
昨年まで下部ツアーなどの実況や現地リポーターを担当していた萩原(撮影/岡沢裕行)
はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。
日大同期・同部屋の活躍に奮起 木村太一

桂川有人、清水大成とともに「日大新三羽烏」といわれた木村太一(JGTO提供)
まず紹介したいのは日本大学出身の木村太一選手。日大では、DPワールドツアー挑戦中の桂川有人選手、今年「日本プロ」を制した清水大成選手と同期、かつ同部屋だった。この同部屋の3人は清水選手が17年に「日本学生」、桂川選手が18年に同じく「日本学生」を獲得しているが、アマチュアの最高峰の「日本アマ」を制したのは19年の木村選手だけ。彼らと同じくらい期待されてプロ入りしたが、いまは2人に離されている状態だ。
プロになってから所属も同じロピアである清水選手の「日本プロ」優勝に対して聞くと「すごいと思うし、自分も頑張らないといけないと思っています。でも焦らないように」と話す。今オフは身体的なトレーニングだけでなく食トレもして、10キロ増量に成功したという。
先々週のACNツアー第4戦の「太平洋チャレンジ」では5位タイでフィニッシュ。この試合、「アプローチとパッティングが良かった」と話すが、実は練習のしすぎで今シーズン始まってすぐに右手首に怪我を負い、10ヤードくらいのアプローチやパッティングの練習しかできなかったとのこと。「ショットに不安があった」というが、ショートゲームの練習を多くできたのが好成績を生んだというから、まさに怪我の功名といえるだろう。
今季初のレギュラーツアーとなった難コース宍戸ヒルズCCで開催された先週の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」では、初日、ドライバーが噛み合わずフェアウェイキープがなんと1回だけ。もちろんスコアを作れず、6オーバーで109位と不本意な結果に。2日目は修正し、フェアウェイキープが8回で3アンダーと巻き返し、44位タイで見事予選通過。学生時代から知っている私としては、「怪我で練習不足ながらもしっかり立て直しているのはさすが!」と感じた。
スウィングが綺麗な木村選手に強みを聞くと「ショット力です。ただ、いまは怪我の影響で練習不足。とくにドライバーが噛み合っていないんです」というが、今週はレギュラーツアーに引き続き、婚約者で日大ゴルフ部同期の森はなさんがキャディ。「ツアー選手権」の2日目のように木村選手のポテンシャルを引き上げてくれるのを期待したい。
今シーズンの目標はACNツアーで賞金トップ10に入ること。ACNツアーの賞金王も狙える実力だと思うが、「結果が出ているわけではないので」と冷静に自分を分析していた。
大会初日は1番ホールから12時43分にスタート。森下響プロ、丸尾怜央プロ、アマチュアの呉屋陽星選手と同組。
レギュラーツアーでのパッティングスタッツ1位 松田一将

パッティングスタッツがレギュラーツアーでNo.1の松田一将(撮影/姉崎正)
続いての注目は松田一将選手。25年の出場権を得るために出場した予選会では、ファーストQTを27位、セカンドQTを14位、サードQTを20位と勝ち進み、ファイナルQTでは18位タイに入り、QTランクは20位。今季前半戦はレギュラーツアーとACNツアーの両方に出場中。
今季はパッティングが好調でレギュラーツアーの平均パットが「1.6638」で全体の1位。「もともと苦手意識はなかった」というが、あることが原因でより良くなったという。ACNツアー第3戦の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」の指定練習日でのこと。練習グリーンでとある選手を、ぼーっと見ていたところ、その選手のパッティングリズムが良く、そのイメージで打つようになったらリズムもタッチも良くなってきたという。ただ、松田選手は「実は、その選手がどの選手だったのかわからないので、探しているんです(笑)」とのこと。「我こそは!」というパッティングリズムの持ち主は、ぜひ名乗り出てあげてください!
最近はコーチをつけておらず、仲のいい尾崎慶輔選手とお互いにアドバイスしあっているという。実際にACNツアー開幕戦「Novil Cup」の初日終了後に、尾崎選手にアドバイスをもらい、初日の「77」から2日目は「69」と調子を上げ、予選を通過。今週も尾崎選手と一緒に行動する予定。開催コースの芥屋GCは高麗グリーンなだけあって、パッティングのタッチが重要。パッティング巧者の松田選手がどう攻略するのかにも注目だ。
大会初日は1番ホールから6時51分にスタート。片岡大育プロ、長谷川祥平プロ、植木祥多プロと同組。
太平洋クラブチャレンジで優勝 田中章太郎

太平洋クラブチャレンジでは21アンダーと驚異的なスコアで優勝した田中章太郎(JGTO提供)
ACNツアー第4戦「太平洋クラブチャレンジ」で優勝した田中章太郎選手。話を聞くと「3日間ともティーショットがよく、ピンチらしいピンチもなく優勝できました。ラウンド中は他の選手のスコアを気にしないように心がけただけでなく、『優勝』も意識せず、スコアボードも一切見ないで3日間で20アンダーを目標に自分のプレーに徹しました。もし、それで負けたら仕方ないなと。これは24年『PGM Challenge』での苦い経験があるからです。その試合の最終日は前半で『29』というスコアを出して単独トップに立ちましたが、設置してあるスコアボードを見て、後続の選手との差を逐一確認したんですが、2打差、3打差とか思えば思うほど、すごく緊張してきて、自分のプレーができなかったんです。その経験が活きて今回の結果につながりました」。目標だった20アンダーもクリアし、2位に7打差の21アンダーという圧倒的なスコアでの決着だった。
その優勝資格で出場した「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の会場でも、ギャラリーやボランティアさんから「優勝、おめでとう」と祝ってもらっていた。
好調の理由を聞くと、低く抑えた、いわゆる置きに行くドライバーショットを取り入れたことを挙げ、「中日クラウンズで一緒に回った選手がスティンガーっぽいショットを打っていて、それがいいイメージだったので、取り入れたいなと思ったんです。次の試合だった『日本プロ』ではそればかり練習していました(笑)。それが『太平洋クラブチャレンジ』で結果がでた要因だと思います」。
自身の強みは「もともと得意なアイアンショットです。最近はドライバーのいい影響からか、よりフィーリングが良くなってきました」と話す。今季の目標はACNツアー3勝というが、「太平洋クラブチャレンジ」のようなゴルフができれば、それも夢ではないだろう。
大会初日は1番ホールから7時35分にスタート。石川航プロ、時松源藏プロ、古川龍之介プロと同組。