地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「走るシャフトと、方向性をカバーしてくれるヘッド」

連載51回目は、本試打企画の14回目に掲載されている「Y’s factory」の山下博由さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はヨネックス『E-ZONE GT MAX』ヘッドと純正『KAIZA』がオススメとのこと。早速、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

山下さんがヨネックス「E-ZONE GT MAX」の特徴を語る

「今回おすすめした『E-ZONE GT MAX』は、大きい慣性モーメントを持ったヘッドが直進性を高め、40g弱のシャフトがヘッドスピードを上げてラクに飛ばせるクラブだと思います。ヘッドの性能が方向性をフォローしてくれるので、先走り系かつ軽量のシャフトを挿すことで、打ち出し角を確保しつつもヘッドスピードも上がり、自身にとって最大飛距離を更新する可能性を秘めたクラブです。スウィングタイプに寄りますが、飛距離を求めているのであればRフレックス、より方向性を重視したい方には少ししなりを抑えたSフレックスを勧めます。
 
『E-ZONE GT MAX』は直進性能が高いぶん、シャフトに多数の選択肢があることもメリットがあると思います。ヨネックスの自社シャフトはキックポイントがいろいろ選べ、どれを挿してもシャフトの性能通りに飛んでくれると思います。今回のような先走り系であれば球が浮いてくれますし、ハード系のシャフトを挿すとより低スピンとなり、さらに強い弾道で飛ばしていけます」と山下さん。

画像: ヨネックス「E-ZONE GT MAX(10.5度)」と純正シャフト「KAIZA-LIGHT(R)」

ヨネックス「E-ZONE GT MAX(10.5度)」と純正シャフト「KAIZA-LIGHT(R)」

クラブ作りの重要性について山下さんは、「例えば、『軽すぎて200g台のドライバーは振れないよ』という方に対して、その重量帯でシャフトを硬くし、バランスか取れたクラブを貸し出すと、意外にヘッドスピードが上がって方向性が安定する方もいます。人間は機械ではないので、風やライによってスウィングが変わる。それを助けるのがクラブだと思いますので、自身のクラブを信用できるように当店ではフィッティングをきちんと行ってクラブを作っていくというのが基本的な考えです」と語った。自分に合ったクラブを使うことで、より上達のスピードが早まるとも教えてくれた。

ヨネックス「E-ZONE GT MAX」の印象を堀越プロに聞いた

「今回試打するのはヨネックス『E-ZONE GT MAX』です。カスタムクラブだと被ってしまうため、前回同様ヨネックスで、今回は3月下旬に発売される新作ドライバー『E-ZONE GT MAX』という工房主さんの配慮のようです。ヨネックスはフェース面の縦溝が特徴的で、この縦溝によってサイドスピンが減るという構造とのことです。また今回のMAXは慣性モーメントが大きいモデルのため、寛容性が高いヘッドとなっています。ヘッドが安定するぶん、Rフレックスで40gほどのシャフトを挿すことでヘッドスピードを上げながらヘッドの直進性でフェアウェイに置いていける組み合わせに感じます。軟らかめのシャフトを挿すことで打ち出し角も確保できるのでしっかりとキャリーが出て、方向性だけではなく飛距離アップも期待できますね」

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: 弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

弾道計測器は「ラプソード MLM2 PRO」を使用

試打後の感想を聞くと、「やはり慣性モーメントの大きいヘッドなので打点ブレにも強く、実際のコースでは大きなミスになりにくい安心感がありますね。そして10.5度のロフトと低重心設計のおかげでしっかりと球が浮いてくれるので無理に球を上げようとするスウィングエラーが起こりにくい印象がありました。またシャフトは39gとやや軽めの印象ですが、実際に振ってみると頼りない印象は感じず、タイミングが取りやすくしなり戻りも相まって、飛距離に大切な打ち出し角をきちんと確保しています。ヨネックス社製ということですが、ヨネックス側で考え抜かれたヘッドとシャフトが相乗効果を生み出し、飛距離や方向性を高めてくれていると感じました。今回はRシャフトでしたので、ご自身のヘッドスピードによっては軟らかく感じてしまうかもしれません。Sフレックスなども選択肢に入れると良いと思います」と堀越プロ。

工房主推奨のHS40m/sで試打した5球の平均値

●キャリー/218.1Y
●総飛距離/237.1Y
●ボール初速/59.7m/s
●打ち出し角/15.1度
●スピン量/2809rpm

総評

画像: 「やや軽めのシャフトですが、先端が暴れる感触はなく、しっかりと飛距離を出すことが出来ました」(堀越)

「やや軽めのシャフトですが、先端が暴れる感触はなく、しっかりと飛距離を出すことが出来ました」(堀越)

「今回は慣性モーメントが大きいヘッドとやや軽量でしなりを最大限に使えるシャフトが、飛距離を伸ばしながら狙ったポジションに置けるコントロール性も併せ持っています。つかまりが良いモデルではありますが、左に巻くような球が出ることがなく、自信を持って振ることが出来るクラブだと思います」と堀越プロ。

続けて、「数あるクラブ試打で今回が初めての純正クラブでしたが、工房店主の山下さんが信頼し、おすすめする理由が少しわかったような気がします。カスタムシャフトが一般的になった昨今では、純正シャフトに注目することが少なくなりましたが、ヘッドを最大限活かす性能を考え抜いたヨネックスさんの企業努力が感じられます。先週優勝した岩井千怜も使用するヨネックスに興味がある人はぜひ試して頂きたいですね」と評価。

THANKS/クレアゴルフフィールド

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