週刊ゴルフダイジェスト6月17日号で、このショットについて、今ノリに乗っている金子駆大がわかりやすく指南してくれた!「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中1回目】

解説/金子駆大プロ
かねここうた。2002年生まれ。愛知県出身。2020年にツアープレーヤーに転向。今年の『関西オープン』で悲願のツアー初優勝を手にした。ツアー屈指のショットメーカーでアイアンは金子の最大の武器
【アドレス】胸の中心を左へ少しズラして構える
GD ライン出しショットを覚えるとピンを狙い打ちしやすいとおっしゃっていますが、特別な打ち方なのでしょか。
金子 特別な打ち方ではありませんが、大きく違うのは通常のアイアンよりヘッドの最下点が、少し目標側になる点です。
GD どうしてですか?
金子 なるべく低くライナー気味に打ち出したいから、ボールを抑えて打つためヘッドの最下点が通常より目標方向側になるんです。そのために、アドレスで重心を左サイドに乗せておきます。自分から見てボールの左側に体の中心が来るようにセットします。
GD 体重配分は?
金子 左足7、右足3くらいですね。あとは両腕が体から離れないようにしています。9番アイアンほどの短いクラブだと、手元でクラブを操作しやすいので、その動きを防ぐために意識しています。
まずは準備が大事
【準備1】両わきを内側に軽く絞っておく
まず両わきを少し内側に軽く絞り胴体と一体感を持たせる。小手先でボールを打たないようにするために大切な準備となる。
× 腕が体から外れると手先の動きが強くなり手打ちになるため、引っかけなどのミスが出てしまう
【準備2】重心を左に移して最下点をボールの先に
手元の動きで上から抑えようとするとヘッドが鋭角に入り過ぎたりするので、アドレスで体の重心を
左にスライドさせるだけでOK。
× 体重が右足に乗っているとすくい打ちになるためボールをコントロールできない

アドレス時の体の向きが大事。左から順番にやってみよう
ポイント 両ひじを内側に軽く絞って体と腕を一体化。あとは腕を使わずに、体の
回転に腕とクラブが付いてくる感覚で振るイメージが大切。

ワキを軽く締めます
ライン出し始動のポイント
ライン出しショットは、少し力むことがあるため、できるだけ慌てずゆっくりテークバックすると、小手先ではなく体の回転で上げた締まったトップが作りやすい。

慌てずに上げよう!
【腕の使い方】上から下へ地面を押さえ込む
GD 次に具体的な打ち方を教えてもらえますか。
金子 ポイントは右手です。右手のひらをトップからインパクトにかけて地面を押さえ込むように振り下ろします。そしてインパクトからはボールを押し込むように、ややロフトを立てながら当てていくイメージです。

右手甲の向きも大事!
GD フェース面を閉じる動きですか?
金子 少し違います。閉じてしまうと引っかけるので、あくまでロフトを立てて当てるイメージです。ライン出しは出球を低くしたいので、この感覚を強く持つようにしてください。インパクトでボールを長く押し込めるようになるのでライン出しのイメージが必ず湧いてきます。ですから、手首を返すことなく、アドレスからの右手首の角度を保ったままフォローまで変えずに振り抜いていくことで、ライナー性で一直線に飛び出すボールが打てるようになりますよ。
腕使いのポイント
【ポイント①】右手甲の角度を最後までキープ
右手の角度が崩れると、すくい打ちになり、引っかけ、もしくは上がり過ぎて距離が出なくなる。右手甲の角度を保って右手のひらで地面を押さえ込んでいこう。

【ポイント②】両腕の三角形と右手首の形を変えない
フォローでヘッドを走らせようとして手首を返すのはダメ。右手首の角度をキープしたまま、両腕の三角形の形を変えずにフォローを出すことで低く打ち出せる。

体の回転に沿って手元を動かし、手首を返す動きは入れない。フォローで手首を返すと引っかけなどのミスが出る
【ポイント③】クラブは胸の正面から外さない
右手甲の角度をキープしたまま振るには、クラブが常に体の正面にある感覚を持つといいという金子。手首を返す動きを入れずに、体の回転重視でヘッドを左右に動かそう。

手首は返さない。手首を返す動きが入ると、ヘッドが体の正面から外れて、インパクトで長くボールを押し込めなくなるのでコントロールができない
▶緩まず体で回転するには「左腕ピーン」が正解! どういうこと?
PHOTO/ARAKISHIN
THAKNS/知多カントリークラブ
※週刊ゴルフダイジェスト6月17日号「ショートアイアンのライン出し」より一部抜粋