
ヘッドカバーにもお国柄が現れる (撮影/加藤晶)
“ゴルフクラブを守る”をテーマに世界各国が参加
開幕前も、開幕後も何かと話題となっている大阪・関西万博。その話題にあやかりたい! ということで「ヘッドカバー万国博覧会」をWEB上で開催! ちなみに、この“ヘッドカバー”の起源は、日本ってご存知でしたか? 関西ゴルフの草創期に廣野GCや鳴尾GCの創設にかかわった高畑誠一が、イギリスから帰国の際に大事なクラブを傷つけたくないと、ヘッドに靴下を被せたことからはじまったと言われているんてます! ということで、まずはヘッドカバー発祥の国であり、開催国(!?)の日本からご紹介!
日本からの出展は、本格派剣道着で人気の「武州正藍染」
「武州正藍染」は、自然の藍の葉を染料に用いて、昔ながらの自然にあるものだけで発酵させ染め上げるのが特徴。職人による手染めなので、濃い藍色のなかにも微妙な風合いがあり、時間が経つほどに色がさめてきて美しい風合いを増していくというもの。その「武州正藍染」の生地に、さらに刺子を施した剣道着は剣道愛好家のなかでも高級品と知られており、今回は贅沢にも藍染刺子の生地を特別にヘッドカバーに仕立ててもらった。
素材の良さを活かすためにあえて色味を抑えたシンプルなデザインにし、アクセントとしてヌメ革の番手タグを採用。和の趣を感じる漢数字を刺繍し、その数字には「大字(だいじ)」と呼ばれる画数の多い漢数字を施した。さらにタグの裏面にもアラビア数字を刺繍してあるので、漢字の読めない外国の方でも使えるように。細部までこだわりの詰まった逸品だ。
日本を代表するからには、これだけには終わらない。シャフト部分のニットにはなんと“スタジャンの袖口”を採用。せっかく高級素材の武州正藍染を使うのだから、そこに合わせるリブも適当なものでは済ませたくない……と探し続けた結果、伸縮性があり、しかも二重編みで耐久性に優れたスタジャンの袖にたどり着いたのだ。

写真右上から時計回りに、ドライバー、FW用、パター用、UT用
ネパールのお母さんたちが編んでくれました
大阪ではパビリオンが未完で話題となったネパールも、ヘッドカバー万博には問題なく出展(笑)。ヒマラヤ山脈の麓に位置するネパールは、英国の植民地であったことと、寒い冬を越すためにセーターなど編み物が盛んな地域。機械編みが普及した現代では手編みの担い手が少なくなっているそうだが、ゴルフポケットのオリジナルでパンダの親子とハスキー犬の親子のヘッドカバーを、ネパールの女性たちがひと目ひと目、手編みで編んでくれたもの。
ネパールにパンダは生息していないがネパール語の竹(panja)が、パンダの語源といわれており、また年に一度、10月に「ティハール」と呼ばれる犬を祝うお祭りがあり、犬の首には花輪が掛けられ、額には赤い粉が塗られ、飼い犬/野良犬を問わず祝福されるそう。

写真左がハスキー犬の親子、右がパンダの親子。アイアンとボールを手にしている

編んでくれた女性たち。ネパールではゴルフ自体が知られていないので「クリケットのようなスポーツ」と説明して作ってもらった
ペルーの特産品、アルパカをヘッドカバーに
先日新教皇に選出されたレオ14世が長らく活動したというペルー。世界でも上質なアルパカの生産地として知られていて、標高4000メートルの高地のマイナス20度からプラス30度という大きな寒暖差のある気候が最高品質のアルパカウールを育み、非常に滑らかで肌触りの良い独特の「つるりとした感触」がペルーのアルパカウールの特徴だ。さらに、アルパカウールはカシミヤのような滑らかな手触りを持ちながら、カシミヤよりも繊維が丈夫のため、摩擦に強く毛玉ができにくいという特性を生かしてヘッドカバーにしてもらいました。
作ってくれたのは、日本の縫製技術をもってペルーでの現地生産にこだわる「インポートハウス」。現地法人を持ち、すべての製品をペルーで生産を行い、作るアイテムもアルパカ100%であることにこだわりをもつ会社で、ペルー政府から感謝状も授与されている。国際アルパカ協会認定マークのお墨付き!

ポンポン部分はアルパカのリアルファー。驚くほどのフワフワ!!
アメリカを代表するキャディバッグブランド謹製
カリフォルニア州オックスナード市にある自社工房でハンドメイドにこだわるキャディバッグメーカーのベルディング。1972年に創業して以来、MADE IN U.S.A.を貫く人気のブランドで、ライダーカップをはじめリオ五輪と東京五輪のアメリカ代表チームのオフィシャルキャディバッグに選ばれている。
この「サーカプレミアム ヘッドカバー」は、主にアパレルで使われることの多い、柔らかいガーメントレザーを使い、どこかレトロ感のただようヴィンテージ調にデザイン。キャディバッグ作りで培った技術、デザインと耐久性、使いやすさがヘッドカバーにも生かされている。

革で丁寧にパイピングが施されていて、丈夫で長く愛用できる
フリースなのに毛100%! アイルランドの特製素材
フリースと言えば一般的に化学繊維のイメージが強いが、アイルランドの「シープ バイ シー」のフリースはなんと高品質なウール100%。 天然素材ならではのふんわりとした肌触りと弾力の良さがあり、軽くて保温性があることから、通常はアパレル製品に使われるところ、特別オーダーでヘッドカバーに。

寒さから身を守るため、アイルランドの羊毛はとても暖かい。こちらはFW用
オーストラリアとフィリピンの合作アニマル
1972年にオーストラリアにて創業した「HANSA(ハンサ)」。約半世紀にわたり7000種以上の陸上、水中、空中、地中に生きる様々な動物たちの姿を再現するぬいぐるみを製造している老舗メーカーだ。
本物そっくりのぬいぐるみを作るのは、世界中の動物たちの姿と生態を子どもたちに知ってもらい、森林伐採や環境汚染により動物たちの棲家を私たち人間が奪ってしまっている事実を知ってもらうという、環境保全の理念から。商品にはそれぞれの動物たちの生息環境も記載するなど、ただかわいい動物のぬいぐるみを作っているわけではないのだ。
材料選びも環境に配慮しており、プラスチックの再生原材料や各国の国際安全基準に適合するものを使用し、詰め物にはペットボトルを再利用して作られた綿を使用する。そんなハンサが作るヘッドカバーは、本物のようにリアルで、本物以上にかわいらしい! ゴルフバッグに入れていたら「これ本物?」と注目を浴びること間違いなし。

写真左はパター用の北海道犬、右はFW用のホワイトタイガー

写真左のコンドルはUT用、右はアホウドリ(アルバトロス)でFW用
www.g-pocket.jpヘッドカバーだけでも、様々なお国柄が現れるのが面白い! 大阪万博には行かずとも、ゴルファーならヘッドカバー万博、選んで付けて、是非楽しんで欲しい。