
解説/堀越良和プロ
豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属
昨今、トッププロからアマチュアまで「ゼロトルクパター」の関心が高まってきている。今回、話題のゼロトルクパターについて堀越良和プロに解説してもらった。
「パターを打つ重要な3つの要素は、1つ目がラインを読むこと、2つ目が打ち出し方向にヘッドを合わせること、3つ目が目標方向に打ち出すこと。ゼロトルクパターはこの3つ目の要素を限りなくオートマチックに実現できる画期的なパターといえるでしょう」
さらに詳しく聞いてみた。
「ヘッド中央の重心位置にシャフトが挿さっていることで、ヘッドの開閉がしづらく、余計な挙動が生まれにくくなっています。つまり、“真っすぐ引いて真っすぐ出す”動作がしやすい。また、ミスヒットに強い点もゼロトルクパターの特徴です。もはやミスがミスではなくなってしまうほど、MOIは大きく、ヒール側とトウ側に外して打ってみましたが、トウ側に外してもセンターでヒットしたときとほとんど変わらない転がりでした。特に、短い距離のパットをショートしてしまう癖がある人にはおすすめですね」

ゼロトルクはミスがミスでなくなる画期的なパターです
実際に堀越プロに話題のゼロトルクパターの3モデルを打ってもらった。まずは、ゼロトルクパターの先駆的存在のLABゴルフ「DF3」。
「アドレスしたときの据わりが抜群にいいです。実際に打ってみても評判通りのオートマチックさがあり、あとは距離感を合わせることに集中できます」
続いて、オデッセイから5月に発売された「スクエア2スクエア MAXストライプ」はどうだろうか。
「DF3に似たヘッドですが、ストライプでアライメントを取りやすく、ボールにぴったり合わせたい人にはおすすめです。ややシャフトの傾きが大きくハンドファーストが強くなりますが、アドレスしたらとくに気にならないですね。打感も軟らかく、オデッセイらしさが詰まった一本ですね」
最後にPXGから発売された「Bat Attack ZTパター」。シャフトの挿さっている位置が他の2モデルと異なるが、いかがだろうか。
「ヒール側にシャフトが挿さっていますが、特殊なホーゼルがヘッドの重心の延長線にシャフトを繋げているので、他の2モデルと遜色なく、オートマチックなストロークを可能にします」
話題性の高いゼロトルクパター。当面、ブームは継続しそうだ。
ゼロトルクパター3種
「LABゴルフ DF3」
「フェースの開閉が抑えられるので、“構えた場所に戻してそのまま出す”オートマチックなストロークで真っすぐ転がしやすい。打点ブレにも強く、あとは距離感を合わせることだけに集中できるので、神経質になりやすい場面でのストロークの難易度を確実に下げてくれるパターです。自腹で購入するプロもいるみたいでそれも納得できます」
● 素材:鍛造アルミニウム
●ロフト:4.5度
●ライ角:69度
●総重量:536g
● 長さ:34,35インチ

「ストロークの難易度を大幅に下げてくれるパター」(堀越プロ、以下同)
「オデッセイ Ai-ONEスクエア2スクエア MAXストライプ」
「一見DF3に似たヘッドですが、オデッセイらしさが詰まっています。ヘッドを横切る白いラインによりアライメントを取りやすく、よりオートマチックなストロークを求めるゴルファーにおすすめです。打感の軟らかいインサートとも相性はいいです」
● 素材:ステンレススチール,アルミニウムソール
●ロフト:6.3度
●ライ角:72度
●総重量:528g
●長さ:33,34インチ

「オートマチックさを求める人におすすめです」
「PXG Bat Attack ZTパター」
「シャフトがヒール側から挿さる特殊なホーゼルで、ヘッドの重心の延長線上にグリップが連結し、ヘッドの開閉をしっかりロックします。従来のパター感覚でゼロトルクを持ちたい人におすすめです。ミーリングが深いので打感も軟らかく心地いいです」
●素材:303ステンレススチール
●ロフト:5度
●ライ角:70度
●総重量:572g
●長さ:34インチ

「“重心シャフト”が苦手な人におすすめのゼロトルクタイプです」
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※総重量は編集部調べ
PHOTO/ Yasuo Masuda THANKS /大宮GC
※週刊ゴルフダイジェスト6月17日号「最新&人気パターを試してみた」より一部抜粋