2025年シーズンのステップ・アップ・ツアーは、3月20~22日に中国で開催された特別競技「Mitsubishi Electric Automation Women's Open」から開幕。国内では4月3~5日の日程で滋賀県にある琵琶湖カントリー倶楽部 琵琶湖・三上コース(18H・6395Y・P72)で開催の「YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament」が初戦になる。ステップ・アップ・ツアーが主戦場とはいえ、すでにレギュラーツアーに参戦したルーキーやもちろん、中国で開催された特別競技に参戦したルーキーもいる。その8人に意気込みを聞いた!

レギュラーツアーのQTリランキングでは暫定15位に位置する
青木香奈子

今年のレギュラーツアー出場をかけたクオリファイトーナメント、通称QT。福島県の五浦庭園CCで実施したファーストQTに出場したが2打足りず、敗退。割り振られたQTランキング134位だったが、ルーキーとしては異例のスポンサー9社という人気からレギュラーツアーへの推薦出場が続々と決定。4月3日現在では2試合に出場し、リランキングで暫定15位につける。

「今シーズンはステップ・アップ・ツアーが主戦場だと考えていて、目標を『ステップ・アップ・ツアーの優勝』と散々公言してきたので、この試合でも優勝を目指して頑張りたいです。先週のアクサレディスでは、パッティングがイマイチでピンとこなかったんですが、コーチに相談して、修正できてきたので、上り調子。アイアンが得意なので、フェードでピンを狙うセカンドショットに注目していただきたいです」

現在、推薦出場した2試合はともに予選通過でメルセデス・ランキングポイントを獲得し、暫定リランキングは15位。このままの流れでリランキングまでに推薦出場を続けて予選通過していけば、後半戦はレギュラーツアーで青木が見れそうだ。とはいえ、レギュラーツアーよりもステップ・アップ・ツアーのほうが選手とギャラリーの距離は近い。ステップ・アップ・ツアーのほうが青木を見やすいだろう。飛球線後方に位置取り、ピンを狙うフェードボールに注目してほしい。

画像: 家で飼っているミニチュア・シュナウザーと同じぬいぐるみをいつも持ち歩いているという

家で飼っているミニチュア・シュナウザーと同じぬいぐるみをいつも持ち歩いているという

オフのトレーニングに成功! 飛距離アップした新星
中村心

2022年、高校2年生の中村は、本大会に出場。その際は「決勝ラウンドに進んで3日間戦えたんですが、グリーンがすごく速くて、止まらなかった。自分の中では難しいコースだなと感じました」と話し、「プロになってこの試合に戻ってこられたので、成長した姿っていうのを、この開幕戦で出せたらいいなと思います。先週までにレギュラーツアーを2試合、出場させていただいて、自分の課題がわかってきたので、その課題を克服してプロで初優勝したいです」。

その課題というのが、ずばり「コースマネジメント」。「プロの試合はピンが左右に振られたり、ギリギリのところに切られたりするなかで、無理に狙って外してはいけないほうに外したりして寄せきれずにボギーというのが多くて」。自身でも難しいという琵琶湖CCはまさに課題とする「マネジメント」が活きてくるコースだろう。最後に自身の観てもらいたいプレーを聞くと「オフにプロ野球選手と一緒にトレーニングをさせていただいて、筋トレもほぼ毎日頑張って食トレもしたので、ドライバーの飛距離が伸びました! そのドライバーショットを観てほしいですね」。

新人戦で話を聞いたときに自身の課題として挙げていた「トレーニング不足」は克服している模様。23年には日本ジュニアを制し、日本女子オープンのローアマにも輝いた中村心が今シーズンのステップ・アップ・ツアーを席巻する可能性は大いにあるだろう。

画像: 自身が3歳のときから一緒にいた愛犬のフランの写真をバッグに偲ばせる。「実は昨年のクリスマスイブに亡くなってしまって。それ以来お守り代わりにしています」

自身が3歳のときから一緒にいた愛犬のフランの写真をバッグに偲ばせる。「実は昨年のクリスマスイブに亡くなってしまって。それ以来お守り代わりにしています」

ラウンドにはお母さんのおにぎりが必須アイテム!
福田萌維

先週、高校生活で慣れ親しんだ宮崎で開催された「アクサレディス」に出場しているものの、今年の主戦場はステップ・アップ・ツアー。その初戦をどういう意気込みで挑むかを聞くと「今年1年、いい流れに乗りたいので、初戦はその流れに持っていける大会にしたいと思っています。また、結果はもちろん大事なんですけど、今はまだちょっと結果というよりは、何かつかめればいいとも思っています。そのうえで、結果もよければなおいいですし、何か今後につながるようないいゴルフができれば」と話す。

