早速、『Qi35 MAX』の試打検証を動画で確認する
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youtu.beテーラーメイド『Qi35 MAX』のメーカーの訴求ポイントは、テーラーメイド史上最高の慣性モーメント10K(10,000g・cm2)を維持しながら、ミスヒットに強くまっすぐ飛ばせるドライバーというもの。テーラーメイドが新たに提案する飛びの4要素「ボール初速」×「打ち出し角」×「バックスピン量」×「より高い寛容性」があらゆるゴルファーのパフォーマンスを解放するとしている。今回の試打では、この『飛びの4要素』に関しても検証をしている。
試打クラブのスペックは、テーラーメイド『Qi35 MAX』。ロフト10.5度、ヘッド体積460cc、装着シャフトはメーカー純正「2025 Diamana BLUE TM50(S・45.25インチ)」。試打ボールはいつもどおりタイトリスト『プロV1』。

試打したのはテーラーメイド『Qi35 MAXドライバー(10.5度)』×メーカー純正シャフト『2025 Diamana BLUE TM50(S・45.25インチ)』
小島: メーカーのメッセージは『大型ヘッドながら引き締まった見た目で構えやすさが向上した』ということなんですけど、どうですか。
癸生川: フェースの長さは、引き締まってるよね。でも(クラウン部分の)幅は後ろに長いから、引き締まっているという言い方が合っているのかなぁ。
小島: 重心距離も深いんでしょうね。『34グラムの固定式タングスステンウェイトが後方に配置されている』ということなので。
癸生川: 34グラムも後ろにウェイトを配してあるんだ。球が上がりやすいんじゃないかな。
HS42m/s前後で試打を開始!
打球は中弾道のドローボール。
癸生川プロの試打後の感想は「やっぱり、しっかり球は上がる。反発も良い感じがするね。“球が曲がらない”感じはするけど、“曲げられない”と言う感じもする。それが『10K』だからということなんだろうけど」。
HS42m/sでセンターヒットした時のデータを小島プロが読み解くと「クラブスピードが41.9m/sに対して『ボール初速』は62.5m/sですから、割合は悪くないです。『打ち出し角』が13.6度で、『スピン量』が2871rpmですから数値的にはスタンダードで、薄い綺麗なドローボールです」と、まずは平均点をクリアというところ。
あとは、「オフセンターヒット時の寛容性」という4要素目の数値がどう出るか、特に『寛容性』がメーカーのメッセージの通りの高さを出せるのかを見ていきたい。
では、HS40m/s前後で打ってトウとヒールにズレた時に、センターヒットした時のパフォーマンスからどれくらい数値が落ちるかを検証していこう。
HS40m/s前後でトウヒット
癸生川プロの感想は、「さすがにこれだけ先っぽ(28ミリのずれ)に当たると、シャフトがたわむよね」というコメント。
このコメントに対して小島プロが、「アクシスは確かにかなり傾いているんですけど、でも、しっかり戻ってきているから、弾道は悪くはないんですよね。トウヒットには寛容性は高いと思います」
HS40m/s前後でヒールヒット
癸生川プロは「あそこまでヒールで当たる(20ミリのずれ)と、やっぱりシャフトはグニャっとなる。でも弾道はそんなに曲がっていないんだよね。それが凄いよね」とドローの時と同じで、かなり芯から外れても許容範囲内の曲がりでフェアウェイをとらえた弾道を見て驚いた。
その弾道を見た小島プロは「ここ最近のテーラーメイドのドライバーは、『ツイストフェース』の効果なのか、ミスヒットへの強さが本当にありますよね。ヒールでも球が滑ったりしていかないんですよね。ドローバイアスモデルならそういうのも可能だろうけど、MAXというモデルでそういうところが、本当に素晴らしいと思います」と『高い寛容性』に関しても好評価を出す。
センターヒット、トウヒット、ヒールヒットのデータを小島プロが比較・分析
■ヘッドスピード42m/s前後でセンターヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.9m/s
ボール初速●62.5m/s
打ち出し角●13.6度
スピン量●2871rpm
降下角●35.4度
キャリー●225.5Y
飛距離●251.8Y
打ち出し方向●2.9度右
スピンアクシス●4.7度左
SIDE●3.9Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●9ミリトウ
Vインパクト●1ミリ高

HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)
■ヘッドスピード42m/s前後でトウヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.3m/s
ボール初速●62.7m/s
打ち出し角●12.7度
スピン量●3224rpm
降下角●32.3度
キャリー●222.2Y
飛距離●252.1Y
打ち出し方向●6.1度右
スピンアクシス●21.0度左
SIDE●6.0Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●28ミリトウ
Vインパクト●2ミリ低

HS42m/s前後でトウヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)
■ヘッドスピード42m/s前後でヒールヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.2m/s
ボール初速●60.6m/s
打ち出し角●14.4度
スピン量●2983rpm
降下角●36.7度
キャリー●220.3Y
飛距離●244.1Y
打ち出し方向●4.0度左
スピンアクシス●2.6度右
SIDE●10.9Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●20ミリヒール
Vインパクト●6ミリ高

HS42m/s前後でヒールヒットしたときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)
「センターヒットした時との比較ですが、『ボールスピード』はトウに28ミリずれてもほぼ同じ数値です。さらに、ヒールに20ミリずれてもわずか2m/sしか落ちていないですから、ヒールヒットに強い、抜群の寛容性と言っていいと思います。10Kの効果が証明されたと言っていいと思います。『打ち出しの高さ』も1度くらいしか変わっていない。これはツイストフェースの恩恵だと思います。
『スピン量』に関してはトウヒットは増え、ヒールヒットが減りましたが、これは上下の打点のズレが原因で、それを加味するとスピン量もほぼ変わらないし、その結果、『落下の角度』もそんなに変わっていない。距離に関しては『キャリー』は20ミリもヒールにずれて当たっても5ヤードしか落ちていないし、『トータル』でも7ヤードしか落ちていない。曲がりに関しては、『サイド』はトウで6.0ヤード左、ヒールで10.9ヤード左です。ドライバーで目標から10ヤード左に着弾した球なんて、曲がっていないと言っていいようなものですから、寛容性の高さはしっかりあることが証明されたと思います」(小島)
オフセンターヒット時にも、「ボール初速」、「打ち出し角」、「バックスピン量」、「より高い寛容性」というメーカーが提唱する『飛びの4要素』のパフォーマンスの高さが実証され、『Qi35 MAX』のミスヒットに強くまっすぐ飛ばせるドライバーという謳い文句に偽りなしが証明された。
しかし、この分析に対し癸生川プロが「ということは、どこに当たっても良いクラブってこと? 」という疑問を呈したところ、小島プロは「ただ元々スピン量が多めのクラブなので、フェースの下のほうに当たるとやっぱりスピン量が増えてしまうので良くないでしょうね」という意見を返した。
結論
試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)と分析を担当した小島慶太プロ(右)
10Kドライバーのテーラーメイド『Qi35MAX』のオフセンターヒット時のパフォーマンスと寛容性の高さを検証した2人のプロが出した、こういうゴルファーにおススメしたいという結論は。
癸生川: ズバリ! 曲がらないクラブと言っていいかなと思います。ティーショットが曲がって困っていると言う人にはお勧めですね。
小島: 曲がらないと共にミスヒットに強いドライバーだなと思います。ただ、スピンが多い人や、フェースの下のほうで打つ傾向にある人は、さらにスピン量が増えて前に進む勢いが減衰して飛距離が落ちる可能性もあるので、そういう人はこのヘッドではなく、ノーマルの『Qi35』で良いと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、テーラーメイド『Qi35 MAX』のオフセンターヒット時の寛容性の高さなどの検証のほかに、最適スピード帯やクラブ特性のチェックを行っているので、より詳しい内容や解説を知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
『Qi35 MAX』の試打検証を動画で確認する
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youtu.beTHANKS/カメリアヒルズカントリークラブ