フェアウェイウッドとユーティリティの“境界線”となるのがロフト21度くらい。7Wを入れるべきか、それとも4Uにするべきか……。週刊ゴルフダイジェスト7月15日号ではギアに詳しい堀越良和プロに聞いている。「みんゴル」では2回に分けてご紹介。【2回中2回目】
 
▶ロフトは同じでも結果は別! 7WとUTを使い分けるプロの視点
画像: これでもう迷わない! ロフト21度のクラブは“高さ・抜け・安定感”で選ぶのが正解【同じロフトのウッドとUT、どっちがいい? ②】

解説/堀越良和プロ
豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属

”キャリー”でグリーンを狙うなら7W、あらゆる状況に対応できるのは4U

実際に堀越プロに7Wと4Uを打ってもらい、試打データをもとにどういう違いがあるのかを解説してもらった。

「キャリーや総飛距離も重要ですが、この2本の打ち比べで注目してもらいたいデータは、ボールの『最高到達地点』と『落下角』です。グリーンまでキャリーし、しっかり止まってくれるのは、高さ30ヤードで落下角45度が目安になります。長い距離が残っても今回の結果、7Wであれば十分にキャリーでグリーンを狙えます」

一方で4Uはどうだろうか。

「球の高さはやはり7Wのほうが分がありましたが、総飛距離は7Wとほとんど遜色ない数字で、高さも30ヤード近く出て、決してグリーンを狙うのに適していないクラブではないです。花道を使ってランを出して、グリーンに乗せたい場合は4Uがいいでしょう。何より、今回の試打でも、弾道や方向性の安定感は4Uのほうが優れていたので、例えばドライバーが持ちづらい狭いホールのティーショットなどでは4Uの安定感が実用的な武器になります」

そのほか、ラフやバンカーといったシチュエーションではどちらが適しているだろうか。

「パー5のラフからの2打目などで、グリーンまで距離が残るものの、なるべく飛距離を稼ぎたい場面では、ヘッドの小さい4Uがラフからのクラブの抜けがいいのでおすすめです。7Wでもライによっては打てなくはないですが、ミスショット回避を優先するなら4Uがいいです」

クロスバンカーからの場合はどちらのクラブが適しているのか。

「バンカーからの状況だと、よりクリーンにボールにコンタクトすることが求められます。クラブの長さがある7Wより、クラブが短く、アップライトな軌道になる4Uのほうが上からクリーンにボールをとらえるのには適していると言えるでしょう」

今回の結果を参考にすれば、より適切な21度のクラブ選択ができるだろう。

7Wと4Uを実際に打ってみた

画像: 7Wと4Uを実際に打ってみた

7W
今回の試打で注目すべき最高到達地点と落下角を見れば、7Wのほうが高い弾道で、グリーン上にボールを止めやすいことがわかった。加えて、同じロフトではあるが、クラブが長く、キャリーも総飛距離も7Wのほうが出ており、なおかつ、スピン量も多く、グリーンを狙いやすいクラブといえるだろう。

製品名キャリー総飛距離スピン量最高到達地点落下角
GT2 7W(21度)193.7Y206.9Y4540rpm30.9Y45.1度
トラックマンで計測し、各5球打った平均値

4U
球の高さは7Wに比べると弾道は低めで強い球が出ていた。キャリー、総飛距離はほぼ同じくらいだったが、方向性と弾道の安定感では4Uのほうが優れていた。クラブが7Wよりも短いため、ボールへのコンタクトがしやすく、アドレスをした時の構えやすさも4Uのほうが優れているといえるだろう。

製品名キャリー総飛距離スピン量最高到達地点落下角
GT2 4U(21度)189.6Y205.8Y4200rpm29.5Y42.8度
トラックマンで計測し、各5球打った平均値

こんなシチュエーションはどっちがいいの?

ティーショット

狭いホールのティーショットでは、飛距離よりも方向性を重視しなければならないシチュエーションなので、この場合は方向性に優れる4Uがいい。球が高く上がる7Wに対して、中弾道の4Uはアゲンストにも強く、風の影響を受けにくいというメリットもある。

画像: 曲げたくない狭いホールでは4Uがいい

曲げたくない狭いホールでは4Uがいい

グリーンを狙うショット

キャリーでグリーンを狙いやすいのは高さが出てスピン量も多い7Wだろう。4Uの場合はグリーンの手前に花道が開いていれば問題ないが、グリーン手前にバンカーや池などがある場合は7Wのほうが有利。ただし、方向性だけなら4Uのほうが出しやすい。

画像: グリーンに止めたいなら7Wがいい

グリーンに止めたいなら7Wがいい

ラフ

ヘッド体積の小さい4Uのほうがクラブの抜けが良く、ラフからのショットでは役立つだろう。7Wの場合は“抜けづらさ”やラフが深い場合にクラブが下をくぐってしまうリスクが伴う。ラフの場合はより確実にミートしやすい4Uがおすすめだ

画像: ヘッド体積が小さめの4Uがいい

ヘッド体積が小さめの4Uがいい

バンカー

グリーンまで距離が残るバンカーでは確実にボールにコンタクトして距離を稼ぎたい状況なので、クラブが短い4Uのほうが球をミートしやすくなり使いやすい。ラフのときと同様にミスを回避する観点でも4Uがいいだろう。

画像: クラブが短く上から打てる4U がいい

クラブが短く上から打てる4U がいい

PHOTO/ Yasuo Masuda 
THANKS /クレアゴルフフィールド
※週刊ゴルフダイジェスト7月15日号「7Wと4U、どっちがいいの?」より一部抜粋

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