レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「グリップのポジション」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本61】
画像: ドライバーでボールと飛ばすためのグリップポジション

ドライバーでボールと飛ばすためのグリップポジション

体の近くにグリップをセットする

画像: 体の近くにグリップをセットする

体の近くにグリップをセットする

GD 前回はアイアンとドライバーのアドレス時の姿勢の違いについて説明していただきました。姿勢についてはかなり分かってきたつもりですが、まだよく分かっていないのが体とグリップの距離の取り方です。ドライバーは体との間に拳が入る距離が適当といわれていますよね。

原田 体とグリップの距離は大事です。これはね、ドライバーもアイアンもグリップは目線の中になります。だから肩から真下に下ろした線上でグリップを作ります。

GD 目線の中というのは、アドレスしたときの目の位置から真下に下ろした線ということでいいですか?

目線の"内側"にグリップを構える

画像: 目線の"内側"にグリップを構える

目線の"内側"にグリップを構える

原田 そうですよ。目線は構えたときの目の位置から下した線のことです。「消費者目線」とか「目線が鋭い」などで使う目線とは意味するものが違いますから注意してくださいね。

GD 分かりました。その目線の中ということは目線よりも体に近いとこにグリップがあるのが正解ということですね。となると、体とグリップの距離はドライバーが拳1つか2つ入るくらいで、アイアンはそれより少し近い感じでですか。

原田 それでいいです。だから腕は下に伸ばし、クラブは前に出ていくんです。このとき腕とグリップには角度がついていることが絶対に必要です。腕とクラブが一直線になってはいけません。

GD その角度はアドレス時だけでなくスウィング中ずっとついていないとダメなんですか?

グリップが体から離れないようにすること

画像: グリップが目線の"外側"になるのはダメ!? グリップが体から離れないようにすることがポイント

グリップが目線の"外側"になるのはダメ!? グリップが体から離れないようにすることがポイント

原田 ダメです。テークバックでクラブを引いていくときも、振るときもこの角度がついていることが大事です。クラブにはヘッドとシャフトのつなぎ目にライ角という角度がついているので、ボールに正しく真っすぐにフェースを当てていくためには、腕とクラブの間にも角度をつけておくことが必要なんです。

GD 腕とクラブが一直線になっちゃうと、トウダウンのようになってしまって、フェースが開いてしまうんですね。では、米ツアーのブライソン・デシャンボーや日本ツアーの堀川未来夢プロのように腕とクラブを一直線に近い形、いわゆるハンドアップにしている人は特例ということですか?

原田 うん、そういう人は体の構造も違うし練習量も違います。またクラブもその振り方に合うように調整しているはずです。だからその形でも正確に飛ばしていけますけど、一般のアマチュアはやっちゃダメです。スウィング中ずっとグリップとクラブの間に角度をつけるように意識してください。

GD シャフトが長いドライバーもそれは同じということですね?

原田 ドライバーは構えたときの姿勢がアイアンよりも起きますから、腕とグリップでできる角度は少し小さくなりますけど、基本は一緒です。

グリップが体の近くを通るように振ること

画像: グリップが体の近くを通るように振ること

グリップが体の近くを通るように振ること

GD ドライバーの正しいグリップ位置については理解できましたが、原田プロはスウィング中ずっとグリップが目線の中にあるように振っているんですよね。

原田 実際に振るときも体の近くを振っていきますよね。グリップが体から離れるとシャンクなどのミスにつながります。

GD 自分たちアマチュアにとっては、その体の近くを振るというのがとても難しいです。今回は目線の内側を振っていくということですが、自分はどんなに頑張って目線の内側を振ろうとしても、どうしてもグリップが目線より外側を通ります。さらに外側というだけでなく上のほうになってしまいます。手もとが浮くということなんでしょうが……。

原田 確かにアマチュアにとって体の近くを振っていくのは難しいことだと思いますが、マスターするのに効果があるドリルがあります。

GD それはありがたいです。自分には永遠の課題みたいな感じになっているので、克服できたら夢みたいな話です。

ヘッド側を握って素振りする「逆クラブドリル」

画像: ヘッド側を握って素振りする「逆クラブドリル」で体の近くを振る感覚をマスターしよう

ヘッド側を握って素振りする「逆クラブドリル」で体の近くを振る感覚をマスターしよう

原田 そのドリルはね、この連載で前に紹介した逆クラブドリルです。

GD はい、はい。やりましたね。まずクラブを逆にしてヘッドの付け根あたりのシャフトを左手で甲側を前に向けて持ち、右手は左手首を下から持ちます。この形からクラブのグリップを真後ろに引き上げてトップを作り、そこからボディターンで左へ振っていきました。

原田 それです。それをやるとね、クラブを引くときも振るときも両わきが締まっていますよね。両方で両わきが締まっていれば、自然に目線の中で振れるんですよ。

GD ちょっとやってみます。前にアイアンでやった逆クラブドリルと同じようにドライバーを逆さにしてヘッドの付け根に近いところを左手で持って、右手で左手首の裏側を持つんでしたね。

原田 そのとき右手のひらと左手のひらが向き合うようなイメージで持ってください。実際には離れているんですけどね。

GD 分かりました。この形を作っただけでもうかなり両わきが締まっているのが分かります。ここからテークバックをして振っていきますね。あ、確かに目線の内側を振ることができたと思います。

原田 そのためのドリルですからね。いい感じでできていましたよ。それを繰り返し行うことでグリップが目線の中を通過するようになります。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ、梅里CC

動画よりわかりやすい「グリップの正しい握り方」(15コマ)

ドライバーショットの基本

This article is a sponsored article by
''.