一番大事なのは「体の回転を止めないこと」
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフ雑誌にはいろいろな記事がありますが、僕が気になるのはどうしても「飛ばし」の記事なんですよね。やっぱちょっとでも飛ばしたいじゃないですか。週刊ゴルフダイジェスト8/19・26合併号に「トンデモナイ飛距離が出るアッパーカット打法」という記事がありました。本当にトンデモナイ飛距離が出るのでしょうか。試してみることにしました。

週刊ゴルフダイジェスト2025/8/19・26合併号で特集されていた「アッパーカット打法」を実践!
この記事で指導してくれているのは内山遥人プロです。現時点で平均飛距離は318.81ヤード、飛ばし屋の河本力プロと並び、男子レギュラーツアーでドライビングディスタンス1位タイに輝いています(※編注:2025/8/12時点)。
内山プロはアッパー軌道で飛ばしているわけですが、まず一番大事にしていることは、体の回転を止めないこと。回転し続けることによってフェードで飛ばしているということです。そのためのアドレスが、まずは回転力を促すために肩はややオープンに構えること。
そしてスタンスはほんのりクローズ。こうすることでボールがつかまる要素を入れているということです。体の回転が止まって引っかけないように、左足つま先を少し開いておくこともポイント。
あとは自然にアッパー軌道になるように、ボールからヘッドを少し離してセットします。これは意図的にアッパー軌道に振ろうとするとヘッドが下から入ってあおり打ちになってしまうからだそうです。

肩はオープンに構え、スタンスは少しクローズで、ヘッドとボールを少し離してアドレスする
そしてスウィングは手先の動きではなく体の大きな部分を使います。具体的には体の左サイドを使うということらしいです。内山プロは左腕も含めた体の左サイドをアドレスの形から何も変えずに振っているというイメージだそうです。ヘッドを走らせる意識は全くないのだとか。左腕とクラブを一体化させて動かすという感じですね。

左サイドを意識して、左腕とクラブを一体化させて動かす
左サイドを意識して振るためには、右手に力が入らないようにすることも大事です。そのためには両手をツメツメにくっつけて握ること。右手の親指と人さし指の間から左親指が突き出るくらいに詰めて握るんです。こうすることで左右の手が一体化してシャフトを長く使えるということなんです。もちろん右手に力を入れず、添えるだけのような感じにして、左手一本で振るというイメージも大事。それができればインパクトで体とクラブが引っ張り合い、遠心力を生かして飛ばすことができるということです。イメージとしてはハンマー投げのような意識なのだとか。

グリップは左親指が見えるくらいにツメツメに握る
インパクトでは右足重心で回転をするイメージだそうです。ダウンスウィングでは左足に踏み込んでいくのですが、インパクトの直前に今度は右足で地面を踏むように使うんです。そうするとハンマー投げみたいにヘッドと体が引っ張り合う形になるんですね。左から右に少し戻りながら打つというイメージ。

ダウンスウィングでは左に踏み込み、インパクトでは右足で地面を踏むようにする。左から少し右に戻るイメージ
またインパクトの直前に左肩を後方の上方へ引き上げるようにすると、フォローでさらにヘッドが加速するそうです。胸ではなく、肩を縦に上下させる動きにすれば、クラブを常に体の正面でさばくことができるということなんです。

肩を縦に使い、左肩を後方の上方に引き上げるように使う
これらを踏まえて、実際にドライバーショットをしてみました。まずアドレスに関しては、肩が少しオープンでスタンスクローズというのが、あまりやったことがないので多少の違和感がありますね。グリップも僕はあまり両手を詰めて握らないので、これもかなり違和感あり。
スウィングは左腕とクラブを一体化させて振りますが、これは確かに肩からヘッドまでが全部クラブというような意識になって、スウィングアークが大きくなる感じがします。そしてツメツメに握ったグリップも遠心力が生かせる感じがして、ヘッドスピードが上がると思いました。
そして問題は左に踏み込んでから右に戻るという動き。これがなかなか難しい。何度も試してみましたが、あまり意識すると動きがおかしくなるので、インパクトの時に右足をベタ足にする感じで、少しだけ右足体重で打つくらいのイメージがいいのかもと思いました。何も考えなくても元々ダウンスウィングでは勝手に左に乗っていくので、そこで右足を浮かさないようにすれば、少し右に戻るような気がします。
アッパー軌道もあまり意識せずに、アドレスでヘッドを置いたところが最下点と考えれば、勝手にアッパー気味にヘッドは動いてくれます。あとは肩を上下に動かす意識をすれば、さらにフォローが高くなって、勝手にアッパー軌道になってくれると思います。
実際に何球も打っていると、高弾道でスピン少なめのショットが打てる感じがします。ヘッドスピードも上がるので、この動きに慣れてしまえば確実に飛距離は伸びそうだと思いました。とにかく体の左サイドを意識して体を回し続けるというのが大事ですね。フィニッシュまで気持ちよく回り続けられれば、飛距離が伸びそうな感じがします。この動きはグリップも含めて、素振りでしっかりと体に覚え込ませることが大事なんじゃないかと思いました。飛距離を少しでも伸ばしたいと思っている人は、ぜひとも一度試してみてください。