ローリー・マキロイのキャリアグランドスラム達成の話題が世界中で沸騰しているが、一番熱かったのはマキロイのホームコース、北アイルランドのハリウッドGCだ。スクラッチプレーヤーだった父ジェリーさんの手ほどきで才能を開花させた彼の歴史的瞬間をテレビ観戦しようと大勢のメンバーがクラブハウスに集結。優勝が決まった瞬間会場はお祭り騒ぎ。ベアハグする人、飛び跳ねる人、涙を流す人etc……サッカーのワールドカップ決勝を超える騒ぎになった。
画像: 悲願のマスターズ制覇を成し遂げ、グランドスラマーとなったローリー・マキロイ(写真は2025年のマスターズ 撮影/Yoshihiro Iwamoto)

悲願のマスターズ制覇を成し遂げ、グランドスラマーとなったローリー・マキロイ(写真は2025年のマスターズ 撮影/Yoshihiro Iwamoto)

子供の頃から成長を身近で見守ってきた少年が人口1万数千人の小さな我が街から世界で6人しかいないグランドスラマーになったのだ。その喜びといったら筆舌に尽くしがたい。

マキロイ優勝の瞬間のハリウッドGCの様子

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クラブの会長トニー・デンバー氏は地元紙に「北アイルランド、ダウン州ハリウッド出身者がグランドスラムを達成するなんてアンビリーバブル! 信じられません。このクラブの最年少会員だったローリーが成し遂げたことは正直言葉ではいい表せません」と興奮を隠せなかった。

しかしパブが有名なアイルランドなのにお祝いの場にアルコールが見当たらない。なぜ?

実はバーの営業許可は午後10時までで本来なら10時に閉店しなければならない。時差の関係でマキロイがウィニングパットを沈めたのは午前0時を過ぎていた。

そのためBBC放送によると決着がつく2時間以上前にハリウッドGCのバーでその日最後のビールとワインが提供されたそうで、歓喜の瞬間にアルコールはなし。祝杯は翌日に持ち越された。

ビールとワインが供されたころにはマキロイがリードを保っており、このまま楽々栄冠に輝くものとメンバー誰もが楽観していたが、72ホールで勝負を決めきれず73ホール目に突入したときには「緊張で吐き気がしました」と同クラブの女子キャプテン、ルース・ワットさんはBBCのインタビューに答えていた。

「もう無理だと思っていましたが、信じられないような素晴らしい結末。家に帰ってジントニックを飲みます」(ワットさん)

ちなみにマキロイのバッグを担いだ親友でありキャディのハリー・ダイアモンドと出会ったのもハリウッドGCだった。

グリーンジャケットを着て臨んだ優勝会見でキャディへの思いを聞かれたマキロイは込み上げる涙を必死に堪えこう語った。

「ハリーのことは7歳の頃から知っています。出会いはハリウッドGCの練習グリーンでした。以来ずっと僕らは素晴らしい思い出を共有してきました。僕にとって彼は人生を通して兄のような存在」

「これまで様々な批判やゴルフを知らない人たちの心ない中傷を一緒に背負ってきて、この瞬間(グランドスラムを達成した)を分かち合うことができて本当に良かった。彼ほど最適な人物はいません」

マキロイ9歳のテレビ出演動画。洗濯機ショットは有名だった

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