ユーティリティのシャフト問題。アイアンに寄せるなら100グラムもあり
GD フェアウェイウッド、ユーティリティの重量はどうでしょう。FW、UTに関して言えば専用シャフトがあるじゃないですか。そこから選ぶのがいいんですかね?
長谷部 シャフトメーカーもあまりそこを推してないように見えるんですけど、シャフトメーカーの試打会に行けば必ずフェアウェイウッド用やユーティリティ用のシャフトもあるので、一度試してほしいんですよね。きちんと評価されて作られているので種類は少ないかもしれないですけど、性能的には間違いなく選べる範疇だと思います。
GD 今の話からすると、ドライバーが50グラムなら、フェアウェイウッドも50グラムということになりますか?
長谷部 60グラムもありだと思います。あくまでも供給長が短いので、表示もその長さで表示しているから切った時にどれくらいの重量になるかを確認していただくのがいいと思います。ドライバーとの逆転がないようにしておけばいいんじゃないかなと。
GD リシャフトする場合は60グラムを選択することができますが、既製品だと50グラムがほとんどですか? 60グラムの既製品はないような気がします。
長谷部 数グラム程度はフェアウェイウッドのほうが重い表示をしていることがあるかもしれないですね。ドライバーが50グラムに対して、フェアウェイウッドが53グラムとか。フェアウェイウッドのほうが軽くなってしまっているような逆転は多分ないと思います。
GD ユーティリティは、フェアウェイウッド寄りに考えるか? アイアン寄りに考えるか? ここが分かれ目になっていると思うんですよ。
長谷部 ここは「チップ径問題」があるので本当に難しい話になります。ユーティリティのヘッド形状にウッドタイプとアイアンタイプがあるんですけど、ロングアイアンの形状に近いアイアンタイプをちょっと除外して言うと、ウッド形状のユーティリティが最初出始めた時はチップ径の細いものが流行っていました。細くて先がしなって球が上がりやすい、やさしい。ロングアイアンの代わりになるということで売れました。
でも使用者が増えていくことによってリシャフトも多くなる。ウッドのチップ径だと中途半端で使いづらいみたいな声が出始めた時にやや太めのチップ径の物も出てくるようになった。そこから今度、ユーティリティ専用設計シャフトが始まり、細い、太いの中間もラインアップされるようになってきた。方向安定性を求めるとチップの太いシャフトがいいとなると、選択肢としてはスチールシャフトまで入ってきます。
GD アイアンのシャフトをユーティリティに入れる?
長谷部 「350チップ」と言われるものが中間の径になってくるんですけど、それに対して「370チップ」みたいなものになっている。そこは複雑なのでクラブメーカーもなかなか言わないんですけど、ウッドっぽく打ちたい人がウッド径のものを使えば、「やさしいね」という評価になるんですけど、方向安定性の面ではちょっと難があるので、ちょっと太めのチップがいいねということで、ユーティリティ用もしくはアイアン用のシャフトを入れるケースも増えてきています。
GD 重量フローで考えたら何グラムぐらいになるんですか?
長谷部 アイアン寄りの考えだと100グラム前後の選択肢が出てくるので、クラブ重量は相当重くなります。軽くやさしく打つという目的じゃなくなってきますよね。あくまでもロングアイアンの代わりで、一定の距離を曲がらずに打つためのクラブがハイブリッドに必要だという考えの人はこっちなります。
GD 相当な技術とスウィング力がないとダメですね。
長谷部 そうじゃない一般のアマチュアは、ウッド径やユーティリティ径など先のしなるシャフトを選んでいただいて、やさしくボールをつかまえて遠くに飛ばす。多少の曲がりは犠牲にしたとしても縦の距離で飛ばしていきたいという方を選ぶべきなので、ユーティリティはフェアウェイウッドよりも若干重ため。FWが60グラムだったら、UTは70グラムとかその辺の選択になると思います。