ラウンドレッスンを得意とする北野正之プロはコースマネジメントについて「アマチュアは苦しいこと、難しいことばかりしようとしている」と語る。マネジメントの本質は「自分を楽にさせること」。どうすればそんなプレーができるのか? 週刊ゴルフダイジェスト4月8日号では、80台を目指すアマチュア向けのマネジメントを教えてもらっている。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】
画像: 【90切りのマネジメント①】「大切なのは自分に合ったマネジメント!  実力を知る4つのステップとは?

解説/北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う。

マネジメントは自分を中心に考える

「マネジメントでスコアは5~10打は確実に縮まります」と断言する北野正之プロ。だが、多くのアマチュアは、マネジメントを誤解しているという。

画像: 球筋の傾向や球の高さも確認

球筋の傾向や球の高さも確認

「アマチュアは、ティーショットは左を狙い、2打目はUTで花道方向など、ホールによってマネジメントが変わると思っていますよね。そうではなく、マネジメントはプレーヤーによって変わるんです。つまり人それぞれ攻略ルートは違うということです。
 
そう考えるとマネジメントのセオリーなんてないんです。OBを打たない、バンカーは避けるなど、大まかな基本はありますが、マネジメントに正解はありません。グリーンの奥は難しいというセオリーも、そのセオリーに従おうとするから苦しくなるのです。大切なのはコースではなく、自分に合わせることです。そうすれば、もっとプレーは楽になります。そして、マネジメントをするうえで必要なのが、自分の実力を知ることです。
 
10球打って何球、成功するか? まずはその確率を把握しましょう。アマチュアの実力は、ベストスコアよりも上です。ゴルフはミスのスポーツですから、ベストが出たときだってミスはしているはずです。であれば、本当の実力はもっと上にありますし、80台、70台が出せる可能性があるんです。アマチュアだって72を目指していいんですよ」

自分の実力を知る4ステップ

ステップ①自分の飛距離

各番手で10球打ちその確率を調べよう
「プロは成功率8割以上のショットを打ちますが、8割以下でも選択は可能です。たとえばパー5の2打目みたいに。マネジメントは自分を客観視できるかが重要」(北野プロ・以下同)

●6~8割の成功率→ターゲットが狙える

●3~5割の成功率→状況によって選択可能

ステップ②ショットの成功率

各番手の最高と最低を知っておこう
「各番手の成功率を調べるのと同時に飛距離も確認します。ナイスショットとミスでどのくらい飛距離差があるのか? アマチュアの場合、ミスしたときの飛距離低下が大きいはずです」

●ナイスショットで”〇〇ヤード”飛ぶ
●ミスすると〇〇ヤードくらい

ナイスとミスの差が小さいのがプロ、大きいのがアマチュア

ステップ③マネジメントにセオリーはない

攻略ルートは人によって変わる
「マネジメントにおける攻略ルートは人それぞれです。人によって飛距離や球筋、ショットのクセなどが違うからです。マネジメントでは必ず『マイルート』を意識しましょう」

画像: 自分の攻略ルートを探す

自分の攻略ルートを探す

ステップ④ロングゲームは考えないの?

ティーショットは飛ばす必要ナシ
「ロングゲームはそれほど重要ではありませんが、アマチュアの場合、OBや林の中に入る可能性も。ティーショットは次打が打てればOKで、飛ばす必要はありません」

画像: ティショットは飛ばす必要なし

ティショットは飛ばす必要なし

90切りに必要な2つのキーワード
①ボギーオンを目指す
②パーパットを打つ

「この意識なら自分が楽にプレーできます」
「すべてボギーで90。まずはボギーオンを目指し、パーパットを打つ機会を増やします。一打一打でボギーオンできるか、パーパットが打てるかを意識します」

