
解説/田中元基プロ
たなかもとき。2002年生まれ。福岡県出身。沖学園高校を卒業後、2020年にプロ転向。現在は下部ツアーを主戦場として戦うショットが持ち味の期待の若手プロ
【準備】まずボール状況を見極める
GD フェアウェイバンカーからグリーンに乗せる確率を上げるために一番大切なことはなんですか。
田中 ボールのライの確認です。ボールが少しでも沈んでいたら無理をせずにSWを使って確実に脱出を優先させます。ライが良かったらアゴまでの距離と高さを確認します。
GD ボールからアゴまでどれくらい離れていたらいいですか。
田中 アゴの高さにもよりますが、残り150ヤードならアマチュアの方は7番とか8番アイアンくらいが多いかと思いますので、アゴの高さがスネの真ん中くらいより低ければ、大体1.5メートルくらいなら離れていたらOKです。
GD ちなみみにプロはラフよりもバンカーのほうが楽と言いますがどうしてですか。
田中 理由はボールとフェースの間に芝が挟まらないからで、ラフから打つよりも距離感を合わせやすいからです。もちろん、プロだってバンカーも嫌ですよ(笑)。少しでもダフれば大ミスになりますから。でもトップのミスはある程度許されるからバンカーのほうが楽かもしれませんね。
GD ダフリが一番避けなければいけないミスなんですね。
田中 その通りです。できるだけボールだけをクリーンに打ちたいので、ライをきっちり見極めたら、クラブは小指1~2本分は短く持ち大振りしないように準備をします。大振りするとダフる確率が上がってしまうからコンパクトに振るためです。では、具体的な打ち方について説明していきましょう。

アゴの高さ20センチなら1.5メートル離れていればOK
3つの準備
準備1 アゴがいくら低くても1.5m以内なら狙わない
フェアウェイバンカーは、一般的には比較的アゴの高さが低いので、ボールがアゴに近くない場合、ライさえよければ狙うことができる。もしアゴまでの距離が1.5メートルない場合は、SWなどを使って確実に脱出することを優先しよう。

アゴまでの距離が1.5メートル
準備2 指1本分短く持ちしっかり強く持つ
大振りするとダフリのミスをする確率が上がるため、クラブを短く持ちコンパクトに振ることを心がける。その分、距離が多少落ちるのでクラブ選択に気をつけよう。

短く持つ
準備3 ライの見極め
グリーンに乗せる確率を上げるためにもっとも大切なことがライの見極め。少しでもボールが沈んでいたら無理せずSWなどで脱出を優先しよう。沈んでいなくても、ボールの後ろ側が高くなっている場合も狙えないので要注意。

〇通常、×(左)やや沈んでいる、×(右)ボール後方に砂がある
【構え】ダフらないアドレスを作る
GD フェアウェイバンカーでダフらないための打ち方を教えてください。
田中 絶対にやってはいけないのは“あおり打ち”です。心理的にボールを上げたくなりますがあおり打ちになるとダフります。それを防ぐために、ヘッドは必ず上から入れるようにします。
GD 打ち込むんですか。
田中 ヘッドを鋭角に入れすぎると砂に刺さるので、少しだけ上から打ちます。そのためにインパクトで左足を踏ん張りグラつかせないことです。なぜなら、すくい打つ動きは右足体重になっているからです。
GD アドレスからインパクトまで左足を踏ん張る意識を持つことで、ダフリが防ぐことができるんですね。
田中 打ち方を変えなくてもあおり打ちが解消されます。もう一つですが、少しトップめになっても問題ありません。実際、ボクはスコアラインの下から2本目に当てるイメージで打ってます。ヘッドが上めから入っていれば、多少トップしても高さが出るのでアゴに当たることなく脱出できます。

トップでもOKです!
注意ポイント
ポイント① 無理に上から打ち込むとヘッドが砂に刺さりザックリする
ダフリたくない意識が強いと、ヘッドを極端に上から打ち込んでしまいダフリのミスが出たり、逆にトップしたらまったくボールが上がらないので脱出できない。左足がグラつかなければ適度な鋭角な動きになり、クリーンにボールだけを打ちやすくなる。

ヘッドは緩やかに上から下へ動く
ポイント② 左足をしっかり踏ん張る
ダフる原因は、ボールを上げようとしてインパクトで右足体重になってしまうこと。インパクトで右足体重にならないように左足を踏ん張ることで、あおり打つ動きがなくなり、上からボールをとらえることができクリーンヒットできる。

自然に上から打てます
フォローで砂が飛んでいるのはボールをクリーンにとらえている証拠だ!

打点のイメージ
ボールをクリーンにヒットするためにスコアラインの下から2本目に当てるつもりでスウィングするという田中プロ。

スコアラインの下から2本目に当てるイメージ
▶フェアウェイバンカーでグリーンを狙う“わき締めスウィング”の極意
PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/玄海ゴルフクラブ