
全米オープンでの愚行を謝罪したウィンダム・クラーク(写真はザ・セントリー、撮影/岩本芳弘)
先週の全米オープンで予選ラウンドの最終ホールでボギーを叩き予選落ちを喫したクラークは怒りに任せてオークモントCCのロッカーに蹴りを入れ1カ所ならず2カ所を破損した。
現場の写真がSNSに投稿され、それがクラークの行為だったという報道されると「来年の全米オープンに出場させるな」といった声が相次いだ。
ウィンダム・クラークが破壊したとされるオークモントCCのロッカー【TronCarterNLUのXより】
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x.com歴史に彩られたオークモントのロッカールームには過去9回開催された全米オープンを覇者たちの名前が刻まれ古い木製のベンチにはボビー・ジョーンズからタイガー・ウッズまで数多くのレジェンドたちが残したスパイクの跡が刻まれている。
渦中の人となったクラークは絶好の滑り出しを見せたトラベラーズ選手権初日のラウンド後には記者の前でロッカー破壊事件について語った。
「自分の行為をすごく後悔しているし大きなミスを犯してしまいました。起きたことを心からお詫びします。自分自身のためだけでなく、オークモントCCやUSGA(全米ゴルフ協会)のためにもこれから自分の課題にしっかり取り組んで行きたいと思っています」
クラークのパフォーマンスコーチ、ジュディ・エリオン女史は以前Netflixのドキュメンタリーシリーズ『フルスイング』でクラークが特集されたとき彼のメンタルをこう語っていた。
「ネガティブな思考パターンに陥って“自分はダメだ。下手だ。2度と予選を通ることはできない“と考えるタイプでした。これを改善するのはゴルフの技術を直すより難しい。自分を掘り下げ真摯に向き合うことですから。大変な努力が必要です」
フィル・ミケルソンやジャスティン・トーマス、マックス・ホーマらも指導したことがある彼女は会話によってクラークの気持ちをポジティブ思考に転換させ23年全米オープンチャンピオンに導いた。
しかし今年クラークは「キャリアのなかで良い時期も悪い時期もたくさんありましたが特に今年は酷く落ち込んでいました」という。
だからといって衝動的な破壊行為は決して許されることではないが深く反省し立ち直ろうと前向きな気持ちは認めるべきかもしれない。
トラベラーズ選手権は8年前、大学を卒業したばかりの彼がプロとしてはじめての舞台に立った思い出の大会。「僕にとってすごく特別な試合です。最初に出たときは良いプレーができなかったけれど、コースを去るとき『いつかここで優勝する』と違ったのを覚えています」
余談だがかつてショートテンパー(短期で怒りやすい)で有名だったのはブラッドリーの叔母で、1991年に世界ゴルフ殿堂入りしたパット・ブラッドリー。
メジャー6勝、通算31勝のホール・オブ・フェイマー(殿堂入り選手)は怒ると手がつけられず通訳のアルバイトをしていた時代怖くて震え上がったもの。甥っ子のキーガンとはまったく違う性格だった。
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