月刊GD誌の名物企画「D-1グランプリ 2025」の記事が、8月号(6/20発売)にて掲載される。それに先立って、みんゴルでは大会の予選(3会場)の模様を3回にわたってお届け。予選の1会場目は、フィッターの小倉勇人氏がテスターとして臨んだ。
画像: 予選第一会場はユニオンゴルフクラブで小倉勇人氏が試打

予選第一会場はユニオンゴルフクラブで小倉勇人氏が試打

D-1グランプリの予選が3カ所で開催

今年のD-1グランプリにエントリーしたドライバーは39モデル。予選を3会場で行い、ヘッドスピードが異なる3人が全モデルを打って飛距離を計測する。そして、上位16モデルが東名CC(静岡県)で開催される決勝トーナメントに進出する。

初っ端となる予選会場はユニオンゴルフクラブ(千葉県)で、フィッターの小倉氏(HS/42~43m/s)が打って飛距離を測った。弾道計測器は「MEVO+」で、レンジボールを使用。

昨今のドライバー市場は“外ブラ強し”のイメージが拭えない。そこでまずは、気になる外ブラの御三家から試打コメントを抜粋して紹介しよう。

スイートエリアが広くて、振りやすさが確保されている

ミスヒットの補正力に優れる“AIフェース”を搭載した「ELYTE」シリーズ(キャロウェイ)の4モデルからスタート。

画像: 左から「ELYTE」、「ELYTE X」、「ELYTE MAX FAST」、「ELYTE ◇◇◇」

左から「ELYTE」、「ELYTE X」、「ELYTE MAX FAST」、「ELYTE ◇◇◇」

「『ELYTE』は、打点がバラついても安定して飛ぶことが一番の強みだと思います。他のメーカーは、ヘッドの重心を深くしてミスを軽減するのですが『ELYTE』は重心がそこまで後ろに感じないので、振り心地に違和感がなくて打点ミスをカバーしてくれる。打点が安定しない人ほどオススメします」(小倉氏、以下同)

このスタンダードモデルの基本性能を軸にして、つかまり性能に長ける「X」、軽量モデルでパワーがない人が速く振れる「MAX FAST」、最も低スピンで飛ばせる「◇◇◇」とタイプ分けされる。

「ELYTE」/225.3Y
「ELYTE X」/226.2Y
「ELYTE MAX FAST」/233.8Y
「ELYTE◇◇◇」/234.4Y

このように“振りやすさ”と“寛容性の高さ”を両立したドライバーが、カーボンフェースを採用した「Qi35」シリーズ(テーラーメイド)でもあると言う。

画像: 左から「Qi35」、「Qi35 MAX」、「Qi35 MAX LITE」、「Qi35 LS」

左から「Qi35」、「Qi35 MAX」、「Qi35 MAX LITE」、「Qi35 LS」

「『Qi35』(コアモデル)は重心を非常に深くしていますが、カーボンフェースが軽いので振りにくさが少ないんです。大きいヘッドでミスヒットをカバーしてくれますが、インパクトでヘッドの“お尻”の落ち具合が少ないので、振りやすいしエネルギー効率が良い。球が適度に上がって、直進性が高い弾道になります」

この“コアモデル”に対して、慣性モーメント(MOI)がより大きくてミスヒットを広範囲でカバーする「MAX」、クラブが長くて軽くヘッドのバランスが重めで“ハンマー効果”のように打てる「MAX LITE」、洋ナシ形状で叩いても球が左に行きづらい「LS」というすみ分けになる。

「Qi35」/230.0Y
「Qi35 MAX」/234.3Y
「Qi35 MAX LITE」/230.2Y
「Qi35 LS」/235.2Y

ピンの飛距離性能がよりUPしたことを実感

「G440」シリーズ(ピン)を試打すると、こう述べる。

画像: 左から「G440 MAX」、「G440 SFT」、「G440 LST」、「G440 HL MAX」、「G440 HL SFT」

左から「G440 MAX」、「G440 SFT」、「G440 LST」、「G440 HL MAX」、「G440 HL SFT」

「『MAX』について、ミスヒットの寛容性の高さは従来から変わっていません。それでも、重心が
やや浅く低くなり、前作(G430)よりスピンが減ったし、クラブ長さを0.25インチ伸ばした(46インチ)ので、HSが上がりやすく飛ぶようになりました」

ヒール寄り重心でヘッドがターンしやすくて球がつかまる「SFT」、やや小ぶりでシャープに振りやすくスピンを抑えた強い球が打てる「LST」となる。

そして、それらのコンセプトは変えず、重量を軽くして振りやすくしたモデルが「HL MAX」と「HL SFT」ということだ。

「G440 MAX」/243.3Y
「G440 SFT」/231.4Y
「G440 LST」/235.8Y
「G440 HL MAX」/236.3Y
「G440 HL SFT」/229.0Y

“和モノ”のドライバーが“外ブラ”をオーバードライブ

これらの人気・実力ともに申し分ない“外ブラ”が今年も優勢かと思いきや、この日の計測ではジャパンブランドの躍進が目立った。

その筆頭格がプロギア。「RS」を打つとこう話す。

画像: 左から「RS」、「RS F」

左から「RS」、「RS F」

「“カチャカチャ”の構造を工夫して、フェースのヒール側で打っても球の弾きが良くて、安定して飛ばせます。とても凝った作りをしているんです。そして、球がやや上がりやすくて強い球が出る。非常に完成度が高いクラブですね」

続いては“兄弟モデル”の「RS F」だ。

「“フェードのF”ということで、球のつかまりが抑えられて安心してぶっ叩けるドライバーです。このモデルは操作するというよりは、安定してフェード系の強い球が出ていく。左のミスを嫌う人はとても打ちやすいでしょう」

「RS」/245.4Y
「RS F」/254.7Y

ヨネックスの25年モデル「EZONE GT MAX」も出色の高評価だ。

画像: ヨネックスの25年モデル「EZONE GT MAX」

ヨネックスの25年モデル「EZONE GT MAX」

「ヘッドは重心が深めですが、インパクトにかけて“お尻”が落ちる印象はありません。ソールのフェース寄りに“ミゾ”ができていて“下っ面”のミスに強いでしょう。打感がやわらかいし、打点ミスに寛容で弾道の直進性が高い。とにかくシャフトが素晴らしいんです」

「EZONE GT MAX」/245.7Y

純正シャフトのパフォーマンスの高さが好結果につながる

ジャパンブランドの評価が高く、飛んだのは純正シャフトの出来の良さが欠かせないようだ。

画像: 小倉氏はジャパンブランドの純正シャフトの良さを力説する

小倉氏はジャパンブランドの純正シャフトの良さを力説する

「プロギアもヨネックスも本間も、純正シャフトの良さが際立っています。ヨネックス(EZONE GT MAX)に関しては、弾性が高いカーボンを使っていて弾くので動きがピーキーかなと思いましたが、振るとそうでもありません。硬く感じるけど仕事をしてくれる感じ。ドライバーを打ったときに『ヘッドの“お尻”が落ちない』と話しましたが、それはシャフトの効果もあるかもしれません。もはやカスタム品として出してもいいレベルのバランスがいいシャフトです」

D-1グランプリの予選と決勝トーナメントの展開はもとより、小倉氏が39モデルの基本性能を解説するコーナーなどもあるので、本誌8月号をご覧いただきたい。

文/新井田聡
写真/有原裕晶
協力/ユニオンゴルフクラブ

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