レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「ドライバーショットの動きが良くなる姿勢」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本60】
画像: ドライバーショットが安定する「正しい姿勢」をマスターしよう

ドライバーショットが安定する「正しい姿勢」をマスターしよう

フィニッシュの正しい姿勢

画像: 「フィニッシュの正しい形は、まず右足のシューズがつぶれないようにちょこんと立つことです」(原田プロ)

「フィニッシュの正しい形は、まず右足のシューズがつぶれないようにちょこんと立つことです」(原田プロ)

GD 前回、フィニッシュは静かに止まることで、ミスショットを減らせるという話を聞きました。では、ドライバーを打つ前に素振りをする人が多いと思うんですけど、素振りの段階でもフィニッシュで静止することを意識して、頭の中で飛んでいくボールの行方を追うようにしたほうがいいですよね?

原田 そうしたほうが実際にボールを打つときに力むことが減ると思います。素振りでフィニッシュを静かに止める。いいですね。ぜひやってください。

GD ハーフスウィングのときにフィニッシュの正しい姿勢について教えてもらいましたが、あらためて、フィニッシュのポイントを聞いてもいいですか。

原田 フィニッシュの正しい形は、まず右足のシューズがつぶれないようにちょこんと立つことです。そして、右ひざが左ひざに寄ってくる必要があります。両足のすき間ができないように振り切ることがポイントです。

ドライバーもスタンス幅は狭くする

画像: ドライバーもスタンス幅は狭くする。左つま先がめくれないようにフィニッシュができるとベスト

ドライバーもスタンス幅は狭くする。左つま先がめくれないようにフィニッシュができるとベスト

GD ドライバーもアイアンと同じスタンス幅にすることで、両足を寄せやすくなるんですよね。

原田 そうです。狭めのスタンスのほうが体重移動をしやすくなりますからね。体重移動と体の回転をしたら、両腕をたたんでグリップは左耳の真横に来るまで振り切ることです。

GD 静かなフィニッシュの他にもドライバーショットでミスしないポイントはありますか?

原田 ありますよ。フィニッシュで静かに立つ姿勢と同じく、やはり構えたときの姿勢です。

GD アドレスの姿勢ですね。

肩の真下につま先が来るように構える

画像: ドライバーもアイアンも、クラブの長さが変わっても、肩の真下につま先が来るように構える

ドライバーもアイアンも、クラブの長さが変わっても、肩の真下につま先が来るように構える

原田 ドライバーとショートアイアンは長さが違いますよね。ドライバーは長いから地面に置いたときのシャフトの角度が違うでしょう。ドライバーはアイアンよりもフラットになります。対してアイアンはドライバーに比べたらアップライトになりますよね。そうすると姿勢も変わるんですよね。ドライバーはアイアンよりも姿勢が起きます。姿勢が起きるということは背骨の角度が起きるということです。背骨の角度が起きるとトップでアイアンよりもシャフトがフラットになるんです。だからクラブの長さと姿勢によって軌道はドライバーがフラット、アイアンはアップライトになるわけです。

GD 確かにドライバーはフラットになりますね。ドライバーの正しい姿勢の目安はアイアンと同じですか?

原田 ドライバーの構え方はアイアンと基本的に同じです。私たちがレッスンプロを育成するときのカリキュラムは、正しい姿勢を明確に規定しています。前傾姿勢を取ったときに肩の前面から下に下ろした線はつま先の上にきます。ひざの前から下に下ろした線は足の親指付け根の上にくるのが正解です。ドライバーのアドレスもアイアンと同じように肩の前面から下に下ろした線はつま先の上にきます。ひざの前面から下に下ろした線も足の親指付け根の上にきます。でもね、違うところがあるんです。

ドライバーは前傾する角度を起こす

画像: ドライバーは前傾する角度を起こす

ドライバーは前傾する角度を起こす

GD クラブの長さですね。

原田 そう。クラブの長さによって背骨の角度が変わるので、ドライバーでは前傾している背骨の角度はアイアンのときよりも小さくなります。つまり前傾する角度が小さくなり、姿勢はアイアンのときよりも起きるということです。

GD 確かにアイアンはクラブが短いので、構えたときの前傾角度が深くなりますね。

原田 ドライバーの構えを作ったときにアイアンのように前傾角度を深くしている人は結構多いです。そうすると体の回転、体幹ターンがしにくくなりますし、体重移動もうまくできません。

GD 自分もその可能性がありますけど、深い前傾でハンドダウン気味にドライバーを打っている人はよく見かけますね。

原田 そうでしょう。そういう人はね、自分の背骨の角度がドライバーにしては大きすぎる、つまり前傾が深いことに気がついていない危険性があります。ドライバーの姿勢は自分が思っているよりも起きているくらいの感覚が正しいんです。

ドライバーではひざから太もも、腰あたりを少し伸ばす

画像: ドライバーではひざから太もも、腰あたりを少し伸ばす

GD 言われてみると心当たりがあります。自分もドライバーを打つときはアイアンのときよりスッと立っているつもりでいましたが、意外と前傾角度が深いままだったような気がします。

原田 背骨の角度はアイアンとドライバーで変わっても、姿勢の目安は変わりません。ここが大事なポイントです。ドライバーも肩の前面から下した線とひざの前面から下した線はアイアンと同じところを指しますが、ドライバーではひざから太もも、腰あたりが少し伸びるんです。

GD それは意外でした。自分はドライバーの場合は全体的に体が起きるものと思い込んでいましたので、肩の前面から下した線の行き先も、ひざの前面から下した線もアイアンのときとは変わるというか伸びていいものと思い込んでいました。

原田 そうですか。その考え方は改めてください。アドレス時の肩、腰、ひざ、足の位置関係は不変なんです。ここを変えてしまうと正しいテークバックをはじめとする一連の動きができなくなりますから。これからはこの点もしっかり意識してみてください。これまで出ていたミスやエラーが減っていくと思いますよ。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 都留グリーンゴルフ、梅里CC

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