▶80台を出すための考え方と“スティンガー”を打つための準備を解説!【“低く打つ”ができれば80台確実①】

解説/服部公翼プロ
1983年生まれ。USGTF公認ティーチングプロ。ゴルフの専門学校を卒業後、オーストラリアにゴルフ留学。独自の飛距離アップ法をベースに飛ばしの理論を展開。飛距離に特化したレッスンで人気を集める。自身も300Yを超えるショットを放つ
ライナーボールを手に入れる②スウィング
セットップを覚えたらあとは打つのみ。服部プロは“シャフトのしなり”がカギになると。
「シャフトのしなりは、飛距離アップに欠かせないものです。しなり戻りと呼ばれるヘッドの走りが、ヘッドスピードアップや球のつかまりを生むからです。ですが、ライナーボールを打つときは、このしなりをできるだけ抑えたいのです。シャフトがしなり戻るとヘッドは大きく動くのでフェース面が変わりやすく、方向性が悪くなります。シャフトはできるだけ“しならせない”のがコツです。 ライナーボールを打つポイントは4つ。①テークバックはゆっくり上げる。②トップをコンパクトにし、③腕の三角形を維持したまま、④ハンドファーストに打つ。これがつかめれば、ライナーボールは簡単です。
ライナーボールを練習するときは、弾道の方向と高さに注意してください。屋外練習場ならネットの支柱を目安に2本目と3本目の間など、しっかりターゲットを設けましょう。このライナーボールはハンドファースト、フェース面やロフトの管理など、ショットに必要なすべてが含まれています。マスターしておいて損はないですよ」

テークバック いつもよりゆっくり上げる
「ライナーボールはシャフトをできるだけしならせないことが大事。テークバックで勢いをつけるとシャフトがしなりやすいので、いつもよりゆっくり上げるイメージです」
トップ 腕を締めたままコンパクトに
「トップはコンパクトでいいです。しっかりグリップしていれば、腕も締まるため、トップは深くなりにくいはずです。トップを深くする動きはシャフトをしならせる要因にも」
ダウンスウィング 手首、ひじの角度を変えずに下ろす
「グリップをしっかり握ると腕が締まった状態になり、トップで作った手首やひじの角度を変えないまま、ダウンスウィングしやすくなります。腕の三角形はずっとキープです」
インパクト 順しなりのままとらえる意識
「ライナーボールは基本的にリリースしません。手を返さなければしなり戻りが防げますし、ずっとハンドファーストがキープできます。ヘッドが走るような逆しなりは厳禁です」
しなり戻りが大きいほどフェース面がブレる
「ヘッドが走る逆しなり(しなり戻り)はいいことなのですが、方向性重視のライナーボールには必要ナシ。順しなりのままインパクトすれば、フェース面はブレません!」

順しなりを目指す
アプローチやドライバーにも好影響
「低く打ち出せると寄せもティーショットもよくなります」
「ライナーボールは高さを抑えた打ち方でもあります。アプローチではランニング、ドライバーならライン出しのように応用できます。それに方向性を整えてから、徐々に飛距離アップを目指すほうが、上達は格段に早いですからね」

ライン出しの応用
ライナーボールを手に入れる③ティーアップ打ち練習
最後に教えてくれたのがライナーボールを打つドリル。ゴルフの定番、ティーアップ打ちだ。
「アマチュアは知っていてもあまりやらないですよね。ですが、プロはみんなやっています。それだけ効果が高いからです。マットの上で練習すると多少ヘッドがズレて入っても、ソールが滑ってくれるのでボールに当たります。それではミート率の高いライナーボールは手に入りません。ティーアップしたボールをゴムティーに触れることなく、クリーンに打ち抜く。このライナーボールを身につけてください。ティーアップした球が打てれば、フェアウェイバンカー、ベアグラウンド、林の中からの脱出など、どんな状況からでもしっかりミートできます。方向性重視のライナーボールはラウンドで役立ちますし、大きな武器になります。18ホール、終わってみたら80台達成、みたいなことも夢じゃないですからね」
ティーアップ打ちライナーボールの定番ドリル
自分の背丈くらいに高さを抑えるイメージ
「左足体重にし、左1軸を意識します。グリップ、腕を締め、腕の三角形を保ちながらハンドファーストを維持。自分の目線より上に上げないつもりでライナーボールを打とう」

左軸1本で回る→両腕を締めたまま振り下ろす→ハンドファーストでリリースしない→フォローは低くてOK
PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Yasuo Masuda
THANKS/オークラランドゴルフ練習場
※週刊ゴルフダイジェスト7月15日号「ライナーボールを手に入れよう」より一部抜粋