55歳になったアルゼンチン出身、メジャー2勝のアンヘル・カブレラが米シニアツアーのジェームズ・ハーディ殿堂招待で復活優勝を遂げた。
画像: アルゼンチン・コルドバ出身の55歳。メジャー2勝で世界ランク最高位は5位。25年マスターズは11オーバーで予選落ち(19年撮影)

アルゼンチン・コルドバ出身の55歳。メジャー2勝で世界ランク最高位は5位。25年マスターズは11オーバーで予選落ち(19年撮影)

最後に勝ったのが、11年前、14年PGAツアーのグリーンブライアー・クラシックだから10年9カ月ぶりの勝利ということになる。しかも今回は出場資格がなくウェイティング2番目からの繰り上がり出場だった。

07年の全米オープンでタイガー・ウッズを下してメジャー初制覇したあと、09年には三つどもえのプレーオフを制しグリーンジャケット(マスターズ)に袖を通した初のアルゼンチン人プレーヤーだ。

しかしここ5年はトラブル続き。21年に元妻に対するDVの容疑で渡航禁止だったにもかかわらず海外に逃亡。指名手配となりインターポールによってリオデジャネイロに潜伏中に逮捕されブラジルで収監された。その後アルゼンチンに移送され2年の刑期を終えたが再び複数の女性に対する暴行の罪で逮捕され2年4カ月を塀の中で過ごした。23年8月に釈放。12月に競技復帰が許されたため、昨年は米シニアツアー12試合に出場しトップ10に2回入っている。

そして今年シーズン3試合目でチェ・キョンジュに1打差をつけて復活Vを達成した。数週間前にカブレラは、デイリーメール紙の取材にこう語っている。

「過去に間違ったことをして後悔しています。人生の重要な年月を無駄にしてしまったことも悔いています。間違いでした」

服役中もっともつらかったのは「自由がないこと。それは人間にとって最悪の事態です。そして今が自分にとってのセカンドチャンス。正しい軌道に戻る機会だと思っています」。ブランクがあっても飛距離やショットの精度は健在。今大会ではパットもさえていた。

「ここ数年の困難を乗り越えとても感慨深い。厳しい戦いでしたが再びチャンスをつかめて良かった」というカブレラは歴代覇者として6年ぶりにマスターズの舞台に立った。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月29日号「バック9」より

これまでのカブレラ

This article is a sponsored article by
''.