「大きめ番手で奥を狙う」最大のコツ⁉︎

ここからはショートゲームにおける具体的なノウハウを教えてもらおう。まずはグリーンを狙うアイアン、ピンに寄せるアプローチからだ。

北野プロは、「グリーンを狙うアイアンショットでは、グリーンの奥の距離に合わせて番手を選びます。つまり大きめ番手です。こうアドバイスするとアマチュアの多くは、グリーンの奥にこぼれるもと不安に思うでしょう。ただその心配は無用です。その番手におけるナイスショットの距離ですから、それ以上飛ぶことはないですし、ミスヒットしてもグリーンセンターに乗るかもしれません。グリーンの奥を狙うメリットは、グリーン全面が使えることです。最大飛距離よりも下に平均飛距離があるわけですから、グリーンセンターを狙うとグリーンの下半分しか使えません。ですので、グリーンの奥を狙うのが、グリーンに乗せるベストな選択なんです」

奥は難しいというセオリーに縛られる必要はないわけだ。では、アプローチはどうか?

「アプローチも考え方は同じです。必ずピンの奥を狙います。その結果、カップに寄る確率が高められます。アプローチで大きくショートしてしまうアマチュアは多いですが、その原因はピンを狙うからです。アイアンと同じで、最大飛距離よりも手前に平均値は集まりますから、ショートするのは当たり前です。パーチャンスを増やすためにも、アプローチは常にピンの奥を意識しましょう」

グリーンやピンをとらえるアイアン&アプローチ

グリーンを狙うアイアン

大きめ番手でグリーン奥を狙う
「左図のグリーンで考えると奥の150Yを打つ7番を使えば、高い確率でグリーンオンできます。140Yのピンを狙う8番だとグリーンの手前か、外す可能性も。大きめ番手が正解です」

画像: 「左図のグリーンで考えると奥の150Yを打つ7番を使えば、高い確率でグリーンオンできます。140Yのピを狙う8番だとグリーンの手前か、外す可能性も。大きめ番手が正解です」

「左図のグリーンで考えると奥の150Yを打つ7番を使えば、高い確率でグリーンオンできます。140Yのピを狙う8番だとグリーンの手前か、外す可能性も。大きめ番手が正解です」

●実はかなり大きい

グリーンの幅は30~40Yはある
「昔の2グリーンは面積が小さかったですが、今の1グリーンはかなり大きいです。グリーン奥を狙ったほうが乗る可能性が高いんです」

画像: グリーンは大きい

グリーンは大きい

●こんなメリットも

大きめ番手なら力みが抑えられる
「大きめ番手を持つと飛ばそうという意識がなくなり、余計な力みが抑えられます。逆に小さめ番手だと、力んで引っかけるミスが出やすいです」

画像: 力みを抑える

力みを抑える

ピンに寄せるアプローチ
ウェッジよりPWでピン奥を狙う

メリット①ピンを狙うとショートの確率が増す
「ピンを狙うということは、そこが最大飛距離ですから平均飛距離は手前に来ます。上りを残したいなどもありますが、寄せることのほうが大事です」

画像: グリーンやピンをとらえるアイアン&アプローチ

メリット②ピンの奥を狙えば寄る確率が上がる
「ターゲットはピンの奥です。そうすれば寄る可能性が高くなります。ウェッジではなく、PWや9Iなど、転がしやすい番手を選ぶのがおすすめ」

画像: 転がしやすい番手を選ぶ

転がしやすい番手を選ぶ

こんなメリットも!

PWなら振り幅も小さくミート率が上がる
「ピン位置が近い、バンカー越えなどの状況以外なら、ウェッジよりロフトが立ったPWや9Iが最適です。ボールを転がしやすく、振り幅も小さくて済むのでミスヒットの心配がなくなります」

画像: ウェッジはミスの可能性大、PWならミスしにくい

ウェッジはミスの可能性大、PWならミスしにくい

つづきはこちらから

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/サザンヤードCC

※週刊ゴルフダイジェスト4月8日号「ショートゲームは奥を狙え!」より一部抜粋

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