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左からテーラーメイド/タイトリスト/キャロウェイ
まず、試打をするクラブのスペックと特長などを小島プロからレクチャーしてもらおう。
●テーラーメイド『r7 QUADMINI DRIVER』13.5度、305cc、シャフト『 Damiana TM55』 Flex S、43.75インチ。
●タイトリスト『GT280 Mini Driver』13度、280cc、シャフト『TENSEI 1KBLACK65』Flex S、43.5インチ。
●キャロウェイ『ELYTE MINI DRIVER』13.5度、340cc、シャフト『TENSEI GREEN60 for Callaway』 Flex S、43.5インチ。
「いわゆるミニドライバーという位置づけのクラブです。ヘッド体積は、『r7 QUAD』が305cc、『GT280』が280cc、『ELYTE 』が340ccです、見た目にも明らかに大きさが違いますよね。長さは『r7 QUAD』だけが43.75インチで他の2つは43.5インチです。タイトだけがロフト13度で他の2つは13.5度です」
次に、見た目のサイズ感などによってそれぞれのクラブは『ドライバー寄り』なのか『3番ウッド寄り』なのかの“位置づけ”を二人が話し合い、最後に試打の詳細を決めていく。
小島: テーラーとキャロウェイは11.5度のロフト設定もありますが、タイトはない。そこはちょっと“位置づけの違い”かなと思います。
癸生川: タイトリストはスプーンの要素が強い?
小島: メーカーはドライバーとスプーンの間と言っているので、ブラッシー(2番ウッド)なのかもしれないです。ただヘッドはちょっとディープで形状的には同じように見えるので、打ってみて違いがどう起きるのかというところを検証していきます。しかし、なかなか難しい比較になりそうですね。試打の想定をドライバーとしてやるのかスプーンとしてやるのかですが、アタックアングル(入射角)を0度近辺で、クラブスピード43~44m/sくらいでやっていこうと思います。
試打で使用するボールはタイトリスト『PRO V1』。では試打開始!
■テーラーメイド『r7 QUADMINI DRIVER』
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.1m/s
ボール初速●65.6m/s
打ち出し角●13.7度
スピン量●2863rpm
降下角●35.7度
キャリー●244.5Y
飛距離●271.3Y
打ち出し方向●1.0度左
スピンアクシス●5.4度左
SIDE●11.2Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●6ミリトウ
Vインパクト●0低

HS44m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(上)とGCクワッド(下)のデータ
構えた時の印象と打感や弾道の感想は?
癸生川: なんかいい音だよね、コレ。
小島: つかまるんですか。
癸生川: つかまる。構えてみるとちょっと……。
小島 左向いて見える?
癸生川 そうですね。
■タイトリスト『GT280 MiniDriver』
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.2m/s
ボール初速●66.4m/s
打ち出し角●11.5度
スピン量●3049rpm
降下角●36.8度
キャリー●241.1Y
飛距離●264.4Y
打ち出し方向●0.9度左
スピンアクシス●4.4度左
SIDE●11.8Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●6ミリトウ
Vインパクト●0低

HS44m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(上)とGCクワッド(下)のデータ
構えた時の印象と打感や弾道の感想は?
癸生川: 構えた時にフェースは真っすぐだね。つかまり過ぎる要素はない。
小島: テーラーのほうがつかまってくれる感じですか。
癸生川: うん、しっかりつかまってくれる感じ。でもだからといってタイトがつかまらないという感じはない。弾道は強いね、球が。
小島: いい球だね。
癸生川: テーラーよりもスピン量は少なく感じるかな。ライナーで飛んでくれそうな感じ。
■キャロウェイ『ELYTE MINIDRIVER』
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.2m/s
ボール初速●66.0m/s
打ち出し角●13.8度
スピン量●3396rpm
降下角●41.0度
キャリー●243.1Y
飛距離●262.5Y
打ち出し方向●1.8度左
スピンアクシス●5.4度左
SIDE●13.3Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●8ミリトウ
Vインパクト●0低

