「長谷部祐とギア問答!」は、国内外大手3メーカーで、誰もが知る有名クラブの企画開発を20年超やってきたスペシャリストの長谷部祐氏に、クラブに関する疑問を投げかけ、今何が起こっているのか? その真相を根掘り葉掘り聞き出すものです。クラブ開発の裏側では、クラブ開発の裏側では、こんなことが考えられているようです……。

ウェッジのシャフトはアイアンより重く、もしくは同等

GD ウェッジに関してはどうですか? ボーケイウェッジは既製品だと105グラムのスチールが標準で付いています。全体的に軽量化が進むと重たいように思うのですが。

長谷部 逆転はしないほうがいいかなと思っています。

GD アイアンよりもウェッジが軽くなる?

長谷部 本当に難しい話なんですが、ヘッド重量が重いクラブは良くないので、仮にヘッド重量が重いとしたらシャフトを軽くして全体のバランスを取るやり方もゼロではなんですけど、ウェッジに関しては重ためで選んで間違いはないと思います。アイアンよりも若干重ためもしくは同重量。

GD アイアンのシャフトって番手でウェイトフローしているんですか?

長谷部 1本どりでなければ番手別設計なんで同一重量です。ウェイトフローになっている物も7番を中心に上は軽く、ショートアイアンは重くなっています。

GD リシャフトするときの重要なポイントですね。

長谷部 そうですね。今回「ブリヂストン」から出てる『CBPアイアン』は、『モーダス105』のウェイトフローなので、7番を軸に上の番手は軽く下の番手は重くなっていますから、ウェッジに通常の(ウェイトフローではない)モーダス105をそのまま入れると、重量のズレが出る可能性があります。

『CBPアイアン』のようなウェイトフローの場合は、ウェッジはどうしようかって言ったらモーダスシリーズなら、「115」やウェッジ専用シャフトを入れた方がいいという話にはなるかもしれないですね。

GD ゴルファーの年齢が上がってくると『NS950』の人は、いずれ80グラム以下の軽いシャフトにしなきゃいけないと思うんですけど、なかなか80グラム台に移行しない要因は何ですか?

長谷部 みんな80グラムに興味があるし、打ってみたい。女子プロも80グラム台のスチールをメインに使っているので、いつシフトしてもおかしくないと思うんですけど、メーカーが採用する基準としては、過去の実績と買い替えサイクルを考えたときに、「まだメインは『NS950』であり、90グラムが主流」という考え方なんじゃないですかね。

GD 最近の女子プロは飛ぶから、女子プロのスペックを参考にしている人も多いと思います。女子プロはドライバー:50g、FW:50g、UT:50g、アイアン:80g、ウェッジ:80gが主流で、昔の女子プロがアイアン:70g、ウェッジ:70gだったことを考えると、ちょっと重くなってきています。

長谷部 新作が出てくる時にいつも気にするのは、『NS950』の代わりに『NS850』や『NS750』が採用されているのかな?って見るんですけど、軟鉄鍛造モデルでは意外とそこまで進んでないので期待するのは次の「ゼクシオ」とか……。

アベレージ向けの飛び系に70グラムのスチールが出てくると、それはそれで時代が変わるきっかけになるのかなと思います。なにせ『NS950』を流行らせたのも「ゼクシオ」で2000年頃が起点になっていることを考えれば、20数年経ってお年を取っているので70グラム台のスチールが入っていてもおかしくないのかなという気がしますね。

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