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ブリヂストン『B-Limited BX1★TOUR』ドライバー(9度)、シャフト『VENTUS BS6Ⅱ』(Flex S)
まず『B-Limited BX1★TOUR』の特長とスペックを紹介。
「ヘッド体積は445cc。ロフトは9度のみの展開になります。ヘッドスピードが速いユーザー向けのフィッティング専用モデルで、清水大成プロなどブリヂストンの契約プロがテスターを務め、特にヘッドスピードの速い若手のプロが実戦で使えるようなヘッドシェイプとなっています。ヘッド構造としては『BX1 LS』同様にクラウンのたわみ過ぎを抑制し強弾道を追求するスパインスタビライザーを搭載しているということです」(小島プロ)
次に、見た目をチェックしていこう。
癸生川: ヘッドは小さくてディープフェースだね。フォルムは縦長というより丸っぽい印象です。ロフト9度の割には、構えた時にフェース面がけっこう見えます。難しそうには見えるんだけど、ヘッドが小さいからダウンスウィングでスポーンと振りぬきやすそうな感じはあります。
フィッティング専用モデルということで、シャフトは本来、試打をする癸生川プロに合わせたモデルを用意するのがいいのだが、今回は『BX1 LS』で使用したシャフト『VENTUS BS6Ⅱ』(Flex S)で試打した。なお、試打で使うボールはタイトリスト『PRO V1』。では、試打スタート!
■HS45m/s前後でセンターヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.8m/s
ボール初速●68.3m/s
打ち出し角●12.0度
スピン量●2513rpm
降下角●31.8度
キャリー●257.2Y
飛距離●289.9Y
打ち出し方向●0.4度左
スピンアクシス●1.4度左
SIDE●8.1Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●4ミリトウ
Vインパクト●3ミリ高

HS45m/s前後でセンターヒットしたときの試打データ(上がトラックマン4、下がGCクワッド)
打感と弾道をみての二人に感想は?
癸生川: 球が上がらない感じはそんなにしないんだけど、それってシャフトだと思う。もう少ししっかりしたシャフトだったら上がらないと思う。
小島: 確かに『BX1 LS』よりも上がりますね。低めだけど、しっかり落下の角度が30度は超えている。重心位置が関係しているのかもしれませんね。
癸生川: インパクトの音が高いよね。選手の要望を聞いてそういう設計になったのかも。
小島: 確かに、ツアー選手の好みが盛り込まれている感じは強いですね。
▼小島プロのデータ分析
クラブスピードに対するボールスピードの割合は悪くないです。打ち出しの高さは12度、スピン量は2513rpmです、全然良いですよね。落下の角度は31.8度で低めですが充分だと思います。打ち出し方向は左に0.4度でほぼ真っすぐで、そこからアクシスがわずかに1.4度左に傾いて、8.1ヤード左に着弾したという弾道です。最適スピード帯としては45m/sで十分に機能すると思います。
■HS45m/s前後でトウヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●45.3m/s
ボール初速●63.8m/s
打ち出し角●11.8度
スピン量●2914rpm
降下角●29.8度
キャリー●236.5Y
飛距離●267.8Y
打ち出し方向●4.9度右
スピンアクシス●4.7度左
SIDE●7.6Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●31ミリトウ
Vインパクト●5ミリ低

HS45m/s前後でトウヒットしたときの試打データ(上がトラックマン4、下がGCクワッド)
打感と弾道を見ての二人の感想は?
癸生川: フェースがかなり開くね、シャフトが軟らかいせいもあると思うけど。
小島: 31ミリも先に当たるとボールスピードも落ちますし、球もグニャンっとなるんだろうなと思います。
癸生川: 感触は良くないですね。グリップまでズレる感じがある。
小島: それでも打球がフェアウェイの範囲内にあるのがこのクラブの特長でしょう。
■HS45m/s前後でヒールヒット
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.5m/s
ボール初速●62.4m/s
打ち出し角●10.6度
スピン量●4599rpm
降下角●31.0度
キャリー●216.4Y
飛距離●243.1Y
打ち出し方向●6.2度左
スピンアクシス●15.6度右
SIDE●9.3Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●28ミリヒール
Vインパクト●10ミリ低

HS45m/s前後でヒールヒットしたときの試打データ(上がトラックマン4、下がGCクワッド)
打感と弾道を見ての二人の感想は?
癸生川: あそこまで(28ミリ)ヒールに当たると、トウに31ミリのときと同様にグリップもズレちゃうから、感触は良くないよね。それでも幅に納まっているんでしょ。
小島: はい。これはすごいことですよ。
▼センターヒット、トウヒット、ヒールヒットの結果を小島プロが比較・分析
●ボールスピード
「トウもヒールも初速は落ちる割合が大きい」
トウは31ミリ、ヒールは28ミリとかなりのズレ幅なので、ボールスピードはトウで4.5m/s、ヒールは5.9m/s、センターヒットの数値より落ちています。ミスヒットによるボール初速の落ち具合が4m/s以上落ちるということはあまりないことなので、この初速の落ち方は相当大きいと言っていいでしょう。
●スピン量
「ヒールヒットはスピン量がかなり多くなる」
トウヒットの時にスピン量が若干増えたのは打点が5ミリ下で当たったからです。ヒールも10ミリ下に当たっているのでスピン量は増えるのですが、それにしても4599rpmは多いですね。下に当たったことを考慮したとしても上下の打点ズレがなくても3600~3700rpmくらいになる。ヒールヒットはそれくらいスピン量は変わります。
●打ち出しの角度
「そんなに高い弾道にはならない」
スピン量が4599rpmもあるのに、ヒールの落下の角度は31度しかありません。つまり、そんなに高い弾道にはならないということです。
●飛距離
「ヒールヒットは45ヤードもトータル飛距離が落ちる」
スピン量がかなり増えたヒールヒットはキャリーがセンターヒットよりも約40ヤード落ちましたし、トウでも約20ヤード落ちています。トータルの飛距離はヒールヒットは約45ヤードもセンターヒットよりも落ちてしまいます。
●左右の曲がり幅
「芯を30ミリ外してもフェアウェイ真ん中付近に球がある」
トウに31ミリ、ヒールに28ミリ外しても、驚くことにボールが散らないということで、フェアウエイの真ん中付近にボールが戻ってきているんです。これはこのヘッドの特長かなと思いますね。
■結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)
今回試打をしたブリヂストン『B-Limited BX1★TOUR』ドライバー(9度)のお勧めゴルファー層は?
癸生川: ミスヒットしたときの飛距離ロスが大きいので、ある程度、球を芯で打てて、かつヘッドスピードが45m/s以上出せるプレーヤー。そして、ヘッドの小さなドライバーの発売を待っていた人には待望の1本かなと思います。
小島: 小ぶりのヘッドが好みの人で、ツアーモデルが好きな人。そして球がある程度上がって、ヘッドスピードが速いという人は、このクラブはフィッティング専用のクラブなのでシャフトをいろいろ入れ替えながらトライしてもらうといいと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、ブリヂストン『B-Limited BX1★TOUR』の特性や最適スピード帯の割り出しなど、より深い性能チェックもやっているので、詳しく知りたいという人はそちらもぜひご視聴を。
▶【飛距離or方向性】ミスると45Yロス!?でも曲がらない!ブリヂストン『B-Limited BX1★TOUR』をプロが検証
THANKS/アコーディアゴルフ技術研究所