
解説/中山絹也プロ
なかやま・けんや。1997年生まれ。三重県出身。昨年は「ツアー選手権」と「フジサンケイクラシック」の2度ホールインワンを達成したアイアンの名手
まずはフェース面にボールを当てる意識を持つ!
GD 長いアイアンを打つときの注意点を教えてください。
中山 長いアイアンを打ちこなすには、球を上げたくなる動きが入りやすいので、まずは体の正面でボールにコンタクトすることを意識してください。要は当てることを重視します。
GD ボールに当てようとすると手打ちになりそうですが。
中山 実は逆です。球を上げようとすると、体が伸び上がり振り遅れてフェースが開くため、小手先でコネる動きになるからミスします。要は、上げようとするから手打ちになるだけです。まずはフェース面をボールに当てることを重視すれば、振り遅れが矯正できます。

ヘッドがどう動くか想像しよう!
GD なるほど! でも、ある程度はヘッドスピードを出さないと球が上がりませんよね?
中山 そこも勘違いしやすいところで、加速させる場所がポイントになるんです。次ページでそこを説明しますね。
飛ばそうと思う気持ちを捨て振り切ることだけ考えよう
上手く打てない原因を知ることで改善策が見えてくる!
①球を上げようとする
②振り遅れる
③フェースが開く
④小手先でコネて打つ
↓
当たらない
すべてでこの逆をすることでナイスショットが生まれる!

しっかり振り切る
飛ばそうとするから手と体がバラバラに動く
飛ばそうとすると必ず力む。力む場所は腕で、そうなると体の回転とヘッドがバラバラな動きになり、クラブのヘッドが体の正面から外れやすくなるため、ミスヒットにつながる。

手と体がバラバラに動く
上げようとするからヘッドが遅れ開いて当たる
心理的にボールを上げようとすると起きる動作はヘッドアップ。顔が上がり、結果的に上体が浮いてヘッドが下から入る。振り遅れにより、インパクトを手先で合わせなければならない。

上体が浮く
インパクト以降ヘッドを加速させる
GD 6番アイアンのような長いアイアンでのショットは、ヘッドを加速させる位置が重要ということですが、具体的にどういうことでしょうか。
中山 ほとんどの人がインパクトでヘッドを速く動かそうとしますが、そうするとダウンスウィングで腕に力が入って振り遅れの原因になるんです。イメージ的にはヘッドがインパクトまで下りてくるのを待つ感じです。一番大事なことは、ボールに確実に当てること。なので、力みによってダウンスウィングで振り遅れて正確にインパクトできないことを避けたいんです。
GD どの辺りでヘッドを加速させるのですか。
中山 インパクト後のフォローです。イメージは、左腰の高さで最速になる感じです。
GD フォローなんですね。
中山 インパクトで球に当てることが重要だと言いましたが、あくまでもインパクトは通過点です。当てるだけの動きになるとインパクトでヘッドは減速してしまいます。加速しながら当たることで、しっかり飛距離を出せるしボールがフェースに乗るので高さも出せます。だからフォローサイドで加速させることが必要です。

フォローサイドでヘッドを加速させるイメージを持っておくと、ダウンスウィングからインパクトにかけて慌てずにヘッドを下ろすことができるため正確にボールに当たる
GD フォローで加速させる意識を持つとダウンスウィングも慌てずに振れそうですね。
中山 その通りです。ダウンスウィングは右腰の高さを過ぎた辺りからゆっくりインパクトに向かうのが理想。コマ送りのようなスローモーションインパクトを目指します。結果、加速しながらボールに当てることができるわけです。
手打ちを防ぐゆっくりインパクトのコツ
体の回転スピードとヘッドを同調させる
始動で急いでしまうとダウンスウィングも速くなってしまうのでゆっくりテークバックすること。みぞおちを右へ回すスピードと同調させるようにヘッドを動かそう。

同調が大事
ダウンスウィングで慌てない!
ダウンスウィングでヘッドを速く動かそうとすると体が開きやすく、インパクトでフェースが開きミスヒットの原因になる。飛ばしたい気持ちを抑えて、まずは当てること。当たった後にヘッドが加速できれば、6番アイアンの適正な距離と高さが出せる。

速く振ろうとすると体が開きやすい
THANKS/かねひで喜瀬カントリークラブ
PHOTO/ARAKISHIN
週刊ゴルフダイジェスト4月15日号「6番アイアンを打ちこなそう」より一部抜粋