
昨シーズン、全米プロと全英オープンを制したザンダー・シャウフェレ。残る2つのメジャー、全米オープンとマスターズはシャウフェレとは相性がいい。キャリアグランドスラムへ向けて全米オープンに挑む
無冠の時代が長かったとはいえ、メジャーでザンダー・シャウフェレは卓越した戦績を残しています。2017年以来四大メジャー31回出場でトップ10が半分以上の16試合。しかも予選落ちはわずか3回だけです。
興味深いことに昨年戴冠を果たした全米プロゴルフ選手権と全英オープンはどちらかといえば成績が振るわず苦手としていた大会。全米プロで過去トップ10入りしたのは2020年(10位タイ)だけ。全英オープンも2018年に2位タイに入っていますが、それ以外トップ10はありませんでした。
一方、マスターズと全米オープンはいつ勝ってもおかしくありません。マスターズは8回出場でトップ10が5回。タイガーが復活優勝を挙げた2019年に2位タイ、松山英樹が勝った2021年も3位タイに入っています。
全米オープンはさらに相性が良く、初出場で5位タイに入って以来トップ10を外したのはわずか1回。これは7回出場しトップ10が3回しかない世界ランク1位のスコッティ・シェフラーを凌駕する記録です。
ローリー・マキロイがマスターズで優勝し史上6人目のキャリアグランドスラムを達成し、全米プロではジョーダン・スピースが7人目のグランドスラマーに挑みました。シャウフェレも苦手な2つのタイトルをすでに獲得しており、あと2つ、登山で例えるなら5合目まで来ています。
本人も「山の頂を目指すなかで2つのいいフック( メジャー制覇)を決められた。まだ登っている最中だけれど、誰かが自分より先に進んでいたとしても追いかけるのはそんなに難しいことじゃない」。と自信をのぞかせます。その裏には昨年から取り組んでいるスウィング改造に手応えを感じているという要因があります。
「クリス(・コモ/コーチ)とはバックスウィングを少しだけトップライン(アップライト)に乗せる練習をしている。少しフラットでレイドオフ気味に上げる傾向があったからね」。脇腹痛が癒えた今、期待は高まっています。頂上を目指すシャウフェレの戦いは続きます。
(コーリー・ヨシムラさんが急逝されました。このコラムは生前に頂いていた原稿によるものです。安らかにご永眠されますよう、心よりお祈りいたします。)
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※週刊ゴルフダイジェスト2025年6月3日号より(ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki)