プライベートジェット・トレーサーと呼ばれる人々(マニア?)がいる。有名人の居場所をジェット機の位置で追跡するのだ。マキロイがフロリダの自宅からヒューストンの試合会場に向かう途中プライベートジェットがオーガスタに寄り道したのを最初に確認したのもトレーサーだった。
ヒューストン・オープンの会場に到着したマキロイはオーガスタで練習ラウンドをしたことを認め「このトリップ(オーガスタへの旅)はその場所に改めて馴染むためのもの。ティーショットで打つべくクラブを確認したり、グリーンに変化はないかをチェックしたり」。

今週開催のPGAツアー「テキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープン」に参戦中のローリー・マキロイ。試合会場に向かう途中でオーガスタに寄り道し、練習ラウンドも行った(写真/Getty Images)
「今年は4つのグリーンが新しく改修されていました。カップがどこに切られるかを考えてプレーをしました」
昨秋ハリケーンで甚大な被害を受けたオーガスタがいくつかの改修を行なっているが、それらをチェックすること以外にもマキロイには大きな目的があった。
「誰もいないコースでプレーすることで本番でのプレッシャーを少しでも軽減できるような気がするのです」
21歳の若者がメジャー初戴冠を狙ってトップで迎えた最終日のサンデーバック9。10番でトリプルボギーを叩き坂を転がり落ちるように自滅し優勝を逃した悪夢の11年から今年で14年。最後のメジャー制覇(4勝目)から11年の歳月が流れ、その間メジャーの呪いに苦しんだマキロイにとって、いかにプレッシャーを克服するかがもっとも重要な課題なのだ。
「大会前には練習ラウンドだけじゃなくメディア対応やパー3コンテストなどやるべきことがたくさんあります。それを余裕を持ってこなしてすんなんり本番に挑みたい」
最終日に8アンダー64の猛追を見せスコッティ・シェフラーに3打差の2位に入った22年がマキロイのマスターズでのキャリアベスト。
今年こそそれを更新しグランドスラム達成なるか? デビュー以来15年以上第一線を走り続けてきたトップランカーにこそ史上6人目のグランドスラマーの称号は相応しい。