積み上げてきたカーボンテクノロジーをさらにブラッシュアップさせ、ヘッド慣性モーメントを10K(テンケイ)にまで到達させた前シリーズ『Qi10』。ミスヒットに強く、そして飛ばせるドライバーに進化し、コリン・モリカワやローリー・マキロイといった名だたるプロがこぞってスイッチし話題となりました。今回は後継となる『Qi35』シリーズの中でも、最上位モデルにあたる『LS』を紹介します。今モデルの特徴はソール面の後端、フェース側のトウ側・ヒール側の計3つのウェイトが搭載されていることで、幅広い弾道にカスタマイズすることが可能になりました。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「前モデルとデータを比較すると大幅な変更が見られないものの、これがテーラーメイドにとって現時点での最適解と考えられる」と分析。前モデルの『Qi10 LS ドライバー』と比較しながら考察してみた。

縦長洋梨の“テーラーメイド顔”を継承

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打及び計測ヘッドが10.5度、シャフトは「DIAMANA SILVER TM55 」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

460㏄でありながらアドレスした時にスッキリした印象を与えてくれる小ぶりな洋梨顔をしている

クラブ長さが45.13インチとクラブ重量が302.7グラムと共に標準的です。スウィングウェイトがD0.7とやや小さめに抑えられているので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが289万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが44m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

『Qi35』シリーズになりヘッドのクラウン部の色がグレーになり、フェース面が青から黒に変わりました。そして兄弟モデルの「標準」、「MAX」はヘッドの輪郭形状が丸型になりましたが、「LS」だけは従来の「縦長形状」が継続されています。長年のテーラーファンにとっては、この形状が見慣れているのではないでしょうか。

実際に試打したところ、アドレスでは前モデルと同様にオープンフェース設定で、ライ角もフラットなので、ボールがつかまり過ぎる感じはなく、ヘッドの後方が高いハイバック形状によりインパクト付近をレベルにスウィングしやすいイメージが出ています。

画像: ヘッドの後方が高いハイバック形状。レベルにスウィングすると厚いインパクトができる

ヘッドの後方が高いハイバック形状。レベルにスウィングすると厚いインパクトができる

試打シャフトはややしっかり感があり、インパクトが安定しており、ヘッドスピードが42〜43m/sくらいのゴルファーでも十分扱えそうです。

『Qi35 LS』は大きなヘッドの慣性モーメントを目指した設計にはなっていません。一方である程度の操作性を維持しながら、低スピン弾道が打ちやすいのが特徴で、兄弟モデルとは一線を画した設計です。また上手くミートできれば3種類の中では飛距離性能が一番高いモデルでしょう。

画像: 他にも今モデルはウェイト(赤丸)の数が増えたことでカスタマイズの幅が広がった

他にも今モデルはウェイト(赤丸)の数が増えたことでカスタマイズの幅が広がった

ヘッドの重心位置が前モデルと同様にフェースのトウ寄り設計のフェードバイアスヘッドになっているのも大きな特徴です。

※週刊ゴルフダイジェスト7月29日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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