数多くのモデルがあり、さらにはロフトのバリエーションも増えている現代FW事情。どうすれば、自分に合ったFWが見つかるのか? 「月刊ゴルフダイジェスト」9月号では、プロやクラブフィッターとともにじっくり考えている。「みんなのゴルフダイジェスト」では、各番手の役割、考え方についてご紹介する。
画像1: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

福永和宏プロ

レギュラーツアー時代は9Wまで入れていたほど、FWに思い入れがある56歳。FWの選び方、使い方を解説

FWに何を求めるのかでモデル、番手が決まってくる!

FWの出番はどこ? そこから整理しよう

画像: 「同じ番手でも『ELYTE』のほうが前進力が強く『G440 MAX』のほうが上がりやすい。そんなモデルの特性をしっかり見極めたいですね」(福永プロ)

「同じ番手でも『ELYTE』のほうが前進力が強く『G440 MAX』のほうが上がりやすい。そんなモデルの特性をしっかり見極めたいですね」(福永プロ)

地べたから飛ばしたい、球を上げたい、方向を出したい、傾斜やラフからも打ちたい――。

FWに求めることは、人によって、番手によってさまざまだ。

「まずは番手ごとに使う状況を認識しておきましょう。そのうえで『こういう顔が構えやすい』『もっとこうしたい』という要望に見合うモデルを探していく。そんなFWが、より心強い武器になるはずです」(福永プロ)

「FWは飛ばすものじゃない。ボールを置きにいくものなんです」

「FWというと『地べたからできるだけ飛ばしたい』クラブと思っている方が多いのですが、本来は『番手なりの飛距離でボールを運んで置きにいく』クラブ。だからスコアにつながるんです」(福永)

「各番手が使える状況、こんなふうに考えてます」(福永プロ)

画像2: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

9W(24度)「FWバンカーからでもグリーンを狙えます」

クラブが短くて当てやすく、ロフトが寝ていて球が上がる。傾斜やラフから打ちやすいだけでなく、FWバンカーからでも球の高さを出しやすくてグリーンを狙えます。

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7W(21度)「左足下がりからでもボールを上げられます」

打ち出しが高い番手なので、左足下がりからでもキャリーを出しやすいです。同じロフト帯のUTよりもクラブが長いので、球が上がりやすくて距離も出せます。

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5W(18度)「少々のラフからでもボールが浮いてくれます」

少々の傾斜やラフでも、ロフトがそれなりにあるので球が上がりやすいです。ラフにあるボールの手前にヘッドを置いたとき、手前の芝が寝てボールがある程度見えれば使えます。

画像5: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

4W(16.5度)「やや傾斜のライからでも対応できるのが16.5度」

15度に比べると大分やさしくて、ちょっとしたつま先下がりなどの傾斜地からでも球が浮きやすいです。長いクラブほど、ロフト1.5度の差は大きいものなんです。

画像6: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

3W(15度)「飛距離を出せますが条件が整わないと難しい」

クラブが長くてロフトが立っているので当たれば飛びますが、『フラットでいいライのフェアウェイ』という条件がそろわないと、ミスショットの可能性が高くなる番手です。

番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

FWを活用してスコアをつくる女子プロたちのこだわりを調査。さらにギアに詳しいノリー堀口コーチがスウィングとの相性を解説!

「9Wはラフからでもボールを上げられます」(永峰咲希)
「9Wを初めて入れた理由はラフが長くなってきたから。ソール幅があるぶん滑ってくれて球を高く上げられるようになりました。3Wはレイアップなどで使うことがあるので、ランはあまり欲しくありません」

画像1: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!
1W(10.5度)3W(15度)7W(21度)9W(24度)5UT(25度)
230Y210Y200Y190Y180Y
Qi35 LSQi35Qi35Qi35Qi10
永峰咲希のウッドセッティング

