レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「簡単アプローチ」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㊿】
画像: 腕を伸ばしたままストロークするアプローチを解説

腕を伸ばしたままストロークするアプローチを解説

腕を伸ばしたままストロークするアプローチを解説

画像: 写真の両手の幅、8時~4時の間は腕を伸ばしたまま打つ

写真の両手の幅、8時~4時の間は腕を伸ばしたまま打つ

原田 イメージクロックの説明のなかで、「今度アプローチを説明します、開眼しますよ」と前に話しましたよね。ではお話しましょう。アプローチは2種類、覚えるだけでいいんですよ。

GD 2種類かあ。2つも覚えられるでしょうか。

原田 2つのうちひとつでも覚えてもらえれば、アプローチは相当簡単になります。2つのアプローチとは、腕を伸ばして振るアプローチと腕を曲げて振るアプローチ。イメージクロックでいう7時~5時と8時~4時が腕を伸ばすアプローチで、9時~3時以降が腕を曲げて打つアプローチ。腕を伸ばして打つか、腕を曲げるか。これだけです。

GD ちょっと待ってください。アプローチは、腕を伸ばすか、腕を曲げるか。アプローチのレッスンをいろいろ見てきましたが、腕の曲げ伸ばしで打ち方を説明するレッスンはあまり記憶にないんですけど。

体重移動や体の回転を使わないこと

画像: 腕を伸ばしたまま振るアプローチは、体重移動や体の回転を使わないこと

腕を伸ばしたまま振るアプローチは、体重移動や体の回転を使わないこと

原田 では2つのアプローチ打ってみますね。まずは腕を伸ばすアプローチ。イメージクロックの7時~5時の動き。何度も見せましたね。持つクラブをアイアンからウェッジに持ち替えただけです。この通り、簡単にできるでしょ。上半身も下半身も何も動かさない。動かすのは肩、腕だけ。構えたままの形で肩、腕だけでストロークする。

GD 7時~5時や8時~4時は腕を伸ばして打つというように、バックスウィングの振り幅の基準を腕の曲げ伸ばしで説明するレッスンは聞いたことがないかも。8時までは腕を伸ばすアプローチで、9時から先は腕を曲げてアプローチするといったように。もちろん腕を伸ばすとか腕を曲げるとかはありますが、明確に腕を伸ばす範囲まで決められるものがありませんでした。

画像: 9時~3時のイメージクロック。腕を曲げ、手を正面に向ける動きが必要になる。9時より振り幅が大きいアプローチは腕を曲げて振るアプローチ

9時~3時のイメージクロック。腕を曲げ、手を正面に向ける動きが必要になる。9時より振り幅が大きいアプローチは腕を曲げて振るアプローチ

原田 そう、だから8時~4時までは腕を伸ばすだけでいいのに、腕を伸ばしたまま、体重移動をしたり体の回転をしたりと、難しい打ち方をしている人は多いです。体重移動と体の回転は腕を曲げて打つ9時~3時から使い始める。イメージクロックで2つのアプローチの使い分けを決めてしまえば簡単なんです。

GD ということは8時~4時までは、まさにパターのように打てばいいと。じつは9時~3時の手のポジションと腕を曲げる(ひじをたたむ)感覚がうまくできないんですが、8時~4時までの動きはできます。

原田 8時~4時までの小さな動きでもアプローチっていろんなことできるんですよ。まず、AWを持って8時~4時の腕を伸ばしただけの打ち方をした場合に、キャリー10Yとラン10Yのピッチエンドランが打てるとします。打ち方は8時~4時のままでAWをPWに変えたらキャリーが5Y、ラン15Y。9Iならさらにランの部分が伸びるといったように番手を変えればランとキャリーの距離を打ち分けられます。さらに明確にランを出したければ真ん中に置いて構えていたボール位置を右寄りにすればキャリーを減らしてランを伸ばせますし、逆に左足寄りにボールを置けばボールが高く上がってランを抑えられます。番手は7番アイアンぐらいまで使い分ければいいでしょう。

ひとつの打ち方で36通りのアプローチが打てる

画像: ひとつの打ち方を覚えると36通りのアプローチを覚えたことに

ひとつの打ち方を覚えると36通りのアプローチを覚えたことに

GD SW、AW、PW、9I、8I、7Iとクラブは6種類、ボール位置は3種類、振り幅は7時~5時と8時~4時。たったひとつの打ち方で、何通りのボールが打てるんだ? 振り幅が2つ、番手は6本、ボール位置が3つ、36通りのアプローチが打てるってことか!

原田 イメージクロックで振り幅も7時~5時と8時~4時と説明上、2種類に分けているだけで、7時半だって、8時半だっていい。細かく変えられるなら、もちろん7時10分だっていいですよ。6時を中心にテークバックとフォローを1対1で打つ限り、振り幅は無限。36通りでも足りないくらいですよ。

GD それだけ打てれば、腕を伸ばして打つアプローチだけを覚えてもいいですね。まずは簡単なほうからならアプローチが得意になりそうです。

原田 たしかに、9時~3時の打ち方は腕を曲げて、体重移動と体の回転がともなう体幹ターンの打ち方です。難しいと思う方もいるかもしれません。でもね、8時~4時までの腕を伸ばしただけのアプローチは誰でもできます。まずはグリーン周りからグリーンの真ん中を狙ってグリーンに乗せる、ピンを中心に5メートル以内に寄せる。練習していけば、1ピン、1メートル、1グリップまで寄せられるようになりますよ。30Yぐらいまでのアプローチは腕を伸ばすアプローチひとつで大体カバーできます。

構え方はややオープン

画像: スタンスは狭めでややオープンに構える

スタンスは狭めでややオープンに構える

GD アプローチの構えはアイアンと同じですか。

原田 そうそう。その説明をしてなかった。アプローチはスタンスはアイアンより狭くして、気持ちオープン。それだけです。

GD アプローチが苦手だったのは小さい振り幅で腕を曲げたり、体や手の動きを使いすぎていたのかもしれません。

原田 9時~3時の腕を曲げて打つアプローチも得意になってもらいたいですね。9時~3時のアプローチは打ち方でいうと腕を曲げて打つアプローチですが、目的はボールを上げるアプローチ。状況によっては必要とする場合もあるので、この打ち方も得意になってもらいましょう。続きは次回説明します。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ ENゴルフレンジ

簡単アプローチを覚えるために「イメージクロック」を理解しよう

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