「私はショットメーカーなので、アイアンショットを見てもらって、たくさんバーディを取る姿を見てほしい」と話し、今年の目標を「ルーキーイヤーは一生に一度だけ。今年しか獲れないのは“新人賞”なので、それを目指したいです」という。過去の受賞者を見ると、畑岡奈紗、古江彩佳、稲見萌寧などそうそうたるメンバーが名を連ねる。

憧れている、高校の一学年上の先輩でいまのJLPGAでもっとも初優勝に近いプロといっても過言ではない菅楓華でも受賞できなかった“新人賞”。先輩に追いつけ追い越せで高みを目指す。

画像: 宿泊先がホテルでもラウンド中の補食用おにぎりはいつも母のおにぎり! 家族に支えられ一生に一度しかない新人賞を目指す

宿泊先がホテルでもラウンド中の補食用おにぎりはいつも母のおにぎり! 家族に支えられ一生に一度しかない新人賞を目指す

ゴルフのプレーだけでなく、将来を見据えたプランも堅実に考える
神谷奈恵

今大会の目標を聞くと「ステップ・アップ・ツアー初戦だった中国では予選落ちだったので、予選通過が目標です」と答えた神谷。プロテスト合格時に記入した自己PR欄に「堅実なゴルフスタイル」と書いてあったことを思い出した。たしかに受け答えを聞いていると“真面目”や“堅実”といった言葉が合う。そうなると、素朴な疑問で初戦の会場は中国、フィールドは総勢57名中日本人は16人とある意味、アウェイ。勝手なイメージだが、“堅実”であれば、初戦はスキップして、この試合に標準を持ってきてもよさそうだが。

「海外が好きで、いま海外に行ける機会があまりないじゃないですか。それに中国ってなるとよけいない。だからいい経験になるなと思って挑戦してみました。行ってみて、中国のコースは日本とぜんぜん違って、グリーンは速くて硬くて、芝質も違って、難しかったけど、いろいろな経験ができてよかったです」

今年の目標を「ステップ・アップ・ツアーで優勝することですが、来年レギュラーツアーで戦うための経験をいろいろしたい」と堅実なプレイスタイル同様に、堅実な目標設定で、しっかり先を見据えている神谷。曲がらないドライバーを武器に、着実にプロとしての実力を付けていくことだろう。

画像: 大学時代の同期が北海道のお土産で買ってきてくれたシマエナガのぬいぐるみを距離計測器に付けている

大学時代の同期が北海道のお土産で買ってきてくれたシマエナガのぬいぐるみを距離計測器に付けている

オフのタイ合宿で力をつけ、目指すは長く活躍できるプレーヤー
西澤歩未

昨年5度目のプロテストでツアープレーヤーになった西澤。高校を卒業してからのアマチュア時代は試合があまりなかったといい、「ステップ・アップ・ツアーの初戦が中国と聞いて、驚きはありました。でも、いままで試合数が本当に少なかったですし、今年はやっぱりルーキーの資格でステップ・アップ・ツアーの全試合に出させていただけるということで、『何でも経験』と思って、中国の初戦を決めました」

「昨年、この大会に勝った永嶋花音さんにオフの期間に、タイ合宿に誘ってもらって、その合宿がすごく充実していて。1カ月間、ゴルフに集中できたので、その成果を試す場として考えています」と充実したオフで自身のレベルアップを感じているようだ。なかでも重点的に実施したというのが、トレーニングで、「1日4時間くらいトレーニングをして、まだまだだと思いますけど、プロの世界で通用するための体づくりの基礎はできたかなと思います」

ギャラリーに見てほしいところは、「このコースはピンを攻めすぎると結構難しいんです。グリーン周りが特に難しく、安全に行くところは安全に、攻めるところは攻めて、とメリハリをつけたプレーをお見せできたらなと思います」。

「1年間を戦える体力をしっかりつけたいですし、ツアーで長く活躍したい」と話す西澤は、現在、茨城と神奈川の2拠点生活で、どちらにも信頼できるトレーナーがいるという。

画像: 実家にほど近い、溝の口にある「溝口神社」の勝ち守りがお気に入り。もう10年以上年始にお参りして、持ち歩いているという。「本革で作られていて『破れない』から『敗れない』で勝ち守りなんです」

実家にほど近い、溝の口にある「溝口神社」の勝ち守りがお気に入り。もう10年以上年始にお参りして、持ち歩いているという。「本革で作られていて『破れない』から『敗れない』で勝ち守りなんです」

(後編につづく)

▶▶▶後編(神谷桃歌、小俣柚葉、古家翔香、そして番外編で鬼塚貴理)はこちらから

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