HS44m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(上)とGCクワッド(下)のデータ
構えた時の印象と打感や弾道の感想は?
小島: 他のクラブと比較して、見た目の印象は?
癸生川: 大きいね。
小島: 見てわかるくらい?
癸生川: わかるくらい大きい。
小島: フェースの向きはどうですか?
癸生川: ロフトはしっかり見えるんだけど、そこまで左に向いて見えない。
小島: テーラーよりは左に向いていないように見える?
癸生川: 見えるね。
小島: タイトよりは?
癸生川: ロフトが見えるぶん、キャロウェイのほうがタイトよりフェース面は見える。だからつかまりそうなんだけど、でもそこまで左に向いては見えない。(打った感想は)ほんと上がるわ、コレ。
小島: そして、ちょっとつかまるよね。
癸生川: つかまる。なんか上がるから、楽は楽だと思うけど。明らかにELYTEだけは上がる。
■3つのクラブの試打データの入力条件はほぼ同一だった
クラブスピードはほぼ同じでテーラーが44.1m/s、タイトが44.2m/s、キャロウェイが44.2m/s。打点もほぼ同じで、前後はテーラーが6ミリ、タイトは6ミリ、キャロウェイは8ミリですべてトウヒット。高低に至っては全部0ミリに当たっている。0度を目指したアタックアングルは、テーラーがマイナス0.2、タイトがマイナス0.4、キャロウェイがマイナス0.2と、これもほぼ同一。これによって、得られたデータは修正を加えることなく比較することができることに。
▼小島プロのデータ分析
●ボールスピード 『ボールスピードはタイトが1番速い』
ボールスピードはタイトリストが1番速いです。66.4m/s、次ぎがキャロウェイ66m/s、テーラーメイドが65.5m/s。打点、クラブスピード、アタックアングルなどがほぼ同じでも、ボールスピードで1メートルくらいテーラーとタイトリストは違いが出ました。
●打ち出し角 『打ち出し角はタイトが1番低い』
打ち出しの高さはタイトリストが一番低くて11.5度。ロフト角が他の2つが13.5度でタイトだけ13度ということも関係するとは思いますが、それでも2度くらい低いです。他にもシャフトの硬さなども含めていろいろあるとは思いますけど。
●スピン量 『スピン量はキャロウェイが1番多く、弾道が高い』
スピン量はテーラーが一番少なくて2863rpm。タイトが3049rpm、キャロウェイが一番多くて3396rpmです。キャロウェイは打ち出し角も13.8度と一番多く、落下の角度も41度で一つだけ40度を超えています。癸生川プロが言ったようにキャロウェイだけ一段階弾道が高くて、キャロウェイのミニドライバーは球が上がりやすい特長があると言えます。
●キャリーとトータル距離 『飛距離はテーラーメイドが1番出ている』
キャリーはテーラーは高打ち出し、低スピンで飛んで行くのでキャリーは1番出ます。244.5ヤード。トータルも271.3ヤードでテーラーが一番出ています。
■結論

「ちょっとドライバー寄りに寄せているテーラーメイド、3ウッドに寄せているキャロウェイと、その中間のタイトリスト」(小島プロ)
小島: キャリーもトータル飛距離も、テーラーメイドが1番出ています。
癸生川: テーラーは1番初速が遅かったんだよね。
小島: そう、初速は速くないんだけど、打ち出しの角度が高くてスピン量が少ないので、ドライバーのように飛んでいく。だから、13.5度なんだけど、ちょっとドライバーに寄せているイメージがあります。
癸生川: それで長さも、一つだけちょっと長いってこともある。
小島: それもあると思います。43.75インチだから。キャロウェイは逆に3番ウッド寄りなんですよ。だから落下の角度が40度を超えてスピン量も3396rpmも入るし、球を止められる。でもトータルの距離は、ドライバー寄りのテーラーは271.3ヤードに対して3番ウッド寄りのキャロウェイは262.5ヤードで落ちます。タイトはそのちょうど中間の264.4ヤードなんですが、タイトリストはドライバーと3ウッドの間くらいだよというイメージなので、どっちにも寄せて無いよというイメージがあります。ただ、キャロウェイは11.5度があるので、ドライバーに寄せたヘッドもあるというのが一つのポイントかもしれないですよね。結論としては、打ち出し角とスピン量の微妙な設定で、ちょっとドライバー寄りに寄せているテーラーメイド、3番ウッドに寄せているキャロウェイと、その中間のタイトリストというイメージなのかなと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、テーラーメイド『r7 QUAD MINI DRIVER』、タイトリスト『GT280 Mini Driver』、キャロウェイ『ELYTE MINI DRIVER』の3つのミニドライバーの特性の違いなどさらに深い検証をやっているので、より詳しく知りたいという人はそちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディアゴルフ技術研究所