
左から三觜喜一プロ、SMART GOLF代表取締役・高須賀優人氏、VALX代表取締役・只石昌幸氏、トレーニング界のレジェンド山本義徳氏
両社の提携発表に伴い開催された記者会見では、SMART GOLFの代表取締役・高須賀優人氏、VALXの代表取締役・只石昌幸氏のほか、SMART GOLFゴルフアドバイザーの三觜喜一プロ、VALXフィットネストレーナーの山本義徳氏が登壇。ゴルフにおけるフィジカルトレーニングの重要性について熱い議論を交わした。
ゴルファーに足りない「フィジカルトレーニング」への意識
ゴルフ歴41年のツアーコーチの三觜プロと、フィットネストレーナーの山本氏は、アマチュアゴルファーの多くが、ゴルフのパフォーマンス向上におけるフィジカルトレーニングの重要性を認識していないと指摘した。
三觜プロは「約7年前に同様のコンセプトでスタジオを作ったことがありますが、トレーニングとゴルフをセットで申し込んだ方は1%強しかいませんでした」と自身の失敗経験を明かし、一般のゴルファーにトレーニングの必要性を認識させることが難しいという課題を強調。
これに対し、山本氏は「筋トレは全身を鍛える必要はなく、弱いところだけを鍛えれば1日10分で十分です。1〜2畳のスペースがあれば自分の体重だけでもできますし、ダンベル1ペアあれば十分可能です」と、手軽に始められるフィジカルトレーニングのメリットを説いた。
「筋トレすると体が硬くなる」は誤解!?
記者会見では、「筋トレをすると体が硬くなる」というゴルファーが抱きがちな誤解についても言及された。
山本氏は「トレーニングしたことによって体は柔らかくなります」とこの通説を否定。年を重ねて体が硬くなるのは、筋肉の接合部のダメージが原因であり、適切なトレーニングによって改善できると説明した。また、大胸筋をつけすぎるとスウィングに影響があるという懸念についても、一般的なアマチュアゴルファーがそこまで筋肉をつけることは極めて稀であるため問題ないと述べた。
三觜プロも「トレーニングイコール可動域が広がると思っています」と同意しつつ、ゴルフにおいては可動域が広がりすぎるとパフォーマンスが落ちる可能性もあるため、硬い人は硬いなりのスウィングを追求することも大切だと補足した。
提携が生み出す新たな可能性
今回の業務提携で両社がまず取り組むのは、YouTubeでの動画コンテンツの共同制作だ。ゴルフのトレーニングに関する動画などを通じて、双方のユーザーの相互送客やプロモーションを検討していくという。
VALXの只石氏は、当初はマーケティングやブランディング面での提携を考えていたが、話を進める中で、ゴルフとフィットネスを融合させた新たな可能性を感じたと語った。
「筋トレ好きな人はジムに行きますが、ゴルフ好きな人はなかなかジムに行かない。そこで、シミュレーションゴルフに通っている人たちのために、トレーニング施設を併設したような施設を実験的に作ることを検討しています」
この提携は、ゴルファーのパフォーマンス向上に不可欠なフィジカルトレーニングの重要性を広く啓発し、ゴルフとフィットネスをシームレスに結びつける新たなビジネスモデルを構築していくことを示唆している。