トラベラーズ選手権で1打差の2位タイに入ったラッセル・ヘンリーの“正しい行い”が話題になっている。第3ラウンドでキャリアベストの61を叩き出したヘンリーが、CBSのMCであるジム・ナンスに語った言葉がゴルフファンの称賛を呼んだ。
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トラベラーズ選手権で1打差の2位タイに入ったラッセル・ヘンリーの“正しい行い”が話題になっている

前日の8番パー3でティーショットを深いラフに打ち込んだ際、テークバックするときにボールがわずか「ディンプル1つ分動いた」と感じた。厄介なライからパーセーブした直後、彼の頭のなかでは「あの場面でボールは確実に動いた」と思ったという。

そこで競技委員と話し合い自ら1罰打を申告したのだ。

「ボールが動いたかどうか確信を持てないことがこれまでに何度かありました。確信が持てなければ無罰でいいのか? それともペナルティを払うべきか葛藤がありましたが、その度に感じたのは罪悪感。もしかしたら動いたかも、と思うたびに耐えられない気持ちになったのです」

だから誰も見ておらずテレビカメラが捉えていたわけでもない深いラフでディンプル1個分ボールが動いたことを自ら申告したのだ。もしその1打がなければ、優勝したキーガン・ブラッドリーと並びプレーオフに進出していたかもしれない。

優勝賞金360万ドル(約5億3000万円)の高額イベントで1打違えばその差は3億円近い。ラウンド中そんなことは考えていなかっただろうが、3億円を失ったかもしれない状況で自己申告した彼は「全く後悔していない」という。

その理由は「観戦していた息子に良い教育の機会になった」こと。ヘンリーには3人の子供がいるが、7歳になる長男ロバート君は脳が炎症により腫れる腫瘍のある状態で生まれた。長年の忍耐強い治療で回復したが、彼は常に子供たちにとって最高の父親でありたいと願っている。ゴルフに興味を持つ息子(下の2人は女の子)に模範を示したかったのだ。

今季アーノルド・パーマー招待byマスターカードで優勝し、目下FedExランク4位と絶好調。目立たないが実は今季のMVP候補のひとりだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年7月15日号「バック9」より

ラッセル・ヘンリーは松山英樹に負けて強くなった?

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