
北海道の北広島市出身でひと味違った「さくら語録」を操る小祝。地元の自慢は、美味しい食べ物と美しい景色とエスコンフィールド
小祝さくら
プロゴルファー
「若手選手に刺激をもらい“いつも通り”に」
こいわい・さくら(26)/北海道出身。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年のプロテストで一発合格。19年初優勝。2020-21年は5勝を挙げ最後まで賞金女王を争う。22年2勝、23年1勝、24年は2勝を挙げ、ツアー通算11勝。週刊GDとみんゴルで連載している『ゴルフ、ときどきタン塩』も絶好調。見た目は天然、しかし人や物事を見る目は鋭い。好きな食べ物は、牛タンとナマコ酢。

「関西弁はうつりやすい。高校は福井なんですけど関西人も多くて。高校で3年、オリックスで8年、12年間触れてきたんです」。地元の自慢は温泉
山﨑颯一郎
オリックス・バファローズ投手
「自分のスタイルを貫いて結果を出していく」
やまざき・そういちろう(26)/石川県出身。190cm・95㎏、右投げ右打ち。背番号21。小3で野球を始め、敦賀気比高校時には甲子園に出場。ドラフト6位で17年にオリックス入り。22年には中継ぎとして日本一達成に貢献。23年、球団日本人最速の160㎞/hをマーク。長身から投げ下ろす直球が武器。オリックスの女性ファン「オリ姫」からの“推し”人気は常に上位。
「ピッチングとゴルフ、似ているところは?」(小祝)
「ゴルフのインパクトのところと、投球のリリースのタイミング」(山﨑)

「最近ちょっとゴルフにはまっている」という山﨑
小祝: 私、最近すごく野球にハマっているんです。山﨑選手、すごい人気ですから何だか緊張します。
山﨑: ありがとうございます。僕は最近ちょっとゴルフにハマっているんです。スコアは言えないですけど(笑)。今日着ているのが試合のときのユニフォームですか?
小祝: はい。ゴルフウェアです。
山﨑: へえ、おしゃれですね。昨年、野球チームを作って試合をしたと聞きました。
小祝: はい。
山﨑: ポジションはどこですか?
小祝: どこと決まってはいないんですけど……。
山﨑: ショート?
小祝: ショートってどこですか?
山﨑: (笑)。では、ピッチャー? いや、サード?
小祝: いや、右奥です。
山﨑: 右奥……たぶんライトですね。
小祝: あ、そうです。そこを担当したり。結構ボールが飛んできますよね。だから大変でした。
山﨑: ははは。相手も女子プロですか?
小祝: キャディさんのチームがあって、そこと対戦したりしました。
山﨑: ゴルフと似ているところはありますか? 僕は、バッティングのセンスはないからか、ゴルフ、下手なんです。
小祝: でもゴルフはピッチャーのほうが上手ですよね。
山﨑: 感覚的に似ているところがあると聞きます。まだそこまでつかめていないんですけど。ゴルフはシーズンオフの納会などでやりますけど、まずはウェアから頑張ろうと思って、探して買って。
小祝: 何を買ったんですか? サイズがなかなかなさそうです。
山﨑: そうなんです。だから毎回同じ格好をしています(笑)。ゴルフで使えそうな普通のダウンなどを、韓国のMLBショップで買ったりしています。ヤンキースとかボストンとかLAとか、カスタマイズできるんです。
小祝: 知ってます。私も好きです。

野球とゴルフの共通点を話す小祝
山﨑: ゴルフは、始めてすぐ、本当にえげつないスコアを出して「これはヤバい」と思ったんです。でも、だんだんスコアがよくなってくるにつれて楽しいなあと思ってきて、最近はYouTubeなどを見るようになりました。
小祝: レッスン動画ですか?
山﨑: はい。初心者のスウィング、練習法などです。数カ月で70台、80台を出せた練習法を見たり。まずは手首を使えるような練習をしていました。素振りですけどね。
小祝: 私は手首をあまり使わないように気を付けてはいるんです。
山﨑: あらら。
小祝: でも、そういう練習もたくさんあります。個人差もあるし、スウィングもいろいろあるので。
山﨑: 全然あかんことやってるかな。でも、随分よくはなったんですよ。ドライバーはやっぱり真っすぐ飛ばしたい。毎回ビューンとスライスする。フェースが開いた角度で当たるので、それを返すのが難しいですね。
小祝: ああ、でも当たったらめっちゃ飛びそうです。300ヤード以上行きそう。
山﨑: パワー系なので。安定すればワンチャンありますよね。
小祝: ピッチングとつながるところはありますか。
山﨑: やっぱり、ゴルフのインパクトのところと、投球のリリースのタイミングが似ています。フェースが開くとスライスしますけど、ピッチャーもリリースで“開いて投げる”と、よくない軌道になる。だから真っすぐリリースする。するとしっかり力が伝わります。
小祝: 野球選手は、指の先で最後までボールをつかんでいる感じ。私は手のひらで投げてしまうので。
山﨑: なるほど。でも、僕らでも結構悩むところです。そこをあまり考えすぎたら沼にはまります。
小祝: そこをすごく考えているんだと思っていたので意外です。
山﨑: 正直、足を上げてからはあまり考えていない。もちろん、投げた後に、左ひざの角度を合わせたり、止めたりする人もいたり、人それぞれですけど、あまり意識するとおかしくなる。
小祝: 確かに、考えすぎていいことってないですよね。
山﨑: でも、練習のときは指先のことも考えます。よくある練習やったら、寝っ転がって真上にボールを投げる。指がきちんとかかってないと真上に投げられないんですね。小中学校のときは、ずっとやっていました。

ブルペンという“聖域”に入らせてもらい緊張気味の小祝
小祝: 回転をかけるということですね。
山﨑: スナップスローというんですかね。
小祝: 今度練習してみます。
山﨑: なぜか野球のアドバイスをしましたけど(笑)、スライスを直すアドバイスはありますか?
小祝: そうですね、インサイドアウトってわかりますか?
山﨑: ちょっとだけ(笑)。
小祝: クラブを上から入れず、手前から入れるイメージです。野球選手は上から入れがち。特に身長も高いので。そうするとヘッドが外から来てスライスします。
山﨑: 手前から……インコースから、というイメージですか。
小祝: そうですね。体のほうから外側に。フィニッシュも高い位置に持っていくんです。それが体に巻き付いちゃうと、こすってスライスが出るんです。
山﨑: ってやっぱり難しいですよね。でもそれが面白い。今はめっちゃ下手くそですけど、逆に言うと、頑張ったらスコアを縮められる。それが嬉しい。数字って目に見えますから、ああもっと次はこうやろうという意欲が出てくる。
小祝: でもゴルフは運動神経はいらないと思ってるんです。私もないです。野球は関係ありますよね。
山﨑: 後輩に本田仁海っているんですけど、走るのも遅いし、バッティングも……僕も人のことを言えたものやないですけど(笑)。でも、投げることはすごいんです。意外とそういうことはあるのかな。
PHOTO/Satoru Abe
※週刊ゴルフダイジェスト3月18日号「同級生アスリート対談」より
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野球好きの小祝、そしてゴルフにハマる山崎の対談は全6ページに及び、それぞれの技術やスポーツへの向き合い方や休日の過ごし方など、ここでしか聞けない内容が盛りだくさん。続きは週刊ゴルフダイジェスト3月18日号、Myゴルフダイジェストにて掲載中!