
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●57.0度 体積●460cc 価格(税込)●10万7800円 ※メーカー公表値
基本設計は前作「Aiスモーク」を継承
GD 今回はキャロウェイ『エリートドライバー』(以下、エリート)を前モデルにあたる『パラダイム Aiスモーク MAXドライバー』(以下、Aiスモーク)と比較しながら分析してもらいます。キャロウェイというと2019年の『エピック フラッシュシリーズ』からAIを使って設計していますが、その『エピック フラッシュシリーズ』から『マーベリック』、『エピック スピード』、『ローグST』、『パラダイム』、『パラダイム Aiスモーク』と来て、今回の『エリート』は7代目のAI設計になります。
松尾 そうですね。「パラダイム」までは初速や反発性能を高めるために“ジェイルブレイク“と呼ばれる2本の柱がフェースの裏側に搭載されていました。しかし前モデルからは様々なミスヒットに対して強くするためにジェイルブレイクを無くし、Aiフェースのみでパフォーマンスアップさせてきました。

左から『パラダイム AiスモークMAX』、『エリート』。
GD 今モデルはどんなドライバーになっているのでしょうか?
松尾 前モデルのやさしさを引き継ぎつつ、さらに安定感が増したドライバーになっています。重心設計を見ていくと『Aiスモーク』の重心深度(基準値:39.0〜40.0ミリ)が42.0ミリ、重心距離(基準値:39.0〜40.0ミリ)が41.3ミリと深く長い重心設定になっています。『エリート』の重心深度は41.2ミリ、重心距離が41.9ミリとこちらも同様に深く長い重心設定です。
重心設計のコンセプトは前モデルから継続されていることが分かります。この設計とリンクするのがヘッドの慣性モーメント(基準値:4600〜4799g・㎠)になります。『Aiスモーク』が5181g・㎠、『エリート』が5216g・㎠と大きいままです。
GD ミスヒットへのやさしさを目指した設計意図はこれまで通りというわけですね。
松尾 低重心率(重心の高さ÷フェース高さで求められスピン性能の指標になる)を比較すると『Aiスモーク』が62.1%、それに対して『エリート』は63.1%と高くなっています。スピン性能が良くなり、さらに弾道の安定感を向上させる狙いがあるのだと思います。

左から『パラダイム AiスモークMAX』、『エリート』の重心。今モデルは重心位置が高くなりスピンが入りやすくなっている
GD キャロウェイ『エリートドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 他にもヘッドの後方に13グラムのウェイトが搭載されており、後方のウェイトポート3箇所に付けることができます。これらを踏まえると、クラブの力で安定感をサポートしながらフェアウェイに飛ばしたいゴルファーは試してみるといいでしょう。