PGAツアーのアジア圏マーケティングディレクター、コーリー・ヨシムラさんによるツアーホットライン。今回は、風の強い日にトッププロが時折見せるスティンガーショット入門。PGAツアーの本拠地TPCソーグラスでディレクターを勤め、数々のプロを指導してきたトッド・アンダーソン氏にレクチャーしてもらった。

スティンガーはタイガー・ウッズが打って一躍有名になった

風が強く地面が硬いリンクスなどで、強い低空飛行で刺すようにターゲットを射止めるスティンガーは、かつてタイガー・ウッズが、強風が吹く全英オープンでスティンガーショットを連発して勝利し、一躍有名になりました。

画像: タイガー・ウッズのスティンガー。写真は2000年1月のメルセデス選手権、マウイ島の海沿いコース、カパルア プランテーションでのドライバーショット

タイガー・ウッズのスティンガー。写真は2000年1月のメルセデス選手権、マウイ島の海沿いコース、カパルア プランテーションでのドライバーショット

スティンガーは、クラブの番手どおりの高さまで上がらず低く飛んでいくため、風の影響を受けにくいのが特徴。通常のスウィングで打った場合よりキャリーの飛距離はやや落ちますが、着弾してから転がるので距離も稼ぐことができます。その打ち方を説明してもらいました。

「通常のショットではインパクトで左の手首を真っすぐにし、体重がかかった左脚の上に胸が乗るイメージですが、スティンガーではインパクトのハンドファーストをやや大げさに行う必要があります。つまり、左手首を真っすぐではなくアーチを描くようにカーブさせます。クラブフェースはあくまでもスクエア。このインパクトを作ることがもっとも重要です」

画像: スティンガーではハンドファーストをやや大げさにしてインパクトを迎える。そのために左手首を真っすぐではなく、アーチを描くようにカーブさせる。ただし、クラブフェースはスクエアのまま

スティンガーではハンドファーストをやや大げさにしてインパクトを迎える。そのために左手首を真っすぐではなく、アーチを描くようにカーブさせる。ただし、クラブフェースはスクエアのまま

スティンガーを上手に打つ3つのポイント

「アマチュアの多くは低い球を打とうとして、ボールを右足寄りに置きすぎる傾向があります。すると左腕とクラブヘッドとの角度が前方に引っ張られ、球は右に飛びやすくなります。スティンガーは右足寄りの球を上からコツンと打つダウンブローとは違います。きちんとしたスティンガーを打つためには、気をつけるべき3つのポイントがあります」

「①ボールを真ん中に置いて構え、シャフトと左手首を前方に傾けてグリップ全体をターゲット方向に押し出すこと。②インパクト時に胸を高く保ち、左脚の上に(胸を)キープすること。③トップで右肩を高く保つことでクラブを思い切って振り下ろす準備を整えること。これら3ステップが球の高さを抑え、落ちてから転がるスティンガーを打つコツです。フォローからフィニッシュにかけて、クラブは低い位置に収まっていきます」

画像: ①ボール位置は真ん中寄り、シャフトと左手首を前に傾けてグリップ全体をターゲット方向に押し込む。②インパクト時に上体を突っ込ませずに、胸を高く保って左脚の上に(胸を)キープする

①ボール位置は真ん中寄り、シャフトと左手首を前に傾けてグリップ全体をターゲット方向に押し込む。②インパクト時に上体を突っ込ませずに、胸を高く保って左脚の上に(胸を)キープする

「いきなりコースで打とうとしても難しいので、まずは練習場で試してみてください。そしてこのテクニックが自分のものになったら風が強い日に実践するのです。効率が良いショットなので試してみる価値は大いにあります」

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号より(Arrange/Mika Kawano)

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