打感、抜け、操作性の三拍子が揃っている
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「DynamicGold120」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。
面取りされたソール形状と大きいバウンス角から、ダウンブローに打ち込めるスウィングと相性が良い
クラブ長さが37.0インチと標準的ですが、クラブ重量が430.7グラムと非常に重く、スウィングウェイトがD2.8とやや大きくなっています。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが274万g・㎠と大きくなり、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが47〜48m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドはフェースが前モデルの『241』と『243』の中間的なオーソドックスな雰囲気かつ小ぶりな形状です。そしてストレートネックでスコアラインに対して、スクエアに構えやすくなっています。
実際に試打したところ、アドレスでは『241』よりも少しグース感があり、かつ『241』や『243』と比べてストレートなリーディングエッジが特徴で、少しボールをつかまえたいイメージが出ています。

左から『241』、『243』、『S-3』
試打シャフトは適度なしっかり感で、ダウンブロースウィングにも耐えてくれそうです。
軟鉄の一体型ヘッドでフェース面の肉厚は厚く、インパクト音は低く、打感も良く繊細さを感じられます。そしてヘッドが小ぶりなので、ヘッドの抜けもいい感じです。
重心距離がかなり短く、ネック軸回りの慣性モーメントが小さいのヘッドの操作性が良く、インテンショナルにドローやフェード、弾道の高低も含めて操作しやすくなっています。
バウンス角が『241』よりも少し大きくなり、ターフを取る時のソールの抜け感がいい感じです。リアルロフト角が34.4度とストロングロフト設定ではないので、ボールが上がりやすく、かつスピン量も多めで弾道と飛距離が安定しており、ヘッドスピードが速いゴルファーにとってスコアメイクに役立そうです。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月22日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より