
試合に出ていなくてもタイガーは業界の中心にいる
まずはPGAツアーが新設する「フューチャーコンペティションコミッティ」(新競技委員会)の委員長にタイガーが指名されたこと。
ブライアン・ロラップ新CEOも力を入れる新委員会は「世界最高のプロゴルフ競技を包括的に見直し、最高の新モデルを設計するのが目標」。タイガーを筆頭にツアープロ6名とビジネスアドバイザー3名で構成される。詳細は今後明らかにされていくが、タイガーがツアー改革に一役買うわけだ。
2つ目の話題は、ここ3年で9試合しか出ていないタイガーがプレーヤーズ・インパクト・プログラム(ツアーのイメージアップに貢献した選手へのインセンティブで通称PIP)で4500万ドル(約66億円)を獲得したこと。
LIVへの流出防止策としてPIPを導入したツアーは、2億9000万ドルを拠出したが、タイガーは今年の予算の6割以上を獲得。昨年もシェフラーではなく、5試合しか出ていないタイガーが1位となり1000万ドルを獲得した。ベテランプロのジェームズ・ハーンは「PIP自体が最悪のジョーク」。タイガーが悪いわけではないが物議を醸している。
3つ目は微笑ましい話。ツアー選手権の会見でタイガーの親友、ジャスティン・トーマスがこんなエピソードを披露した。
「確か20年だったと思います。ツアー選手権に出られなかった彼から練習ラウンド中にFaceTimeで電話がかかってきたんです」
トーマスが会場の様子やコースの風景の映像を見せながら「ここは最高」と話していると突然タイガーがいなくなり電話が切れた。そして数分後、再びFaceTimeに登場したタイガーは何とグリーンジャケットを着ていた。「キミはグリーンジャケットを持っていないだろう」とうらやましがらせるのが目的。「あれはひどかった(苦笑)」。
負けず嫌いなタイガーが可愛く思えるエピソードだが、やはりタイガーの一挙手一投足は注目を集める。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号「バック9」より