パターグリップの中でも変則的である「アークロック」と「クローグリップ」の効果について、ゴルフイラストレッスンでお馴染みのプロゴルファー・大谷奈千代に、イラストを交えて詳しく解説してもらおう。

変則グリップの効果

パッティングは順手で握ることが一般的ですが、最近では自分に合った握り方をしている選手が多くなってきました。

ここ数年の間で良く見かけられるようになったのが、アームロックやクローグリップです。握り方に特徴があるので、ご覧になったことがある方も多いはず。

画像: 変則的なパターの握り方、アームロックとクローグリップのメリットを解説!

変則的なパターの握り方、アームロックとクローグリップのメリットを解説!

そんな変則グリップの効果についてご質問をいただきましたので、今回はゴルフイラストレッスンで解説していきましょう!

握り方は様々でも、その工夫にある目的はただ一つ! それは『手首を使わない』ことです。

まずはじめにやさしいと評価されているパターの構え方は、胸にグリップをつけたままストロークする長尺や中尺で使用されていたアンカリングと言われています(イラストA左)。

画像: イラストA:アンカリング規制によって採用され始めたのがアームロック。いずれも手の動きを抑えてストロークができる

イラストA:アンカリング規制によって採用され始めたのがアームロック。いずれも手の動きを抑えてストロークができる

アンカリングは、パターの一部を体の特定の場所(胸など)を支点にしてストロークを行うので、手を使わず体幹(胸椎)を使ったストロークが可能になる構え方でしたが、2016年のルール改正で禁止になりました。

アンカリングが規制されたことで、採用され始めたのがアームロック式パッティングスタイルです(イラストA右)。アームロックはブライソン・デシャンボーなどの多くの選手が採用しています。

アームロックは、左腕をスッと伸ばしグリップエンドを左肘の下や前腕の内側につけて腕とパターを一体化させて構えることで手の動きを抑える効果のあるストロークが可能になります。

アームロック式はクラブを握っている手を体の一部に固定していることにならないので違反にはなりません。肘を伸ばすメリットは、腕を伸ばしているほうが腕と体の運動量を合わせやすくなることにあります。

さらに手を使いすぎることを阻止する構え方として採用されているのがクローグリップです。

クローグリップは右手の使い過ぎを抑える効果があります。細かいことでなかなか気がつきにくいのですが、順手で握ると右肩が下がるのでインサイドに上がりやすくなったり、始動で右手首を使いやすくなってしまいます。

画像: 順手で握ると右肩が下がってインサイドにヘッドが上がりやすい。また右手首も使いやすい形になる

順手で握ると右肩が下がってインサイドにヘッドが上がりやすい。また右手首も使いやすい形になる

こういったことから、プッシュアウトのミスが多く、ヘッドをインサイドに引いてしまいがちな方におすすめしたいグリップです。

イラストBのように右手の甲をターゲットと平行にして構え、親指と人差し指でグリップを挟むように握り、そのままストロークします。

画像: イラストB:左手は一般的なグリップのように握り、右手は親指と人差し指でグリップを挟むように握るのがグローグリップ。右手の動きを抑える効果があり、シャフトに沿って右手首をまっすぐ構えることでインサイドにクラブが上がりにくい

イラストB:左手は一般的なグリップのように握り、右手は親指と人差し指でグリップを挟むように握るのがグローグリップ。右手の動きを抑える効果があり、シャフトに沿って右手首をまっすぐ構えることでインサイドにクラブが上がりにくい

ポイントは手首の角度です。この場合はシャフトに沿って右手首をまっすぐ構えることでインサイドにクラブを上げにくくする効果があります。

もちろん、アームロックに、クローグリップのセットで構えている選手もいます。どちらも手首を使えない構え方なので、手首を使っていた方は、ヘッドを動かさずに上体を動かすショルダーストロークが必要になります。

慣れが必要ですが、ショートパットで特に効果を感じやすい(まっすぐ転がりやすい)のでご興味のある方は是非お試しください!

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