ノリ―さんCheck
永峰選手はシャフトをしならせない締まったスウィング。走り系のシャフトだと暴れやすくなってしまうので、安定感重視のヘッドとシャフト選びというイメージです。3Wから9Wまでグリーンを狙いたいのでしょう。

画像: SPEEDER NX GREEN

SPEEDER NX GREEN

画像8: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「クラブではなく自分のスウィングでつかまえたい」(佐久間朱莉)
「振りやすさを最も重視していて、まず顔を見て、振ってみて決めるようにしています。私は『G430』のほうが振りやすいですね。「G440」はロフトが寝ている感じで、球がつかまるように見えました」

1W(9度)3W(15度)5W(18度)4UT(22度)
240Y215Y205Y185Y
G430 MAX10KG430 MAXG430 MAXG430
佐久間朱莉のウッドセッティング
画像2: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
佐久間選手はゆったり上げて、切り返しから一気に体重をボールにぶつけていくスウィング。“タメ”を大きくつくっていくタイプなので、少し動きのあるシャフトで“しなり、戻り”を生かして、球の高さを出していますね。

画像: Regio Formula M+

Regio Formula M+

画像9: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「7Wで180Yを打つと高さが出てグリーンに止まる」(新垣比菜)
「7Wは球がしっかり上がって、グリーンに止まるものがいいです。上の番手は安定感も大事なので、3Wではなく上がりやすい3HLに。その『Qi35』は、顔と上がりやすさが一番気に入ってます」

画像3: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!
1W(10.5度)3HL(16.5度)5W(18度)7W(21度)7W(21度)
220Y200Y190Y180Y165Y
Qi35 LSQi35Qi35Qi35Qi35 MAX
新垣比菜のウッドセッティング
画像: SPEEDER NX VIOLET

SPEEDER NX VIOLET

ノリ―さんCheck
『NX バイオレット』はトルクを抑え、全体的に締まってブレにくいのが特徴です。ヘッドで距離を、シャフトで安定感を出している印象。新垣選手のスウィングはオーソドックスで、シャフトとヘッドの性能を生かせます。

画像10: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「距離を稼げる3Wコントロールできる5W」(脇元華)
「3Wは初速が速めなので、自分で飛ばしにいかなくてもしっかりと飛んでくれる。5Wはやさしさもありつつ、高さのコントロールができます。この3Wと5Wのバランスを大事にしています」

1W(10.5度)3W(15度)5W(17.5度)4UT(22度)
230Y210Y200Y180Y
Qi10 LSQi35G425 MAXG425
脇元華のウッドセッティング
画像4: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
3Wは飛ばし重視で鉛をフェース側に貼ってシャフトは走る仕様にしていますが、5Wはコントロール重視のシャフトに。トップが高めで“タメ”があるので、飛距離重視の3Wでも高さを確保できると思います。

画像: 3W:SPEEDER NX BLACK/5W:SPEEDER TR

3W:SPEEDER NX BLACK/5W:SPEEDER TR

画像11: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「スピン性能と安定感を5Wには求めています」(大里桃子)
「5Wはパー3のティーショットでも使う可能性があるので、スピン性能と安定感を求めています。あと、狙うクラブなので据わりのいいモデルが好きです。3Wは飛び重視のモデルに替えました」

1W(9度)3W(15度)5W(17.5度)4UT(22度)
245Y220Y200Y180Y
G430G440 MAXG425 MAXG410
大里桃子のウッドセッティング
画像5: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
大里選手はインパクトの感覚が強いスウィングで“当て感”の良さが見て取れます。球の高さはシャフトで出して、ヘッドの性能でコントロールしている感じ。“当て感”がいいからこそ、しなるシャフトも合うのでしょう。

画像: Diamana WS

Diamana WS

画像12: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「3Wは飛距離も欲しい7Wは高さを出したい」(山内日菜子)
「顔を重視してFWを選んでいて、どちらかというとシュッと締まっているモデルのほうが好き。3Wは飛距離も出したいし、7Wは高さを求めていますが、ヘッドは変えずにシャフトを変えています」

