今回は『ミズノプロ S-3アイアン』を紹介します。今モデルから新しく「Sシリーズ」がラインナップされました。冠されている“S”は象徴の意味を持つSignature(シグネチャー)の頭文字から来ています。今モデルでも「ミズノ」が生む打感は健在で、さらにソールのフェース側、トレーリングエッジ側を削り落とした「トリプルカットソール」によって、抜群の抜けの良さが味わえるとのことです。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「つかまり感と見た目にほんの少しやさしさ感がある」と言います。前モデルの『241アイアン』と比較しながら分析していきます。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/34.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万1800円(#5~PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/34.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万1800円(#5~PW)※すべてメーカー公表値

「ミズノプロ」は完成されている?

GD 今回は「ミズノプロ S-3アイアン』(以下、S-3)を前モデルの『241アイアン』(以下、241)と比較しながら分析してもらいます。ミズノプロといえば数ある「ミズノ」のブランドの中で、ツアーモデルの位置付けです。昔ながらの軟鉄鍛造にこだわり、手に残る軟らかい打感はギアファンを虜にしています。

松尾 そうですね。小ぶりなヘッドで操作性が高いアイアンが多いです。最近流行りの飛び系のように、ロフト角を立たせてボール初速を高めるような設計はされていません。しっかりとロフトがつけられており、ボールが上がりやすく、スピンが入って上から狙える性能になっていますね。

画像: 左から『241』、『S-3』。前モデルはマッスルバックだったが、今モデルはハーフキャビティになっている

左から『241』、『S-3』。前モデルはマッスルバックだったが、今モデルはハーフキャビティになっている

GD 今回から新たに“Sシリーズ”として生まれ変わったミズノプロアイアンですが、前モデルと比較するとどんな違いがあるのでしょうか?

松尾 今モデルはつかまり感が増しました。FP値(フェースプログレッション)を見ると、『241』が5.2ミリ、『S-3』が4.3ミリとなっています。共に数値としてはストレートネックに分類されるのですが、『S-3』は『241』よりもグースネックになりました。
 
『241』は米国系っぽさがあったのですが、『S-3』は日本人が好きなグース系の雰囲気があります。

画像: 左から『241』、『S-3』のアドレスカット。今モデルはグースネック感があり、ボールをつかまえてくれそうな雰囲気がある

左から『241』、『S-3』のアドレスカット。今モデルはグースネック感があり、ボールをつかまえてくれそうな雰囲気がある

GD なるほど。見た目のフィーリングが今モデルでは変化があったわけですね。他に特徴はありますか?

松尾 大きな変化は見られませんでした。リアルロフト角は『241』が34.2度、『S-3』が34.4度とツアーモデルらしく大きい設定。打点ズレへの強さを表すヘッドの慣性モーメント(基準値:2600〜2799g・㎠)は『241』が2122g・㎠、『S-3』が2289g・㎠と非常に小さいです。ですから、お助け機能が備わっているわけではありません。
 
ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメント(基準値:5500〜5999g・㎠)は『241』が4513g・㎠、『S-3』が4846g・㎠と小さく、操作性が高い性能は継承されています。重心設計はSS(スイートスポット)位置がヒール寄りにされているところも変更されていません。
 
ミズノプロのアイアンの特徴である“ヘッドの操作性が高く、ピンへ向かって狙った距離を打てる性能”は、今モデルにも引き継がれています。

画像: 左から『241』、『S-3』の重心。ヒール寄りの設計は引き継がれている

左から『241』、『S-3』の重心。ヒール寄りの設計は引き継がれている

GD つまりミズノプロのアイアンは、完成されていると言えそうですね。『ミズノプロ S-3アイアン』はどんなゴルファーにおおすめですか?

松尾 性能以外だと、『S-3』はわずかにフェースが長く、ソール幅が広くなりました。また今モデルはマッスルバックではなく、ハーフキャビティにされているので、見た目にほんの少しのやさしさを持たせたい意図を感じました。
 
これらを踏まえると、見た目のやさしさを感じながら自分好みに弾道を操作して、スコアメイクしたいゴルファーは試されると良いでしょう。

▶︎▶︎▶︎次ページでは「打感、抜け、操作性の三拍子が揃っている」という凄腕シングル松尾好員氏の『ミズノプロ S-3 アイアン』試打インプレッションを紹介

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