『GT1』のFWはフェースとネックの作り込みが絶妙
GD 「タイトリスト GTシリーズ」に『GT1』が追加発売され、同時にフェアウェイウッド（以下、FW）も登場しました。飛ばし屋として知られる幡地隆寛プロも『GT1』のFWを使っているとのことで、今回は「GT1」のFWの試打をお願いします。
長谷部 『GT2』のFWはヘッドが小ぶりなこともあり、正直手ごわいなという印象がありました。なので『GT1』のFWがどれくらいやさしくなっているのか期待値も含め興味を持っていました。
『GT1』のドライバーは割とストレッチ形状をしていて慣性モーメントを重視したドライバーなので、その流れで来るのかな？ と思っていたら、FWは形がまとまっていてシンプルでオーソドックスな形状をしていたので、第一印象は良かったです。
ただ5Wも7Wも若干ヘッドが大きいというのが正直なところなんですけど、でも『GT2』よりは安心感もあるし、7Wに至っては長さとの関係もあるんでしょうけど、振りやすくて打ちやすかったですね。
GD プロモデルの名前を冠したFWは難しいものが多いじゃないですか。アマチュアモデルのFWはやさしく性能差を感じることがけっこうあります。
長谷部 そうですね。「GTシリーズ」の考え方を我々も見直さなければいけないかもしれません。『GT1』のFWはやさしく、コントロール性もある程度担保できています。『GT2』は本当に小ぶりなヘッドが好きな人向きで『GT3』はさらに操作性を意識したツアーモデルという感じ。
ドライバーとのバランスでいうと、ドライバーが『GT2』だからFWも『GT2』ということにこだわらず、ドライバーがなんであってもFWは好きなほうを選んでくださいという感じに見えますよね。
『GT2』のFWはコントロール性を重視しているのかもしれないですけど、打球の安定感で言うと「難しいな」という印象もあったし、構えた時のプレッシャーもあります。でも『GT1』に関しては、やさしそうな雰囲気が伝わってきます。ヘッドが大きいからダフリそうな印象がありつつも振ってみると振りやすかったので、ほどよく仕上がっていると思います。
あと7Wのフェースプログレッションの作り方、フェースの付け方が非常に良いと思います。ヘッドが大きくなるとフェースプログレッションが前に出やすく、特にアジャスタブルホーゼルの場合はその傾向が強いのですが、そこも上手くクラウンの稜線（りょうせん）と食い込ませながら違和感なく仕上がっているので、すごく綺麗なヘッドに見えましたね。
GD 『GT2』のヘッドのサイズだとネックが太めに感じますが、同じネックが付いていても『GT1』はヘッドが大きいからバランス取れている。
長谷部 そうですね。フェース面とホーゼルのつながりの関係が素直で構えやすい。久しぶりに見る良い形のFWだと思いました。
GD FWを外ブラから選ぶと「テーラーメイド」、「キャロウェイ」、「ピン」、「タイトリスト」の4社からだと思うんですけど、そのなかでもタイトリストはちょっと別の領域にいるような気がします。タイトリストは「やさしくない」というイメージがあります。
長谷部 ツアープロが背景に必ずいるというのがタイトリストのものづくりの根幹だと思うので、そういった意味で言うとPGAツアーでも、日本ツアーでもそうなんですけどドライバーのヘッドの大型化に伴って3Wを抜いて、5Wとか4Wを入れる選手も増えてきていいます。その流れでハイロフトの7Wもしっかり作り込んでいるという印象がありますし、先日、シェフラーも7Wをセッティングしていた情報もありましたね。
GD 今日はいわゆるカチャカチャをいじりながら7W（ロフト21度）を「D1」のポジションにしてロフト（0.75度）を立てて打ってみました。5Wに寄せた時、5Wと7Wはどう変わってきますか？
長谷部 クラブの長さが半インチぐらい違うのが大きいと思うんですけど、アマチュアからすると長いクラブで地べたの球を打つのがやっぱり一番難しいので、そういった意味では7Wの短さでも、多少ロフトを立ててもボール上がってくれるし、通常のロフト（21度）の7Wよりも若干でも前に飛んでくれるのであれば、とりあえずセカンドショットは「これでいいんじゃないか」という安心して選べる番手になる。どんなライでもいけそうな気がしますしね。
