マン振りしているのにボールは飛ばない。そんな経験を持つアマチュアは多いはず。逆に力感や当たりは軽いのになぜか飛んでいる……なんて人も。この違いは何なのか? 飛ばし方にはコツがある。それが力の使い方にあるのだ。「気づき」のアドバイスを得意とする北野正之プロは、ハードな練習や筋力トレーニングをしなくても飛距離は十分に伸ばせると語る。「週刊ゴルフダイジェスト」9月2日号では、力に頼らない飛ばし方を教えてくれた。「みんゴル」では3回に分けてご紹介。【3回中3回目】
 
▶「マン振り」するほど飛ばないワケ! プロが教える“力感と飛距離”の意外な関係とは?
 
▶「手や腕の力み」は卒業! プロが教える“手首をいっぱい使う”だけで飛距離アップ
画像: 「右脚を蹴る」だけで20ヤードアップ! プロが教える“体当たり”するような下半身の使い方【力に頼らない飛ばし方③】

解説/北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCCでレッスンを行う。

“使えていない”脚はどう生かすべきか?

手や腕の使いすぎを抑えられたら、今度は使えていない力をどう生かすかだ。そのメインとなるのが脚や足裏の使い方にある。脚や足裏はどう使えばいいのか?

「脚を使うといっても右脚、左脚がありますが、まずは右脚を意識することから始めましょう。ゴルフは地面にあるボールをターゲット方向に飛ばさなければなりません。ですので、ターゲットに向かって右脚を蹴るのが基本的な動きになります。
 
そのときのポイントは3つ。①ターゲットに向かって体当たりするように蹴る。自分の体をターゲット方向に押し込むイメージです。②右足の土踏まずで蹴る。右くるぶしを地面に近づけていくような感じです。③右ひざは前に出さない。ひざが曲がると力が逃げるからです。注意してほしいのは、ひざの動きです。ひじの動きと同様、ひざはできるだけ使わないこと。私が初級者に教えるときは、ひざは伸ばしたままでOKとアドバイスしています。そうすると股関節や足首が使えるようになるからです。アドレスではひざを伸ばし、ふっと緩めるくらいがベストです」

右脚の蹴りだけで体重が乗るようになれば、ボール初速は確実に上がると北野プロ。これがステップ1だ。そしてステップ2が右脚の蹴り方のアレンジになる。

「右足の土踏まずで蹴る動きは、ターゲットに向かって直線的に力を加えていく蹴り方です。ここにアレンジを加えるとヘッドの入射角が変わるんです。たとえば、土踏まずを下へ押し込むイメージで蹴るとヘッド軌道はダウンブローになりますし、上に押し上げるイメージで蹴るとアッパーブローになるんです。多くのアマチュアは『そんなことしているの?』と驚くかもしれませんが、プロや上級者は足裏の動きをそこまで細かくコントロールしているんです。脚や足裏を使いこなせれば、体全部のエネルギーがボールに乗せられます。10~20Yの飛距離アップも夢じゃなくなりますよ」

ステップ①使えていない脚はこう使え!

右足の土踏まずで地面を蹴るイメージ
右足の土踏まずで蹴ります。蹴った後、右つま先を支点に右かかとを回し、そのかかとが右つま先の前に出るのが理想。そうすれば右ひざが左ひざに近づき、左脚1本のフィニッシュになります」

画像: 地面を蹴るイメージ

地面を蹴るイメージ

ポイント① ターゲットに向かって体当たり
「右脚の蹴りはラグビーのような体当たりをイメージします。体の重さをすべてターゲット方向にぶつける意識が持てるほど、インパクトは分厚くなり、ボール初速が上がります」

ポイント② 土踏まずで地面を蹴る
「アマチュアが地面を蹴ろうとするとつま先体重になりがちです。足裏のセンター、土踏まずを意識し、右くるぶしが地面に近づくように蹴っていくのがポイントです」

ポイント③ 右ひざは前に出さない曲げない
「地面を蹴るとき、右ひざが前に出るのはNGです。ひざが出ると右サイドがかぶってアウトサイドイン軌道(カット打ち)になりますし、ひざが曲がるほど、力が逃げます」

画像: 右ひざに注意

右ひざに注意

ステップ②右足裏の蹴り方で弾道も自由自在

足裏の意識だけでヘッドの入射角が変わる
「右かかとを蹴るとエネルギーは左つま先に向かい、右に打ち出せます(③)。逆に右つま先を蹴ると左に打ち出せるんです(④)。この足裏感覚がつかめれば、脚の使い方は完璧でしょう」

画像: 番号順に動かす

番号順に動かす

❶土踏まずを下へ→ダウンブロー
❷土踏まずを上へ→アッパーブロー
❸右かかとを蹴る→右に打ち出す
❹右つま先を蹴る→左に打ち出す

右足裏で蹴ったエネルギーは外側へ逃がさない
「右足裏で蹴ったエネルギーを生かすには左脚も重要。左の壁がないと力が逃げるからです。左足を踏むことで左ひざが外側へ流れないように意識しましょう」

画像: 力は逃がさない

力は逃がさない

最強ドリルはコレ「手を使わないボディターンが最適」

「ドリルなら手を使わないボディターンが最適です。手は前で組むのではなく、背中で組みます。右脚の蹴りを意識しながらターゲットに向かって体を乗せていくイメージです」

画像: 右ひざの蹴りが大事

右ひざの蹴りが大事

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/サザンヤードCC
※週刊ゴルフダイジェスト9月2日号より一部抜粋

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