レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーショットの構え方」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本55】
画像: ドライバーショットでは、構えたときにボールを両目で見るのがポイント

ドライバーショットでは、構えたときにボールを両目で見るのがポイント

ドライバーはアッパーブローでとらえる

画像: ドライバーはアッパーブローでとらえる

ドライバーはアッパーブローでとらえる

原田 ドライバーでティーアップしたボールを打つときにフェースをどうボールに合わせるか、適正な足の幅やボール位置について話しました。今回は構えたときのボールの見方について説明します。ドライバーはロフトが立っていますから、初心者はもちろん、多くのアマチュアはボールが上がりにくくなります。そのためボール位置を真ん中より左に置いきます。これがボールを飛ばすための、ボールの見方になります。

GD 確かに9.5度とか10.5度のロフト角ではうまくボールを上げることが難しいのは分かります。ボールを左に置くのはアッパーブローのヘッド軌道でボールをとらえたいからですよね。

原田 そう。ヘッド軌道は両足の真ん中、頭の前(下)が最下点です。その最下点からヘッドが上がっていくところでボールをヒットしたいんですよ。だからボールはアイアンのように真ん中じゃなくて、左に置くんです。左足のかかとの延長線上ですね。

GD つまりドライバーも振り方自体はアイアンと同じようにダウンブローに振っていき、ヘッドが最下点を過ぎたあたりから上昇に転じるところでボールをとらえるという認識でいいですか?

原田 そうですね。ただドライバーもダウンブローといってもアイアンほど急角度ではないですよ。ほぼ水平です。横からボールを払うようなイメージですね。

GD 仮想のボール位置をスタンスの真ん中に設定して、そこにダウンブローで振り込んでいき、ヘッドが上昇に転じたところでヒットするのはどうでしょう?

ボールは両目で見て、顔を右に傾ける

画像: ボールは両目で見て、顔を右に傾ける。頭の位置は両足の真ん中で上体も右に傾けるから頭の位置はボールとヘッドより右に置く

ボールは両目で見て、顔を右に傾ける。頭の位置は両足の真ん中で上体も右に傾けるから頭の位置はボールとヘッドより右に置く

原田 それは違います。最下点に向かって振り下ろしていってはいけません。そんなことしたら全部テンプラになってしまいます。急角度で振り下ろしたヘッドがある点を境に急に上昇に転じるなんて不可能ですよ。ボールの横からヘッドを当てるイメージでちょうどいいアッパーブローになります。

GD ヘッドが最下点を通過してから上昇に転じるというのは、本当に微妙なところなんですね。

原田 そのためのボールの見方です。基本、頭の位置は両足の真ん中ですから、左足かかとの延長線上にボールを置けば、自然に右からボールを見る形になります。ドライバーではボールを右から見るのが基本です。

GD でも、ただ漫然と右から見ているわけではないんですよね?

原田 ある程度の決まり事はありますよ。まずね、ボールは両目で見ます。よく左目で見るとか右目で見るとか言う人がいますが、基本的には両目で見るようにしてください。

GD 両目で見るとアゴがターゲット方向にちょっと出て顔が少し斜めになる感じですか? 別の言い方をすると頭が右に傾くような。

原田 顔は傾きますよ。それでいいです。

顔を右に傾けるとクラブを上げやすい

画像: ジャック・ニクラスのチンバック。原田プロはアマチュアには推奨していない

ジャック・ニクラスのチンバック。原田プロはアマチュアには推奨していない

GD 自分はボールを見るときに顔が垂直になってアゴが真下を向き、ちょっと横目でボールを見ている感じなんですけど、それはどうですか?

原田 それは直したほうがいいです。顔が垂直だとテークバックで体重が左に傾いてしまうことがあるんです。

GD 顔が垂直といえば、米ツアーで帝王といわれたジャック・ニクラスはテークバックの始動前にアゴを右に引く「チンバック」が知られていますが、こういう形は一般ゴルファーはやらないほうがいいと?

原田 それはあまりお勧めしません。それをしてしまうとね、バックスウィングで体重が左に乗ってしまい、いわゆるギッタンバッコンのスウィングになる危険があるし、そもそも右軸ができないんですよ。

ボールを左目で見たり上から見ると、体重移動がしにくくなる

画像: ボールを左目で見たり上から見ると、体重移動がしにくくなる

ボールを左目で見たり上から見ると、体重移動がしにくくなる

GD 確かに右軸を作ることが難しくなりますね。自分はコースに行くとテークバックで右サイドが高くなってしまう感じがして気持ち悪くなることがあるんですけど、ボールの見方が悪くて右軸がしっかりできていないからかもしれませんね。

原田 その可能性は十分あります。では、ボールは右から見るときの注意点を説明してします。アマチュアの中にはね、ドライバーはボールを左に置くことは分かっていて、実際にそう置いているんだけど、上体がかぶさる人が多いんですよ。

GD 上体がかぶさるというのは、ボールを見にいってしまう感じですか?

ひざ、腰、肩のラインはターゲットラインに平行

画像: 「ボールは右から見るけど、ひざ、腰、肩のラインはターゲットラインに平行です」(原田プロ)

「ボールは右から見るけど、ひざ、腰、肩のラインはターゲットラインに平行です」(原田プロ)

原田 そう。左へ置いたボールを上から見てしまうんだよね。そういう人はそのまま打ったらほとんどテンプラになってしまいます。かぶさる人は、右肩が前に出て右サイドがかぶってしまうこともあるので、スライスも起こりやすい。ボールは右から見るけど、ひざ、腰、肩のラインはターゲットラインに平行です。

GD 前の連載の正しいアドレスのところで学んだ「アドレスでは背骨が右に傾く」ことができていないわけですね。

原田 その通り。背骨は右に傾くんだけど、上体がかぶさる人は背骨が左に傾いていることが多いんです。次回は、ボールの見方とアドレスについて詳しく説明しましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ ENゴルフレンジ

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