を含めた結果を残して米LPGAに昇格する可能性ももちろんあると思いますし、国内でメジャー3勝を挙げた選手が『もう一度戦う気持ちでプレーしたい』という気持ちで臨む挑戦を、応援したいです」(中村プロ)
エプソンツアーを戦い抜いた先には、もちろん来季の米女子ツアー昇格が視野に入っているはず。その先には海外メジャーの舞台も広がります。
チャレンジーとして挑む原英莉花プロに、エールを送りたいですね。