レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーのくるくるドリル」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本58】
画像: ドライバーのヘッドスピードが上がる「くるくるドリル」

ドライバーのヘッドスピードが上がる「くるくるドリル」

フィンガーグリップで手首は柔らかく

画像: フィンガーグリップでクラブを縦に振れるように柔らかく握る

フィンガーグリップでクラブを縦に振れるように柔らかく握る

GD ドライバーは苦手です。自分は手元が浮いてフェースが開きますし、なかなかボールを真っすぐ飛ばせません。

原田 それを解消するのはもちろん、ドライバーショットで悩んでいる方に向けたドリルを紹介します。

GD 前回説明していただいたフィンガーグリップでヘッドスピードを上げられるようになるドリルですね。

原田 はい。それとね、ドライバーショットが良くなるもうひとつのポイントでも効果を発揮します。

GD もうひとつ?

原田 インサイドインにクラブを振るためのドリルでもあります。ドライバーで悩んでいる方の多くはスライス。右肩が突っ込んで、右肩がかぶり、アウトサイドイン軌道にクラブを振ってしまう人。それをこのドリルで、クラブをインサイドから下ろしていく感覚をつかめるようにするためのドリルです。

GD フィンガーグリップとインサイドイン軌道をマスターさせる一石二鳥のドリルですね。

インサイドイン軌道をマスターする

画像: アライメントスティックなど、写真のように棒を斜めに置いて、インサイドイン軌道をマスターするために、インサイドアウト軌道をイメージした線を作る

アライメントスティックなど、写真のように棒を斜めに置いて、インサイドイン軌道をマスターするために、インサイドアウト軌道をイメージした線を作る

原田 はい。まずアライメントスティックがあればそれを利用します。なければクラブでも構いません。ドライバーを指で持って構えてから右足の横から前あたりにアライメントスティックをヘッド軌道でいえばインサイドアウトになるように斜めに置きます。スタンスはスクエアに構えます。でね、このスティックに沿ってクラブを時計回りに回転させます。数回まわしてからこれに体幹ターン(体重移動と体の回転)をつけて左へ振っていきます。イメージとしては「くる、くる、くる、ボディターンをつけて左へ振る」のような感じです。そうするとドライバーを正しく振ることができるようになります。ドライバーを打つときに必要なインからヘッドが入ることと右わきを締めること、フォローサイドで両ひじをたたむことが同時にできるんです。

くるくるドリルのやり方

画像: クラブを柔らかく握って、クラブを立て、アライメントスティックをなぞるように右回りにくるくる回す

クラブを柔らかく握って、クラブを立て、アライメントスティックをなぞるように右回りにくるくる回す

GD ちょっと自分がやってみますね。アライメントスティックを指示通りに置いて、その上でドライバーを時計回りに2、3回まわして……。

原田 グリップはお腹の前で固定して回すわけではありません。スウィングと一緒です。トップではグリップは右肩の高さまで上げるでしょう。ダウンスウィングではグリップはお腹の位置に来ますよね。それと同じように、クラブをぐるぐる回しながら、グリップの上下の動きは加えてください。

GD なるほど。

インサイドアウトにヘッドを振り上げる

画像: アライメントスティックの後方から先まで線をなぞるように振る

アライメントスティックの後方から先まで線をなぞるように振る

原田 あと、このドリルはインサイドインの感覚を身につけるためでもあるんだけど、アライメントスティックをなぞるように、インサイドアウトの軌道を意識してもらっていいです。

GD くるくる……。

原田 腕と肩が硬いです。ひじから先だけで上腕と手首を柔らかくして、フィンガー(指先)で回してください。

GD くるくる……。

上体を右サイドに向けて回す感覚

画像: アライメントの線をなぞるように。上体を右サイドに向けて回す感覚で振る

アライメントの線をなぞるように。上体を右サイドに向けて回す感覚で振る

原田 アライメントの線をなぞるように。上体を右サイドに向けて回す感覚です。まだクラブを振り下ろすときに右肩が突っ込んで、右サイドでぐるぐる回せていません。

GD くるくる……。

原田 早いです。ゆっくりでいいです。右回りに回す動きにボディターンをつけていく。そうするとインからヘッドが下りてきます。

GD ひじの先を柔らかくしてゆっくり回したらいい感じになってきました。わきが締まって、フォローでは両ひじをたたむことができる。すぐにはなかなか上手くできなかったけど、2回、3回とやっていくうちに原田プロが言うような形になってきたような気がします。

くるくるクラブを回してからインパクト

画像: 2、3回くるくる回したあと、リズムよくショットする

2、3回くるくる回したあと、リズムよくショットする

原田 ただ、くるくる回していたときは良かった動きが、最後ボールを打つときになると、打ち急ぎと力みが出てます。右肩がかぶって、せっかくインサイドアウトで振れていたのが、ボールを前にするとアウトサイドインの軌道になってしまう。素振りでできても本番のショットで上手く振れない。よくあることですが、くるくるからショットのつながりが上手くいけば、ドライバーショットは格段に良くなりますよ。

GD もう少し振ってみます。

原田 そうそう。段々とできてきていますね。実際ドライバーが分からなくなった人がね、このドリルをやると打てるようになるんですよ。私はそういう生徒さんをたくさん見てきました。

GD そうなんですね。確かにこのドリルはドライバーを変な抵抗感、言葉を換えれば苦手意識なく振っていけそうです。正直、もっと早く知りたかったです。

原田 では、このドリルのもうひとつのやり方も次回説明しましょう。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ、梅里カントリークラブ

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