1W(9度)3HL(16.5度)7W(21度)4UT(23度)
230Y210Y190Y175Y
Qi35Qi35Qi35Qi35 MAX
山内日菜子のウッドセッティング
セル種別
  # 見出しセル
  | 値セル
  
セル修飾
  |(comment)   コメント (無視される)
  |*   マーキング (.marked)
  |<  |=  |>   左寄せ, 中央寄せ, 右寄せ
  |~  |-  |_   上揃え, 中揃え, 下揃え
  |/   自動折り返し(最小幅 : 10文字幅)
  
  (無指定では左寄せ、中揃え、自動折り返しなし)
  
  例)
    #=~   中央寄せ、上揃えの見出しセル
    |*>_/ 右寄せ、下揃え、マーク付き、自動折り返しの値セル

セルの結合
  | 右セルと結合 :
  | 右2セルと結合 ::
  |^ 上セルと結合

行区切り
  ---
  === (二重線)

特殊文字のエスケープ
  セル値内に #, |, --- など、セルの最後に : を入れたい場合は頭に \ をつける
  
  例)
    # 見出しセル内に「\#」を入れる
    | セルの最後に : を入れたい ::\:

キャプション (最上部か最下部のみ)
  [[ キャプション ]]
  [[< 左寄せキャプション ]]
  [[= 中央寄せキャプション ]]
  [[> 右寄せキャプション ]]

  (無指定では左寄せ)

例)
[[= 上キャプション中央寄せ ]]
#=     #=   A   #=    B    #=   C   #=   D    #=  E  #=  F    ---
#= \#1 |>   123 |>     456 |>   789 |=   --   |>       1,234: ---
#= \#2 |> 3,456 |*> -7,890 |> 1,234 |^        |  456 |> -123 
=================================================================
#= SUM |> 3,579 |*> -7,434 |> 2,023 |= \-\-\- |>       1,567: ---
x
画像6: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
沈み込みが深くて体重移動が大きい、体全体で振るタイプの山内選手。しなるけどトルクを絞ったシャフトを3HLに入れて球の高さを維持して、高さが出る5Wはより締まったシャフトを挿しているのでしょう。

画像: 3W:SPEEDER NX VIOLET/5W:SPEEDER NX GREEN

3W:SPEEDER NX VIOLET/5W:SPEEDER NX GREEN

画像13: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「直進性が高いスプーン、高さで狙えるクリーク」(政田夢乃)
「5Wはグリーンを狙うことが多いので高さを重視、3Wは球が前に行くモデルを選ぶようにしています。顔はすっきりしたタイプが好み。シャフトはドライバーと同じような系統です」

1W(9度+)3W(15度)5W(18度)4UT(21度)
225Y205Y195Y185Y
ELYTE ♦♦♦ TDELYTEELYTEマーベリックMAX
政田夢乃のウッドセッティング
画像7: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
円弧を大きく描いてHSを上げていくスウィングの政田選手は、しなり戻りが必要だからこそ“赤系”を使っているのだと思います。「ELYTE」は初速が速いぶん高さが出にくいですが、シャフトでカバーしています。

画像8: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!
画像14: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「自分の強み=飛距離を生かせるFWを使ってます」(入谷響)
「3W、5Wともに大事なのは飛距離。自分の強みである飛距離を生かせるクラブを選んでます。好みはつかまり顔でボテッとしていないこと。いつも通りのスウィングでイメージした弾道を描くクラブが◎」

1W(9度)3W(15度)5W(18度)4UT(22度)
250Y220Y210Y200Y
ZXi LSZXiZXiZXi
入谷響のウッドセッティング
画像9: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
「超ダイナミックなスウィング」という表現がピッタリの入谷選手。だからこそ“棒”のようなシャフトを使って、暴れるのを防いでいるのだと思います。自分の力でシャフトをしならせていくイメージでしょう。

