
目標は優勝。アメリカツアーへの挑戦も視野に入れ、賞金ランクベスト5に入ることも目標。「日本のコースは、太平洋御殿場と富士桜、宍戸ヒルズ以外は知らないんですけど、とても楽しみです!」
神奈川県出身の森山友貴は、ジュニア時代からアメリカの試合に出場していたが、高校入学時にラスベガスのヘリテージに留学。オレゴン大に進み、その後アダム・スコットなど多くのプロを輩出しているネバダ大学ラスベガス校(UNLV)で活躍、昨年5月に同校を卒業し、その後PGAツアーアメリカズ(3部ツアー)のQTを通過し、プロ転向した。昨年、日本ツアーのQTを1次から受験し、ファイナルQTで2位となり、今シーズン日本に参戦する。
この春、一緒に来日したのは“親友”のタイラー・リプスコンブ氏。2人の最初の出会いは世界ジュニア。
「同組だったんです。アジア人だからと差別もしないし、その日がちょうど僕の誕生日でケーキを用意してくれて。そこから家族ぐるみの付き合いです」
森山が日本のQTに通過したとき、半分冗談で「キャディやる?」と言ったら、即答で「ユウキなら、日本に行く」と返ってきた。
「彼は、アラバマ大ゴルフ部出身。いったんプロの夢を諦めてセールスマンをしていたけど、もう一度ゴルフに挑戦したいとアメリカでQTも受験したんです。でも上手くいかなくて……今はここにいます!」

このオフは、アメリカでミニツアーにも出場し、試合勘を保ってきた。文武両道、トライアスロンも好きだという森山。「最近は忙しくてできていないんですけど、体力には自信があるかな」
タイラー氏は人生で初めての日本。第一印象は?
「日本の街は、すべてとても綺麗です。僕は常に整理整頓しないと嫌なタイプ。僕の家はスーパークリーンなんです」(タイラー)
キャディ向きの性格だ。実際、クラブなども丁寧に整理するとのこと。地下鉄もすでに乗りこなしているという。
「英語で表示もありますし。一番大変なのは、日本語しか書いていないとき。でも、アプリがあるから……」と携帯電話で日本の調味料の写真をパチリ。翻訳された英語が載っている画面を見せてニヤリ。
「確かに、地下鉄もめっちゃ綺麗だし、日本では自転車に鍵をかけてないのに盗まれないことに驚きます。何よりご飯もとても美味しい」と森山。
「あと、日本の方はすごく紳士的で丁寧です。そこも気に入っています」(タイラー)
では、キャディの仕事に関して、何を大事にしたいかと聞くと、「ゴルフ以外はリラックスする空気にしたい。PGAツアーのキャディも知っているから参考にしていますけれど、何より選手のショットのあとのメンタル面のサポートが大事。それがいいショットでも悪いショットでも、次につながるから。そして、コースの状況などを見極めることも大事です」と真剣な答え。
「パターが上手い選手なので、ライン読みがいいですし、タッチも同じだからいいんです。いいコンビになると思います。僕らはたぶん、ジョークを言いながら明るくラウンドするとも思いますし、今までの日本のスタイルとちょっと違うかもしれませんけど、そこをぜひ楽しんでほしいですね」

167cmと小柄な森山だが、躍動感のあるスウィングで310Y飛ばす。「タイラーばかりではなく、僕にも応援、よろしくお願いします(笑)」
ただひとつ、森山の心配は、タイラーがイケメンなこと。
「彼女募集中って、この場で伝えてもらう?(笑)。でも、皆さん、タイラーのサインがほしかったら僕に言ってくださいね」
いつも明るくフレンドリーな森山友貴。初日は11時35分にINコース(10番)から、竹山昴成、植木祥多との組み合わせ。身長差25センチの相棒との楽しいラウンドに注目したい。