トランプ関税の影響がゴルフ界に波及。ゴルフカートがアメリカと中国の貿易摩擦の渦中に巻き込まれたと米ゴルフダイジェストは報じている。
画像: アメリカの老舗カートメーカーのClub Car。日本でもトランス・パシフィック・リンクス・ジャパンを通して購入できる(画像は「Club Car」のホームページより)

アメリカの老舗カートメーカーのClub Car。日本でもトランス・パシフィック・リンクス・ジャパンを通して購入できる(画像は「Club Car」のホームページより)

アメリカに輸入される中国製のゴルフカートは圧倒的に安い。アメリカの大手Club CarとE-Z-GOがオンラインで販売しているゴルフカートの最安値は前者が9475ドル、後者が8374ドルだが、中国のオンライン通販サイトAliExpressでは10分の1の約900ドル前後で購入することができる。

Club CarとE-Z-GOの本拠地があるジョージア州選出の共和党下院議員リック・アラン氏はアメリカの企業に与える影響をこう語る。

「中国製のカートが輸入されるや否や、瞬く間に市場のシェアを拡大し競合他社を脅かしました」

そこで同氏は昨年6月USTR(米国通商代表部)に書簡を送り国内企業の保護を訴えた。それから1年以上経過し、先頃ITC(国際貿易委員会)がゴルフカートの不公正な輸入によって米国内の生産者が重大な損害を受けたと判断。これまで31パーセントだった輸入カートに679パーセントの関税を課すことが決まった。米国に拠点を置く製造メーカーが廃業に追い込まれた場合「中国が価格を釣り上げる可能性もある」と言うアレン氏は「これは国家安全保障上の問題。ゴルフカートもアメリカが中国の言いなりになっている鉄鋼などの製品リストに加わる恐れがある」と危機感をあらわにした。

国際経済の専門家は「半導体やレアアースといった戦略的に重要なアイテムを中国に依存することは安全保障に関わるが、ゴルフカートはそうではない。我が国は中国のスパイ活動、ロシアやウクライナといった紛争地帯への対応など安全保障上の問題を抱えている」と冷ややかだが、アレン氏は自国の歴史あるブランドを失うことを懸念し「アメリカファースト」を主張している。

関税が跳ね上がることで起こる懸念はプレーフィーの上乗せに繋がるということ。日本にとっても対岸の火事とは言い切れない。

トランプ関税の波はゴルフ界にも

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