女子ゴルフの今季国内ツアー第2戦、Vポイント×SMBCレディスゴルフトーナメント最終日が23日、千葉県・紫カントリークラブすみれコースで行われ、2位に8打差単独トップから出た吉田優利が4バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの1アンダー71で回り、通算13アンダーで圧勝した。2023年ワールドレディスサロンパスカップ以来の日本ツアー4勝目。プロ2年目の19歳・菅楓華が通算4アンダーで2位に食い込んだ。
画像: 吉田優利が2年ぶりの優勝(撮影/姉崎正)

吉田優利が2年ぶりの優勝(撮影/姉崎正)

妹・鈴や渋野日向子らからフラワーシャワー

画像: 妹・鈴や渋野日向子らからフラワーシャワー(撮影/姉崎正)

妹・鈴や渋野日向子らからフラワーシャワー(撮影/姉崎正)

最終18番、10センチほどのウィニングパットをコツンと沈めると、吉田優利は左手でキャップのつばを押さえながら穏やかな笑みを浮かべた。同組の大里桃子、菅と歓喜のハグ。グリーンサイドで待ち受けた妹の鈴、桑木志帆、同世代の安田祐香とも笑顔で抱擁し喜びをかみしめた。

表彰式前には粋な計らいもあった。毎年最終戦JLPGA選手権リコーカップ優勝者に贈られるフラワーシャワー。今大会は鈴をはじめ菅、桑木、安田に渋野日向子、穴井詩も加わって行われた。主役は花びらの雨を浴びながら、もう一度幸せな時間を味わった。

優勝インタビューでは思いの丈を言葉にした。

「この大会は私にとって特別な大会でした。地元千葉県で開催されますし、ホステスプロとしてどういうふうにプレーできるか少し不安な部分はありましたが、最高な形で結果として恩返しができたと思います。来週アメリカで試合があり、この後すぐにアメリカに向かいますが、またJLPGAツアーで優勝した姿を届けられるように、これからも努力し続けていきます」

2位に9打差の圧勝

画像: 2位の菅楓華とハグする吉田(撮影/姉崎正)

2位の菅楓華とハグする吉田(撮影/姉崎正)

前日の2日目に自己最少タイの64をマーク。この日は2位に8打の大差をつけてのスタートだった。勝って当たり前の状況だったが、攻めの気持ちを忘れずにスコアをしっかりとまとめて独走のまま逃げ切った。

1番で第2打を手前1メートルに乗せてバーディ先行。いきなりいい流れを呼び込むと2番は左1メートルを沈めて連続バーディ。この時点では2位に10打差をつけた。3番で3パットをして初日の14番以来3つめのボギーをたたいたが、13番で第2打を手前2メートルに乗せてこの日3つ目のバーディ。続く14番も5メートルを沈めてスコアを通算15アンダーまで伸ばした。

今大会難易度2位の16番で第2打をグリーン左へ外し、アプローチを寄せ切れずダブルボギーとしたが、大勢に影響はなく、18番も第3打をピン奥4メートルに乗せて2パットでしっかりとフィニッシュした。

「今日はちょっと緊張していた。いつもの緊張とは違って気持ち悪い感じだった。昨日SNSを開いたら『吉田優利が勝つ!』『これは負けない』(というコメント)を見てしまって。自分としては最終ラウンドにフォーカスしたかったですが、SNSが雑念になると思って開けなかったです。でも、朝バーディ、バーディでスタートした時点で、自分のゴルフをしてもいい日だなと思いました」

米ツアーで「シードを獲りたい」

画像: 「今回は自分のイメージ通りのゴルフができての優勝でした」という吉田(撮影/姉崎正)

「今回は自分のイメージ通りのゴルフができての優勝でした」という吉田(撮影/姉崎正)

昨季は主戦場の米ツアーで16試合に出場して予選落ちが9回。シードを獲れず、最終予選会で9位に入って今季の出場権を確保した。今週は決して順風満帆ではないゴルフ人生の中でつかんだ2年ぶりの国内優勝だけに喜びはひとしおだった。

「今までの3勝は勢いとか、怖いもの知らずとかで優勝できた部分もあったと思うので、今回は自分のイメージ通りのゴルフができての優勝でした」

一時帰国した日本ツアー、それも地元千葉県開催の試合で優勝を果たし、今季は上々の滑り出しとなった。この優勝で今後の目標となる主戦場の米ツアー初優勝へも大きな弾みがついた。

「日本にいるときはある程度これくらいの順位、いくら稼げてとイメージできていたけど、アメリカは自分に合う、合わないがあると最近気づいた。どんなに自分が調子よくプレーしていても上位にいけないこともある。意外に上にいるなと思うこともある。そこが一番日本と違うところだと思います。今年の目標は? と聞かれたら、シードを獲りたいし、1試合、1試合こなしていくうえで、戦い続けていきたいと思います」

“吉田優利が米ツアー初V”。海の向こうからの朗報が待ち遠しい。

【大会練習日に撮影】吉田優利のドライバー正面連続写真(撮影/岡沢裕行)

2日目に2位と10打差をつけた吉田

初日は2位スタート

2年前のツアー初優勝

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