こんなジープってアリ?
みなさん、「ジープ」という名前を聞くとどんなクルマを思い浮かべるでしょうか? タイヤがデカくて、背中にスペアタイヤ背負った四輪駆動車? 昔の戦争映画に出てくる軍用バギー風オープンSUV? どちらも正解ですが、元はアメリカ生まれの軍用車でその後民生ブランド化。欧米はもちろん、日本でもタフ&ワイルドなSUVの代名詞になったのです。

欧米はもちろん、日本でもタフ&ワイルドなSUVの代名詞
しかし今回ご紹介する新型アベンジャーはちと違います。車名こそ「復讐者」ですが、サイズからして超可愛い。全長ほぼ4.1mとトヨタのコンパクトSUV、ヤリスクロスよりも7cmも短い国内最適サイズを誇ります。それでいてジープの象徴たるフロントの7本スロットグリルや無塗装フェンダーモールを備え、かつてないワイルド&キュートっぷり。
それもそのはず今やジープブランドはフランスのPSAやイタリア米国系のFCAなどが集結した「ステランティス」の傘下。アベンジャーの骨格も現行プジョーe208やフィアッと600eと同じCMPプラットフォームで、生産も欧州というまさしく新世代のジープ。
しかも当初アベンジャーは日本ではFF版のバッテリ―EVのみの発売で、ジープっぽいのはカッコだけか? と思いきや予想外に本気でフロアはジープ専用に60%新規設計され、駆動制御まで専用。
最低地上高も200㎜と本格的でSUVらしい前後侵入アングルも確保済み。インテリアも質実剛健で合計26ℓのポケット収納があり便利。また10インチデジタルメーターも標準装備し、かつてないシティ派ジープEVなのです。
一方ゴルファー的に気になるラゲッジ容量は355ℓとそのままではバッグ1本も入りませんが、無論6:4分割の6側を倒せば3本は入りますので十分!
最後に気になる走りは、モータースペックが156ps&270Nmと控えめながら、54kWhの大きめバッテリーのおかげでモード航続距離は486㎞も走行可能。乗り味も同じグループEVのフィアットよりしっかりしており、まさにジープ初のバッテリーEVとして、チョイ悪な可愛さで迫ってきているのです。
最大のネックは600万円弱のスタート価格で、本当なら安いハイブリッドが欲しいところですが、まずはリッチな貴方に静かでパワフルでキュートな走りを味わっていただければと。
撮影車種/ジープ アベンジャー アルティテュード
全長×全幅×全高/4105×1775×1595mm
メーカー希望小売価格/580万円~
撮影/望月浩彦
撮影協力/都立潮風公園
※週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号「只今コージ中」より