レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「距離感とスウィングを作るドリル」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㊾】
画像: クラブを持って、手のポジションや腕の動かし方を確認するドリルを解説。アドレスからトップまでは左手1本でバックスウィングし、トップからフィニッシュまでは右手1本で手や体の動かし方をマスターする

クラブを持って、手のポジションや腕の動かし方を確認するドリルを解説。アドレスからトップまでは左手1本でバックスウィングし、トップからフィニッシュまでは右手1本で手や体の動かし方をマスターする

クラブを持って行う「イメージクロック」

画像: 手、腕の正しいポジションが分かるイメージクロックのエアドリル

手、腕の正しいポジションが分かるイメージクロックのエアドリル

原田 前回はクラブを持たずに手、腕の正しいポジションが分かるイメージクロックのエアドリルに取り組んでもらいましたね。今回はクラブを持って行うドリルを説明します。

GD エアドリルはトップとフィニッシュで、両手をパンパン叩くドリルですね。クラブを持って行う場合も、手や腕の位置、動かし方はエアドリルのときとほぼ同じと考えていいのですか?

画像: クラブを持って手、腕の動き方をチェックする「イメージクロック」

クラブを持って手、腕の動き方をチェックする「イメージクロック」

原田 そうです。クラブを持ってエアドリルの手、腕の動き方をやればいいわけです。例えば9時~3時のドリルはまずクラブを持った左手とクラブを持たない右手を真下6時の位置で合わせるように構えてから右手9時の位置に左手を3時の位置まで上げます。この形からクラブを持った左手をいったん6時の位置、つまりアドレスの位置に戻してから右に上げて右手と合わせます。次はクラブを右手に持ち替えて両手を9時-3時のポジションにセットし直し、クラブを持った右手をいったん6時の位置に戻してから左へ振って、左手と合わせます。これによって9時~3時の正しいトップとフィニッシュの位置が分かります。

クラブを持たない"スウィング"とクラブを持った"スウィング"を繰り返す

画像: クラブを持たないエアドリル→クラブを片手で持って行うイメージクロック→両手でクラブを持っての素振り。この手順を繰り返すことで正確なスウィングをマスターできる

クラブを持たないエアドリル→クラブを片手で持って行うイメージクロック→両手でクラブを持っての素振り。この手順を繰り返すことで正確なスウィングをマスターできる

GD 9時~3時以外の7時~5時、8時~3時、10時~2時、11時~1時も概ね同じことをすればいいのですか?

原田 そうです。9時~3時以外も同じ手順でやればいいですね。

GD で、このドリルから両手でクラブを持っての動きまでつながっていくわけですね?

原田 片手でクラブを持ってトップとフィニッシュの位置が確認できたら、次はそのイメージが消えないうちに両手でクラブを持って振ってみましょう。これを繰り返していくと、スウィング中の手、腕、クラブの正しいポジションを頭と体に覚え込ませることができますよ。

GD まずクラブを持たずに手と腕の位置、形を確認してから、エアでその位置、動きをしてみる。それからクラブを持ってエアと同じ動きをして、最後に両手でクラブを持って振ってみるということでいいですか?

原田 その順番でいいですよ。

手の角度を確認しながらクラブを上げる

画像: 8時の手の角度と9時の手の角度を確認しながらトップ(写真は10時)でグリップを握る

8時の手の角度と9時の手の角度を確認しながらトップ(写真は10時)でグリップを握る

GD この順番でやっていくと手、腕、クラブの正しいポジションが良く分かります。クラブを上げるところ、振るところで迷いが出たら、これで修正できるわけですね。クラブを持ってやってみます。どうですか?

原田 左手に持ったクラブを右手に合わせたときに、グリップを作ることもポイントです。ひらいた右手にクラブを持った左手グリップを合わせたら右手も左手と合わせて両手グリップを作る。7時~5時から11時~1時までグリップを作るまでが一連です。もう一度やってみて。

GD どうでしょう。

体重移動と体の回転のチェックも同時に行う

画像: トップからフィニッシュまではクラブを右手に持ち替えて、体重移動と体の回転も意識しながら行うことがポイント

トップからフィニッシュまではクラブを右手に持ち替えて、体重移動と体の回転も意識しながら行うことがポイント

原田 テークバックの9時の右手が甲側に折れていません。クラブを持った左手を合わせる前に、クラブを合わせる意識が強くて、右手の形を忘れてしまっているのかもしれません。もう一度、手のポジションと同時に手の向き、手の甲の折れ具合を確認してください。9時では右わきはしまっていなければいけません。右わきをしめて体の正面を向いた右手に左手があるわけです。手を合わせるだけでなく、グリップを作りましょう。右手のポジションに伸びた左腕を合わせて両手グリップを作ります。そこから3時の位置にセットした左手に右手に持ち替えたクラブを振っていくわけだけど、体重移動と体の回転ができていません。

GD 体がきゅうくつで、右手が左手に届きにくいのは体が回っていないからですね。

原田 無理やり右肩を回して左手に右手を届かせようとしています。このドリルは、手のポジションと体の動きを同時に覚えるドリルです。どちらもおろそかにしてはいけません。

GD スウィングを固めるのに効果がありそうですね。

「イメージクロック」は距離コントロールもマスターできる

画像: 「イメージクロック」の10時(トップ)~2時(フィニッシュ)。フルスウィングだけでなく、スリークォーター(写真)、ハーフスウィング、アプローチまでマスターできる

「イメージクロック」の10時(トップ)~2時(フィニッシュ)。フルスウィングだけでなく、スリークォーター(写真)、ハーフスウィング、アプローチまでマスターできる

原田 そうです。では、イメージクロックのもう1つの効果について説明していきましょう。それは距離の調節方法を覚えられるということです。ある程度の力加減は必要になるけど、距離は基本的には振る大きさ、振り幅で距離を調節します。その際の物差し、メジャーになるんです。
 
イメージクロックを理解してクラブを振れるようになると、距離のコントロールもしやすくなります。距離の調整をするにはね、イメージクロックの7時~5時から11時~1時までの振り幅を使い分けることです。

GD つまりゴルファーなりに7時~5時の振り幅なら何ヤード、8時~4時なら何ヤードというふうに自分の距離を把握しておくことが大事で、9時~3時以降も同様に考えていけばいいわけですね。

原田 そう、だからイメージクロックは距離感が重要なアプローチには最高なんです。次回アプローチが苦手な人も得意になる簡単アプローチを解説します。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ ENゴルフレンジ

スウィングを作る「イメージクロック」

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