ヘッドの横幅が広がり、投影面積が拡大した
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.5度、シャフトは「TENSEI GREEN 60 for Callaway」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
重心が深く、長いのは打点ブレに対してのやさしさを高めるための設計だ
クラブ長さは45.0インチと標準的ではあるものの最近ではやや短めに感じる設定で、クラブ重量が309グラムとやや重く、スウィングウェイトがD3.2と大きくなっています。クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが291万g・㎠と大きくなり、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは緑と白の色使いで4年前の『EPIC』の雰囲気が出ています。そして、前モデルの『パラダイム Aiスモーク MAX』よりも更に横幅が広くなり、かつ投影面積も大きくなって打ちやすそうなイメージが出ています。

左から『パラダイム Aiスモーク MAX』、『エリート』。顔が大きく見えるので構えた時の安心感が増した
実際に試打したところ、アドレスでは米国モデルらしくオープンフェース設定で、ヘッドのトウ側が低くなっており、実際のライ角よりもフラットに見えやすく、ボールをつかまえ過ぎないイメージが出ています。そして、ヘッドの後方が低いシャローバック形状で、インパクト付近をアッパーにスウィングしやすいイメージが出ています。
試打シャフトは重めでも軟らかめの設定なので、ヘッドスピードが42〜43m/sくらいのゴルファーでも十分扱えそうです。
前モデルと同様に、ヘッドの慣性モーメントは基本的に大きく、芯を外れたミスヒットに対するやさしさは維持されています。ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きく、ダウンスウィングでのヘッドの返りが緩やかな特徴も前モデルと似ています。このオートマチックなヘッドでボールがつかまり過ぎず、やや高めのストレート〜軽いフェード系弾道が打ちやすくなっています。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年3月25日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より