
最近釣りを始めた。「コーチの奥さんが連れていってくれて。最初に30~40cmくらいのタイが3、4匹連れて。でも2回目はまったく釣れなかったです(笑)」
今までで一番緊張した試合は23年のダンロップフェニックスのときだという杉浦悠太。
「緊張している感じはないんですけど、3日目も最終日も朝ごはんが食べられなくて、いつもの倍くらい時間がかかりました」
そう、あの大舞台で鮮烈なアマチュア優勝を果たし、杉浦がプロ入りを決意した日のことだ。しかし杉浦は、いつも冷静に見える。
昨年のルーキーイヤー。初賞金で買ったものは野球のグローブだという。
「小学校6年間、野球をしていました。ポジションはセンター。足が速かったんです。打順は1~4番です。その時代の友だちとキャッチボールやろうと思って買いました。一生使えますしね。そういえば、ツアー用に車のアルファードを買いました。親にお金を借りて買う予定でしたけど、昨年の最初の試合で上手くいった。これが初めての賞金で買ったことになるのかもしれません」

日大ゴルフ部時代はキャプテン。「僕には向いていない。でも人前で話すことに慣れました。一番緊張したのは日本武道館での大学全体での祝賀会で、偉い方々が何百人といる前で話をしたときですね」
大学生だった頃からゴルフに対する気持ちは変わらない。自分の性格を「おとなしい」と解説する杉浦。ツアー中も一人でご飯を食べ、ホテルでは「ゴロゴロしています。お笑いのYouTubeやインスタを見て1人で笑ったりもしているんです」。
ずっとルーク・ドナルドが好きで参考にもしてきた。何だか雰囲気もプレースタイルも似ている。
「もう全部カッコイイ。僕もずっとお世話になっているミズノさんの契約プロだし。でもPGAツアーの上位にいる選手、松山(英樹)さんも含め、マネしまくっていました。皆カッコいいじゃないですか。でも、自分のスウィングはできていると勝手に思っているんです」

一番上手くなった練習方法は「わきにタオルなど何かを挟んで振る」。今も行う。「昔は何となくやって何となくいいと思っていましたけど、仕組みがわかった最近は、よりよさがわかるように。ポスチャーの確認と、体と手が離れないから体が回せる、つながる感じがわかるんです」
好きな食べ物はハンバーグ。実家で母が作るハンバーグはチーズが乗って美味しいらしい。
「フェニックスの副賞、宮崎牛は知り合いの焼肉屋さんで保管してもらい皆で食べました。美味しかった。最近ちょうど食べ終わりました」
嫌いな食べ物はチョコレート。
「バレンタインは厳しい。でも、もらえることが先ですね」
好きな音楽はVaundy。しかし練習中も運転中も無音。
「運転中は何も考えていないから、ナビをつけていても(目的地を)行き過ぎがちです」
好きなタイプは「よくしゃべる人。無口な自分が気を使わなくてもいいからです」と真面目に答えてくれるあたりに“らしさ”が出る。
座右の銘は「自分ならできる」。
「大学の試合などで緊張しているときに、『自分ならできる』と考えて打つといいと誰かに聞いて、何となくやってみることがありました。確かに結果が出ることが多いんです」

本人も「苦手なものがない」と言うオールラウンダーだが、今オフは特にアイアンショットの精度を磨いてきたという。今年の目標は、もちろん賞金王!
昨年、国内メジャーの日本プロゴルフ選手権で初優勝した杉浦は常に冷静に自分と向き合う男。25年シーズンの目標は「賞金王」という彼に注目だ!