画像: Diamana WB

Diamana WB

画像15: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「球が上がりやすくて“距離の階段”が整います」(蛭田みな美)
「4Wも7Wも、球の上がりやすさを最も重視しています。4Wと7Wにしているのは、番手間の距離差がそろうから。3Wではなく4Wを入れる理由は、球の高さがカンタンに出せるからです」

1W(9度)4W(17度)7W(21度)5UT(26度)
230Y210Y190Y175Y
G440 LSTG440 MAXG440 MAXG440
蛭田みな美のウッドセッティング
画像10: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
4Wと7Wというロフトがある番手で高さを出して、動かないシャフトを使うことで安定感を高めています。「G440 MAX」は飛距離が出やすいからこそ、シャフトのしなりがなくても飛ばせるのでしょう。

画像11: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!
画像16: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「GT1は安心感があって高さが出るし抑えも利く」(臼井麗香)
「高さがしっかり出つつ吹き上がらないモデルを選んでいます。それでいて、しっかりラインを出していけるもの。「GT1」は安心感もありつつ、球がしっかり上がって抑えも利く。これがいいんです」

1W(9度)3W(14.5度)5W(18度)7W(21度)7W(21度)
230Y210Y200Y190Y170Y
GT3GT1GT1GT1T200
臼井麗香のウッドセッティング
画像12: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
男子顔負けの上からバチッと入れるスウィング。だからこそ動きの少ないシャフトを入れて、球の高さは「GT1」の特性でカバーしているのでしょう。同じモデルでそろえているのは顔のこだわりも強いのかも。

画像: Diamana DF

Diamana DF

画像17: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「飛距離も欲しい3Wは球が上がりやすい16.5度」(岸辺桃子)
「とくに5Wはグリーンを狙うこともあるので、高さを重視しています。3Wはティーショットでも使うので飛距離も欲しい。でも、普通の3Wだと難しいこともあって「HL」の16.5度にしています」

1W(10.5度)3HL(16.5度)5W(18度)4UT(21度)
220Y205Y190Y175Y
ELYTE XELYTEELYTEELYTE
岸辺桃子のウッドセッティング
画像13: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
シャフトはしっかり系で、ロフトで高さを出しています。オーソドックスなスウィングながらもシャフトは動きにくいモデルにして、自分のスウィングで球を操っていきたいという意思が伝わります。

画像14: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!
画像18: 人気女子プロ12人のFW選びの“こだわり”とは? FWに詳しい徳永和宏プロに選び方を聞いた

「球の高さが出ながら吹き上がらず前に飛」(稲垣那奈子)
「けっこう球が吹き上がりやすいタイプなんですが、このFWだと吹き上がらずに強く前へ球が行くし、高さもしっかり出るんです。加えて“右ペラ” がなくて、距離も出てくれるクラブを選んでいます」

1W(10.5度)3HL(16.5度)5W(18度)4UT(21度)
220Y205Y190Y175Y
ELYTE XELYTEELYTEELYTE
稲垣那奈子のウッドセッティング
画像15: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

ノリ―さんCheck
スウィングで“タメ”を大きくつくり、シャフトのしなり戻りでタイミングを取っているのがわかります。シャフトで球の高さを稼いで、ヘッドの性能で前に行くエネルギーを出しているのでしょう。

画像16: 番手ごとの“明確な役割” をしっかり考えている!

取材・文/新井田聡 
写真/有原裕晶、姉﨑正 
イラスト/庄司猛 
協力/鹿野山ゴルフ倶楽部 ユニオンゴルフ

※月刊ゴルフダイジェスト9月号「スコアをつくるFW大図鑑!」より一部抜粋

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後編ではヘッドスピード別、番手別の弾道や距離の違い、国内外の人気ブランドの特長をまとめている。続きはMyゴルフダイジェスト、月刊ゴルフダイジェスト9月号にて掲載中!

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